構造化データとは?基礎知識からSEOへのメリット、実装方法まで徹底解説

目次
AI検索時代における構造化データの重要性と、その基礎知識を解説。Schema.orgの概要や、GoogleのSGE(AIによる概要)対策としての役割、リッチリザルト表示によるクリック率向上のメリット、JSON-LDを用いた具体的な実装手順まで、初心者にも分かりやすく紹介します。
構造化データの重要性
構造化データは、AI検索時代において極めて重要な役割を果たします。
構造化データとは、ウェブページの内容を検索エンジンやAIに分かりやすく伝えるための特別な情報の記述形式(マークアップ)のことです。特にschema.orgという国際的なフォーマットが推奨されています。
- AIによる理解の深化:
- AIは、構造化データを利用することで、コンテンツの文脈と意味をより正確に把握できます。
- 構造化データはAIにとって、ウェブサイトの内容を理解するための「翻訳機」のような役割を果たします。
- AI検索での利用の優先:
- GoogleのSGE(Search Generative Experience)やBing AIなどのAI検索では、明確に構造化されたデータを持つウェブページが情報源として優先的に使用される傾向があります。
- AIがユーザーの質問に答えるための情報を生成する際、構造化データは信頼できる情報源として参照されやすくなります。
- リッチリザルト(強調スニペット)の表示:
- 構造化データを適切に実装することで、検索結果にリッチリザルト(星評価、FAQ、レシピ、イベント情報など、通常の検索結果よりも詳細な情報)として表示される可能性が高まります。
- これにより、ユーザーのクリック率(CTR)向上につながります。
実装のヒント
構造化データは、ウェブページのHTML内にJSON-LD、Microdata、RDFaなどの形式で記述されます。
- FAQ形式:質問と回答を構造化することで、AIがFAQの内容を理解しやすくなり、AI概要(旧:強調スニペット)に掲載される可能性が高まります。
- HowTo:手順や方法を説明するページで利用することで、ステップバイステップの説明が検索結果に表示される可能性があります。
- Local Business:店舗の営業時間や所在地、評価などを構造化することで、AI検索やGoogleマップでの表示向上が期待できます。
AI検索時代のSEO(AIO: AI検索最適化)において、構造化データは、AIにコンテンツの意図を明確に伝え、情報を整理しやすくするための必須の対策とされています。
構造化データ(Structured Data)とは
構造化データ(Structured Data)とは、行と列などの明確な定義や属性を持つ、事前に定められた構造に整形されたデータのことです。
構造化データの主な特徴
- 表形式: ExcelやCSVファイル、リレーショナルデータベース(RDB)などで管理されるデータのように、行と列という定義可能な属性(フィールド)を持ち、一定のルールに基づいて整理されています。
- 処理の容易さ: 構造化されているため、コンピュータによる検索、集計、比較、分析などが効率的に行えます。SQLなどのデータベース言語で容易に操作できます。
- 主な例:
- 企業の顧客データ(氏名、住所、電話番号など)
- 売上データ(商品ID、価格、販売日、数量など)
- アクセスログデータ(タイムスタンプ、IPアドレス、URLなど)
Webにおける構造化データ
Webページにおいては、検索エンジン(Googleなど)がページの内容をより正確に理解できるように、HTML内に特定の形式でマークアップされたデータを指すこともあります。
- 目的: 検索エンジンがページ上の特定の情報(例:レシピの材料、レビューの評価、商品の価格など)を認識しやすくします。
- 効果: 適切にマークアップすることで、検索結果にリッチリザルト(画像、評価の星、価格などの要素)が表示されるようになり、ユーザーの目を引き、クリック率向上に繋がる可能性があります。
- 形式: JSON-LD、Microdata、RDFa Liteなどがあります。
非構造化データとの違い
構造化データと対比されるのが、メール、テキストファイル、画像、音声、動画データなど、特定の構造を持たずに元の形式のまま保存される非構造化データです。
| 項目 | 構造化データ | 非構造化データ |
| 構造 | 事前定義された行と列(スキーマオンライト) | 事前定義された形式がない(スキーマオンリード) |
| 例 | RDB、CSV、Excelファイル | テキスト、メール、画像、動画、音声 |
| 処理 | 容易、効率的な検索・集計・分析が可能 | 複雑、解析に専門的なツール(NLPなど)が必要 |
| 柔軟性 | 目的外の利用はしにくい | 用途に応じて柔軟に活用可能 |
Schema.org(スキーマ・ドット・オーグ)とは
Schema.org(スキーマ・ドット・オーグ)は、Webページで構造化データマークアップを使用するための標準語彙(ボキャブラリー)を定義している共同コミュニティです。
Google、Microsoft、Yahoo!、Yandexといった主要な検索エンジンが共同で立ち上げ、ウェブコンテンツの意味を検索エンジンがより正確に理解しやすくするために作られました。
| 主なポイント | 説明 |
| 目的 | 検索エンジンがWebページの内容(例えば、それが「レストラン」なのか、「映画」なのか、「レビュー」なのかなど)を明確に理解できるようにするための共通規格を提供すること。 |
| 仕組み | ウェブマスターがHTMLに特定のタグ(構造化データマークアップ)を追加する際、schema.orgで定義された語彙(例: Product、LocalBusiness、Recipeなど)を使用することで、情報の種類や意味を検索エンジンに詳細に伝えることができます。 |
| メリット | 検索エンジンは構造化データをもとに、検索結果にリッチスニペットやリッチリザルトと呼ばれる、より詳細で視覚的に豊かな表示(例:星評価、価格、イベント日程など)をすることが可能になり、SEO(検索エンジン最適化)の向上やクリック率(CTR)の改善に繋がります。 |
簡単に言えば、schema.orgは「ウェブサイトの情報を検索エンジン向けの共通言語で整理するための辞書や設計図」のようなものです。
GoogleのSGE(Search Generative Experience)とは
