WordPressのカスタマイズ(デザイン・レイアウト・機能)+AI
WordPressのカスタマイズ
WordPressをカスタマイズする方法は、目的や技術レベルに応じていくつかの主要な手法があります。
最も一般的なカスタマイズ方法と、それぞれのアプローチの概要は以下の通りです。
デザイン・レイアウトのカスタマイズ(初心者向け)
専門的なプログラミング知識がなくても、WordPressの管理画面から比較的簡単にカスタマイズできる方法です。
| 手法 | 概要 | ポイント |
| テーマの変更 | サイト全体のデザイン、レイアウト、機能を一括で変える最も簡単な方法です。 | 外観 ➡️ テーマ から新規テーマを検索・インストール・有効化します。 |
| テーマカスタマイザー | サイトのタイトル、ロゴ、色、フォント、背景、ウィジェットの配置などを、リアルタイムでプレビューしながら変更できます。 | 外観 ➡️ カスタマイズ からアクセスできます。テーマによって設定項目が異なります。 |
| ウィジェットの利用 | サイドバー、フッターなどの特定のエリアに、カレンダー、最新の投稿、検索窓などの機能(ウィジェット)を追加・配置します。 | 外観 ➡️ ウィジェット またはテーマカスタマイザーから設定します。 |
| 追加CSS | テーマカスタマイザー内にある機能で、CSSコードを追記することで、細かなデザイン(色、文字サイズ、余白など)を変更できます。 | 外観 ➡️ カスタマイズ ➡️ 追加CSS にコードを記述します。テーマファイルを直接編集しないため、安全性が高いです。 |
機能のカスタマイズ
サイトに機能を追加したり、特定の操作を可能にするための方法です。
| 手法 | 概要 | ポイント |
| プラグインの利用 | フォーム設置、SEO対策、セキュリティ強化、ギャラリー作成など、特定の機能を追加するための拡張ツールです。 | プラグイン ➡️ 新規追加 から必要な機能を検索・インストール・有効化します。機能追加の最も一般的な方法です。 |
| カスタムフィールド | 投稿や固定ページに、テーマで用意されていない独自の入力項目(例:商品の価格、イベントの日付など)を追加し、それを表示できます。 | プラグイン(例: Advanced Custom Fields)を利用すると管理が容易になります。 |
コードによる本格的なカスタマイズ(中級者以上向け)
HTML、CSS、PHPなどの知識が必要になりますが、より自由で細かいカスタマイズが可能です。
1. 子テーマの利用 【重要】
デザインや機能のコードを編集する際は、必ず「子テーマ」を使用してください。
- 子テーマとは: 親テーマ(元々使用しているテーマ)の機能やデザインを引き継ぎつつ、カスタマイズ部分のみを独立させたテーマです。
- 利点: 親テーマがアップデートされても、子テーマに加えたカスタマイズ内容が消えずに残ります。
- 手順: 親テーマと同じディレクトリ内に子テーマ用のフォルダを作成し、最低限必要な
style.cssとfunctions.phpファイルを設定して有効化します。
2. コードの直接編集
- CSSの編集: 子テーマの
style.cssに記述することで、デザインを変更します。 - PHPの編集: 子テーマの
functions.phpやテンプレートファイル(例:header.php,single.phpなど)を編集することで、表示内容や機能を追加・変更します。PHPコードの編集はサイト全体に影響を与えるため、細心の注意が必要です。
3. ブロックエディター (Gutenberg) の利用
最近のWordPressでは、ブロックエディターを使ってページのデザインやレイアウトをブロック単位で編集できます。また、テーマによってはサイト全体をブロックで管理する「フルサイト編集 (FSE)」機能が利用できます。
- 利用方法: ページや投稿の編集画面で、見出し、画像、段落、カラムなどの「ブロック」を組み合わせてレイアウトを作成します。
カスタマイズの注意点
WordPressのカスタマイズを行う際の注意点やポイントはいくつかあります。安全かつ効果的にカスタマイズを進めるために、以下の点に留意してください。
1. 安全性の確保と準備
- バックアップをこまめに取る
- カスタマイズを始める前、特にファイルを直接編集する前には、テーマファイルやデータベースの完全なバックアップを必ず取っておきましょう。万が一問題が発生した場合に、すぐに元に戻せるようにするためです。
- テスト環境で試す(推奨)
- 本番サイトに直接変更を加えるのではなく、ローカル環境やステージング環境(テスト用の環境)でカスタマイズを試してから本番に反映させることを強くおすすめします。
2. テーマファイルの編集について
- 「子テーマ」を使用する
- テーマのファイルを直接編集すると、テーマがアップデートされた際に変更内容が上書きされて消えてしまうリスクがあります。これを避けるため、子テーマを作成し、子テーマ内でカスタマイズを行いましょう。
- 直接のコード編集は極力避ける
- テーマカスタマイザーや追加CSSの機能、または適切なプラグインで実現できるカスタマイズは、そちらを優先しましょう。ファイルを直接編集(特にPHPファイル)する際は、細心の注意が必要です。
3. 機能・デザイン面での注意点
- レスポンシブ対応を意識する
- パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなど、様々なデバイスでレイアウトが崩れず、見やすい表示になっているか確認しましょう。レスポンシブデザインでないと、読者の離脱や検索順位の低下につながる可能性があります。
- 幅広いユーザーに配慮する(アクセシビリティ)
- 文字のサイズが小さすぎないか、文字と背景の色のコントラストが適切かなど、ご年配の方や視覚に障害のある方なども含めた幅広いユーザーが利用しやすいデザイン(アクセシビリティ)を意識しましょう。
- 表示速度を意識する
- 過度なカスタマイズや不要なプラグインの導入は、サイトの表示速度を低下させる原因になります。ユーザー体験やSEOに影響するため、できるだけ軽量化を心がけましょう。
4. トラブル時の対応
- 不具合が起きたら原因を切り分ける
- カスタマイズ後に不具合が発生した場合、原因を特定することが重要です。最近編集したコードをチェックしたり、原因と思われるプラグインを一時的に停止したりして、問題の切り分けを行いましょう。
- キャッシュを削除する
- カスタマイズを反映してもWebサイトが変わらない場合は、ブラウザやサーバー、キャッシュ系プラグインのキャッシュが残っている可能性があります。キャッシュを削除してから再度確認しましょう。
これらの注意点を守ることで、安全にWordPressのカスタマイズを進めることができます。
カスタマイズにAIを活用
WordPressのカスタマイズにAIを活用する方法は多岐にわたります。主な活用分野は以下の通りです。
デザイン・レイアウトの生成
AIウェブサイトビルダーやページビルダープラグインに搭載されたAI機能を使って、テキストプロンプト(指示)に基づきウェブサイト全体のデザイン、レイアウト、セクションを自動で生成できます。企業のブランドカラーやロゴなどの情報を入力することで、ブランドイメージに合ったデザインを提案・生成するツールもあります。
- 活用ツール例: Divi AI、Elementor AI、SeedProd、Hostinger AI Assistantなど。
コンテンツの作成・最適化
AIを活用して、ブログ記事、製品説明、見出し、メタディスクリプションなどのテキストコンテンツを生成できます。また、既存コンテンツの校正や改善提案、SEOに最適化されたタイトルの生成も可能です。
- 具体例:
- キーワード選定とSEOスコア診断に基づく改善提案。
- 記事の構成案や本文の自動生成。
- 画像の代替テキスト(Alt属性)の自動生成。
コードの生成・改良
開発者向けには、AIがカスタムプラグインコード、WP-CLIコマンド、SQLクエリの最適化、ユニットテストの生成など、特定の機能を実現するためのコードスニペットを生成・提案できます。
- 具体例:
- WPCodeのようなプラグインで、生成されたコードの改善をAIに指示する。
- CodeWPなど、WordPress専用のAIコード生成プラットフォームの利用。
- 自然言語でCSSの変更(例:「ブログのタイトルを太字にして、フォントサイズを28pxに」)を指示し、AIが対応するコードを生成。
サイトの多言語化・翻訳
DeepLやGoogle 翻訳などのAPIと連携し、ウェブサイトのコンテンツを自然な言い回しで自動翻訳し、多言語対応を効率化できます。
ユーザーサポートの自動化
AIチャットボットプラグインを導入することで、訪問者からの問い合わせに自動で応答させ、FAQの学習機能で定型質問への対応を自動化できます。
WordPressテーマ カスタマイズのしやすさ 傾向比較
一般的にWeb上で言われている評判や特徴に基づいて、「コード知識が少ない人が、手軽にデザインを変更できる(=カスタマイズしやすい)」という視点での傾向をまとめています。
| 順位 (※傾向) | テーマ名 | 主な特徴とカスタマイズの傾向 |
| 1 | THE THOR(ザ・トール) | 専用カスタマイザー機能が非常に豊富で、コードを書かずに細部までデザインを変更できる。多機能ゆえに操作が複雑に感じる場合もあるが、カスタマイズの幅は広い。 |
| 2 | STORK SE(ストークSE) | シンプルな構造で、初心者でも迷いにくい設計。ブログ運営に特化した機能が充実しており、特別な知識がなくても見栄えの良いデザインになりやすい。 |
| 3 | Emanon(エマノン) | マーケティング・ビジネスサイト向け。専用ブロックやウィジェットが用意されており、必要な要素を簡単に配置できる。多機能なPro版などがある。 |
| 4 | LIQUID PRESS(リキッドプレス) | 標準機能は抑えつつも、カスタマイズの拡張性が高い。知識があれば自由に変更しやすいが、THE THORほど専用設定項目は多くない傾向。 |
| 5 | RE:DIVER(リダイバー) | 比較的新しいテーマで、Webサイト制作向けのモダンなデザインが特徴。専用機能でのカスタマイズと、コードカスタマイズのバランスが取れている。 |
| 6 | GOLD MEDIA(ゴールドメディア) / GOLD BLOG(ゴールドブログ) | 開発元が同じで、多機能性を売りにしていることが多い。多機能ゆえに初心者には難しいと感じる部分もあるが、専用のオプションは用意されている。 |
※注意点: 上記の順位は、あくまで「世間一般のレビューや機能の多さから推測される、コード不要で手軽にデザインを変更できる度合い」を示す傾向です。個々のテーマの最新バージョンや、あなたのスキルレベルによって評価は大きく変わります。
