Twenty Elevenのカスタマイズ – WordPressテーマ

Twenty Elevenのカスタマイズ

WordPressの標準テーマである「Twenty Eleven」のカスタマイズについてですね。このテーマは古くからあるシンプルで使いやすいテーマですが、現代のウェブサイトに合わせるにはいくつかのカスタマイズが必要です。

1. WordPressの管理画面からのカスタマイズ

まず、コードを触らずにできる基本的なカスタマイズから始めましょう。

  • 外観 > カスタマイズ: ここでは、サイトのタイトルとキャッチフレーズ、サイトアイコン(ファビコン)、背景画像、ヘッダー画像などを設定できます。
  • 外観 > ウィジェット: サイドバーやフッターに表示される要素(アーカイブ、カテゴリー、最近の投稿など)を追加・編集・削除できます。
  • 外観 > メニュー: ヘッダーやフッターに表示されるナビゲーションメニューを作成・編集できます。固定ページ、投稿、カスタムリンクなどを自由に配置できます。

2. 子テーマの作成によるカスタマイズ(推奨)

デザインや機能をもっと深くカスタマイズしたい場合、子テーマを作成することを強くお勧めします。子テーマを使わずにTwenty Eleven本体のファイルを直接編集してしまうと、WordPressやTwenty Elevenのアップデートがあった際に、加えた変更がすべて消えてしまう可能性があります。

子テーマを作成するメリットは以下の通りです。

  • 安全なカスタマイズ: 親テーマのアップデートに影響されずにカスタマイズを維持できます。
  • 管理のしやすさ: カスタマイズしたファイルだけを管理できます。
  • 元の状態への復元が容易: 問題が発生した場合でも、子テーマを無効化するだけで元の状態に戻せます。

子テーマの作り方(基本的な手順):

  1. WordPressのインストールディレクトリにあるwp-content/themesの中に、新しくフォルダを作成します。例えばtwentyeleven-childなど、親テーマ名を含んだ分かりやすい名前が良いでしょう。
  2. 作成したフォルダの中に、以下の2つのファイルを作成します。
/*
 Theme Name: Twenty Eleven Child
 Template: twentyeleven
 Description: Twenty Elevenの子テーマです。
 Author: あなたの名前
 Version: 1.0.0
 */

上記のコメントブロックは必須です。Templateの部分には親テーマのフォルダ名(twentyeleven)を正確に記述してください。

<?php
add_action( 'wp_enqueue_scripts', 'twentyeleven_child_enqueue_styles' );
function twentyeleven_child_enqueue_styles() {
    wp_enqueue_style( 'twentyeleven-style', get_template_directory_uri() . '/style.css' );
    wp_enqueue_style( 'twentyeleven-child-style',
        get_stylesheet_directory_uri() . '/style.css',
        array( 'twentyeleven-style' ),
        wp_get_theme()->get('Version')
    );
}
?>
    • このコードは、親テーマのスタイルシートを読み込んだ後に、子テーマのスタイルシートを読み込むためのものです。
  1. WordPressの管理画面で「外観 > テーマ」に移動し、作成した子テーマを有効化します。

子テーマを有効化したら、twentyeleven-child/style.cssにCSSを追加したり、親テーマのファイルを子テーマにコピーして編集することで、デザインや機能をカスタマイズできます。

3. CSSによるデザインカスタマイズ

子テーマのstyle.cssにCSSコードを追加することで、見た目を大きく変更できます。

よくあるカスタマイズ例:

  • フォントの変更:
body {
    font-family: "Noto Sans JP", sans-serif;
}

文字サイズの調整:

body {
    font-size: 16px;
}
h1 {
    font-size: 2.5em;
}

色の変更:

#site-title a {
    color: #333;
}
.entry-title a:hover {
    color: #0073aa;
}

レイアウトの調整:

#primary {
    width: 70%;
    float: left;
}
#secondary {
    width: 25%;
    float: right;
}

CSSの変更は、ブラウザの開発者ツール(F12キーで開くことが多い)を使って、どの要素にどのCSSが適用されているかを確認しながら進めると効率的です。

4. PHPによる機能カスタマイズ

子テーマのfunctions.phpを編集することで、WordPressの機能を追加したり変更したりできます。また、親テーマのテンプレートファイル(例: header.php, footer.php, single.phpなど)を子テーマにコピーして編集することで、ページの構造そのものを変更することも可能です。