Search Generative Experience(SGE)とは、Googleが開発した、生成AI技術をGoogle検索の結果に統合することで、検索体験を進化させる新しい取り組み(または機能のセット)です。
現在、この機能は一部の国や地域で試験運用されており、2024年5月頃からGoogle検索の正式機能として「AI Overviews」(日本語名:「AIによる概要」)という名称で展開が進められています。
SGEの主な特徴
SGEは、従来の検索結果に加えて、生成AIによる回答を検索結果の最上部に表示することで、ユーザーの求める情報に素早く、かつ対話的にアクセスできるように設計されています。
- AIによる要約(スナップショット / AI Overviews)
- ユーザーの検索クエリ(質問やキーワード)に対して、複数のウェブページから情報を抽出し、AIが生成した簡潔な回答や要約を検索結果のトップに表示します。
- これにより、ユーザーは複数のサイトを巡ることなく、トピックの概要を迅速に把握できます。
- AIによる回答には、情報源となった関連ウェブページのリンクも併せて表示されます。
- 対話型検索(Conversational Mode)
- AIによる回答の下に「追加で質問する」などのプロンプトが表示され、チャット形式でAIに質問を続けることができます。
- 文脈を維持しながら、前の質問の続きとして情報を深掘りしたり、より詳細な情報を探索したりすることが可能です。
- 複雑な質問への対応
- 従来の検索エンジンでは難しかった、複数の側面を持つ複雑で長い質問に対しても、AIが情報を統合して適切な回答を生成します。
- 新しい検索体験
- ショッピング関連のクエリに対して製品情報を比較しやすくしたり、旅行プランの作成を支援したりするなど、様々な検索体験の「垂直的(バーティカル)な」進化も目指しています。
SGEとBard(Gemini)との違い
SGEはGoogleの生成AI技術を利用していますが、Googleが提供するチャットボットAIであるBard(現Gemini)とは目的と提供場所が異なります。
| Search Generative Experience (SGE) / AI Overviews | Bard (現 Gemini) | |
| 目的 | Google検索の体験を進化させる | 独立したチャットボットとして質問に回答し、クリエイティブな作業を支援する |
| 提供場所 | Google検索の検索結果ページ内 | 独自のウェブサイトやアプリ(Bard/Gemini) |
| 情報の提供方法 | 検索結果の一部としてAIが要約や回答を提示し、情報源(ウェブサイト)を関連付けて表示 | チャットのやり取りを通じて対話的に回答を生成し、新たなコンテンツを作 |
構造化データを実装する主な方法
構造化データをウェブサイトに実装する方法は主に3つの方法があります。Googleは特にJSON-LD形式の使用を推奨しており、これが最も一般的で簡単な方法とされています。
1. HTML上での直接マークアップ
ウェブページのHTMLコードに直接構造化データを埋め込む方法です。
- JSON-LD(推奨)
<script type="application/ld+json">タグを使用して、JavaScriptのオブジェクト形式でデータを記述します。- HTMLの
<head>または<body>要素内に挿入でき、比較的コードの管理がしやすいのが特徴です。 - 初心者にも扱いやすく、Googleが最も推奨する形式です。
- Microdata
- HTMLタグに
itemscope、itemtype、itempropといった属性を追加してデータを記述します。 - コンテンツの内容と構造化データの記述が混在します。
- HTMLタグに
- RDFa
- HTMLやXMLにメタデータを埋め込む形式で、Microdataと似ていますが、異なる属性(
vocab、typeof、propertyなど)を使用します。
- HTMLやXMLにメタデータを埋め込む形式で、Microdataと似ていますが、異なる属性(
2. 構造化データマークアップ支援ツールの利用
Googleが提供する構造化データマークアップ支援ツールなどを使用し、直感的なインターフェースでマークアップを作成する方法です。
- ウェブページに表示されている情報をハイライトし、それが何のデータ(例: 商品名、価格、著者など)であるかを指定していくことで、ツールが構造化データコードを生成します。
3. データハイライターの使用
Google Search Console(サーチコンソール)のデータハイライター機能を使用する方法です。
- HTMLコードを編集せずに、ウェブページ上の情報にタグ付けしてGoogleに構造を伝えることができます。
- 利用できるデータタイプに限りがある場合があります。
構造化データ実装の一般的なステップ(JSON-LDの場合)
JSON-LDはGoogleが推奨する形式で、以下の手順で進めるのが一般的です。
ステップ1: スキーマタイプの選択
- Schema.orgのウェブサイトを参照し、自分のサイトの内容(例: 記事、商品、イベント、FAQなど)に合ったスキーマタイプ(データの型や定義)を選びます。
ステップ2: JSON-LDコードの作成
- 選択したスキーマタイプに基づき、必須プロパティを含めたJSON-LDコードを作成します。
- Schema.orgのドキュメントやオンラインの生成ツール、またはサンプルコードを活用し、自分のサイトの情報に置き換えて記述します。
ステップ3: コードのテストと検証
- 作成したJSON-LDコードをGoogleのリッチリザルト テストツールに入力し、エラーがないか、Googleが認識できる形式になっているかを検証します。
ステップ4: サイトへの実装
- テストで問題がなかったコードを、対象となるウェブページの
<head>要素内、または<body>要素内の適切な場所に<script type="application/ld+json">タグで貼り付けます。
ステップ5: 実装後の再テストとモニタリング
- 実際に実装したページをリッチリザルト テストツールやURL検査ツールで再確認し、Googleが正しく構造化データを検出していることを確認します。
- 実装後は、Google Search Consoleの拡張レポートで構造化データのパフォーマンスやエラーを継続的にモニタリングします。