よくあるカスタマイズ例:

  • カスタム投稿タイプの追加
  • ショートコードの作成
  • 特定のフックを使った表示内容の変更

Twenty Elevenのカスタマイザー

WordPressテーマのTwenty Elevenは、古くからある標準テーマですが、現在でもカスタマイザーを通じて多くの設定変更が可能です。

Twenty Elevenのカスタマイザーでできること

Twenty Elevenテーマのカスタマイザー(「外観」→「カスタマイズ」からアクセス)では、主に以下の項目を調整できます。

  • サイト基本情報: サイトのタイトル、キャッチフレーズ、サイトアイコン(ファビコン)の設定。
  • :
    • カラー配色: 明るい(白地のコンテンツ背景)または暗い(黒地のコンテンツ背景)のカラースキームを選択できます。
    • リンクの色: サイト全体のリンクの色を変更できます。
  • ヘッダー画像: 独自のヘッダー画像をアップロードして設定できます。
  • 背景画像: サイトの背景色を変更したり、画像をアップロードして背景に設定したりできます。
  • メニュー: グローバルナビゲーションなどのメニューを作成・管理し、表示位置を設定できます。
  • ウィジェット: サイドバーやフッターに表示するウィジェットを設定・管理できます。Twenty Elevenには、フッターに3つのウィジェットエリアと、Showcaseページ用のウィジェットエリアがあります。
  • ホームページ設定: フロントページを最新の投稿にするか、固定ページにするかを選択できます。固定ページにする場合は、トップページと投稿ページ(ブログページ)をそれぞれ指定できます。
  • 追加CSS: テーマのCSSを直接編集することなく、独自のCSSコードを追加できます。これにより、テーマのアップデート後もカスタマイズ内容が保持されます。

Twenty Elevenのレイアウトオプション

Twenty Elevenには、以下の3つのレイアウトオプションがあります。

  • コンテンツが左、サイドバーが右
  • コンテンツが右、サイドバーが左
  • サイドバーなしの1カラムレイアウト

これらのレイアウトは、テーマオプションまたはカスタマイザー内で設定できる場合があります。

その他の特徴

  • 投稿フォーマット: Twenty Elevenは、「標準」「アサイド」「画像」「リンク」「引用」「ギャラリー」「ステータス」の6種類の投稿フォーマットをサポートしており、それぞれにユニークな表示が可能です。
  • Showcaseページテンプレート: フロントページを特別なショーケースレイアウトに変換できるテンプレートが用意されています。

注意点

Twenty Elevenは古いテーマであるため、現代のブロックエディターの機能に完全には対応していない場合があります。より高度なカスタマイズや最新のWordPress機能を活用したい場合は、子テーマを作成してカスタマイズを行うか、別の最新テーマの利用を検討することをおすすめします。子テーマを作成することで、Twenty Eleven本体がアップデートされてもカスタマイズ内容が消える心配がありません。

Twenty Elevenカスタマイズの主な注意点

Twenty Elevenは古いテーマなので、いくつか特に気を付けるべき点があります。

  1. 子テーマの利用を強く推奨
    • これはWordPressテーマカスタマイズの基本中の基本ですが、Twenty Elevenでも同様に最重要です。直接テーマファイルを編集すると、テーマのアップデートがあった際にカスタマイズ内容がすべて上書きされて消えてしまいます。
    • 子テーマを作成し、子テーマの functions.phpstyle.css にカスタマイズ内容を記述することで、親テーマのアップデートの影響を受けずに済みます。
  2. 古いPHPバージョンへの依存と将来性
    • Twenty Elevenはかなり前に開発されたテーマであり、最新のPHPバージョン(PHP 8.xなど)での動作が完全に保証されているわけではありません。
    • 古いPHP関数を使用している可能性があり、最新のPHP環境でエラーが出たり、非推奨の警告が表示されたりすることがあります。
    • PHPのバージョンアップはセキュリティやパフォーマンスの向上に不可欠なため、長期的な運用を考えるなら、Twenty Elevenの継続利用はあまり推奨されません。
  3. レスポンシブデザインの考慮(古い点)
    • Twenty Elevenはリリースされた当時、今ほどモバイルフレンドリーなデザインが一般的ではありませんでした。基本的なレスポンシブデザインは備えていますが、現在の最新のデバイスや画面サイズに完全に最適化されているとは限りません。
    • スマートフォンやタブレットでの表示を確認し、必要に応じてメディアクエリなどを利用してCSSを調整する必要があります。
  4. ブロックエディタ(Gutenberg)への非対応/限定的な対応
    • Twenty Elevenはクラシックエディタ時代に開発されたテーマです。WordPress 5.0以降で導入されたブロックエディタ(Gutenberg)の機能やスタイルに完全には対応していません。
    • ブロックの表示崩れや、ブロックエディタ特有の機能(例:カラムブロック、グループブロックなど)が意図した通りに表示されない可能性があります。
  5. セキュリティの懸念
    • 古くから更新されていないテーマは、潜在的なセキュリティ脆弱性を抱えている可能性があります。新しい脆弱性が発見されても、公式なアップデートがないため対処されません。
    • 常に最新のWordPressコア、プラグイン、テーマを使用することがセキュリティ上非常に重要です。
  6. カスタマイザーの機能制限
    • 現在のWordPressテーマに比べて、Twenty Elevenのカスタマイザー(外観 > カスタマイズ)で設定できる項目は非常に限られています。
    • 細かなデザイン変更や機能追加は、手動でCSSやPHPを記述する必要がある場合が多いです。
  7. サポートの終了
    • 公式のTwenty Elevenテーマは現在もWordPressのリポジトリに存在しますが、活発な開発やサポートは行われていません。問題が発生しても、公式なサポートを受けることは期待できません。

まとめと推奨事項

Twenty Elevenは、WordPressの歴史的なテーマであり、シンプルなブログには適していましたが、現在のWordPress環境で新規に利用したり、大規模なカスタマイズを行ったりすることは、セキュリティ、機能、将来性の観点からあまり推奨されません。

もしTwenty Elevenを使い続けたい場合は、上記の注意点を踏まえ、特に「子テーマの利用」と「PHPバージョンの互換性」に注意してください。しかし、長期的な視点で見ると、Twenty Twentyシリーズや最新のブロックテーマ、あるいは現在も活発に開発・サポートされているサードパーティのテーマへの移行を検討する方が賢明です。

公式テーマと有料テーマを比較

WordPressの公式テーマ(無料)と有料テーマを比較すると、主に費用機能・カスタマイズ性サポートデザインなどの点で違いがあります。

以下に主な比較ポイントをまとめます。

比較項目WordPress公式テーマ(無料)有料テーマ
費用無料1万円〜3万円程度の買い切り型、または月額/年額のサブスクリプション型が多い
機能・カスタマイズ性シンプルで基本的な機能に限定されることが多い。高度な機能はプラグインで補う必要がある。多機能で、ドラッグ&ドロップビルダーや豊富なレイアウトオプションなど、高度なカスタマイズ機能が組み込まれていることが多い。
デザインシンプルで、他のサイトとデザインが似る可能性がある。プロフェッショナルで高品質なデザインが多く、独自性を出しやすい。特定の業種に特化したテーマもある。
サポート公式フォーラムなど、コミュニティベースのサポートが中心で、個別対応は期待できないことが多い。テーマ開発者による専門的なサポート(メール、チャットなど)が提供されることが多く、初心者には安心。
アップデート公式ディレクトリに登録されているため、セキュリティや互換性のチェックはされているが、機能追加の頻度はテーマによる。定期的なアップデートがあり、最新のWordPressやプラグインとの互換性、セキュリティ対策がより迅速に行われる傾向がある。
コードの品質・安全性公式テーマは厳格な審査基準をクリアしているため、一定の品質・安全性は担保されている。評判の良いテーマは高品質だが、中にはコードが複雑すぎたり、セキュリティに問題があるものも存在する可能性があるため、選定に注意が必要。
SEO対応基本的なSEO対策はされているが、高度な最適化はプラグインに依存することが多い。内部SEOが最適化されているテーマが多い。

まとめと推奨

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ビジネスサイトや本格的なサイトを構築したいデザインの独自性を出したい豊富な機能やカスタマイズ性が欲しい初心者でサポートが必要時間と労力を節約したい有料テーマ

最終的には、あなたのサイトの目的、予算、求める機能、そしてウェブサイト構築のスキルレベルに応じて、最適なテーマを選択することが重要です。有料テーマを選ぶ場合は、評判やサポート体制、アップデートの頻度をしっかり確認することをお勧めします。

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補足情報

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