WordPressの基本操作の概要(新規投稿からカスタマイズ)

WordPressの基本操作
WordPressは多機能なため、ここでは特に頻繁に使う操作を中心に解説します。
WordPress管理画面へのログイン
まず、WordPressを操作するためには管理画面(ダッシュボード)にログインする必要があります。
- ログインURL: 通常、
あなたのサイトのURL/wp-adminまたはあなたのサイトのURL/wp-login.phpです。 例:https://example.com/wp-admin - ユーザー名とパスワードの入力: インストール時に設定したユーザー名(またはメールアドレス)とパスワードを入力し、「ログイン」をクリックします。
ダッシュボードの概要
ログインすると、まずダッシュボードが表示されます。ここから様々な操作を行うことができます。
- 概要: サイトの概要(投稿数、固定ページ数、コメント数など)が表示されます。
- クイックドラフト: 簡易的な投稿を下書き保存できます。
- WordPressニュース: WordPressの最新情報が表示されます。
投稿の操作
ブログ記事などのコンテンツを作成・管理するのが「投稿」です。
1. 新規投稿の作成
- 左メニューの「投稿」>「新規追加」をクリックします。
- タイトル: 記事のタイトルを入力します。
- 本文(ブロックエディター):
- WordPress 5.0以降は「Gutenberg(グーテンベルク)」と呼ばれるブロックエディターが標準です。
- 文章、画像、見出し、リストなどを「ブロック」として追加・編集していきます。
- 「+」アイコンをクリックしてブロックを追加できます。
- ブロックを選択すると、右側にブロックの設定パネルが表示されます。
- パーマリンク: 記事のURLの一部です。タイトルを入力すると自動生成されますが、編集することも可能です。SEOの観点からも、わかりやすいURLにすることをおすすめします。
- カテゴリー: 記事を分類するためのものです。「新規カテゴリーを追加」から作成できます。
- タグ: 記事のキーワードを設定します。複数設定可能です。
- アイキャッチ画像: 記事のサムネイルとして表示される画像です。記事一覧やSNSでのシェア時に重要になります。
- 公開:
- 公開状態: 「公開」「非公開」「パスワード保護」から選択できます。
- 公開日時: 「すぐに公開」のほか、日時を指定して予約投稿することも可能です。
- 下書き保存: 公開前に一時保存したい場合に利用します。
- プレビュー: 実際に公開された際の表示を確認できます。
- 公開/更新: クリックすると記事が公開(または更新)されます。
2. 投稿の一覧・編集
- 左メニューの「投稿」>「投稿一覧」をクリックします。
- 投稿のタイトルにカーソルを合わせると、「編集」「クイック編集」「ゴミ箱」「表示」などのリンクが表示されます。
- 編集: 投稿の編集画面に移動します。
- クイック編集: タイトル、スラッグ、日付、カテゴリー、タグなどを素早く変更できます。
- ゴミ箱: 投稿を削除します(完全に削除するには、ゴミ箱からさらに削除する必要があります)。
- 表示: 投稿の公開ページを表示します。
- 複数選択して一括操作(一括編集、ゴミ箱へ移動など)も可能です。
固定ページの操作
「固定ページ」は、サイトの「会社概要」「お問い合わせ」「プライバシーポリシー」など、ブログ記事のように時系列に関係なく、内容があまり更新されないページに利用します。操作方法は基本的に「投稿」と同じです。
- 左メニューの「固定ページ」>「新規追加」または「固定ページ一覧」から操作します。
メディアの操作(画像・動画などのファイル)
画像や動画、音声ファイルなどをアップロード・管理するのが「メディア」です。
- 左メニューの「メディア」>「新規追加」または「ライブラリ」をクリックします。
- 新規追加: ドラッグ&ドロップまたはファイル選択でファイルをアップロードします。
- ライブラリ: アップロード済みのメディアファイルが一覧表示されます。
- 各ファイルをクリックすると、詳細(代替テキスト、キャプション、説明など)を編集できます。代替テキストはSEOやアクセシビリティの観点から重要です。
コメントの操作
サイトに寄せられたコメントを管理します。
- 左メニューの「コメント」をクリックします。
- コメントの承認、返信、編集、スパム判定、ゴミ箱への移動などができます。
- 承認するまでサイトに表示されないように設定することも可能です。
外観の操作(デザインのカスタマイズ)
サイトのデザインやレイアウトを変更するのが「外観」です。
1. テーマ
WordPressのデザインは「テーマ」によって決まります。
- 左メニューの「外観」>「テーマ」をクリックします。
- インストールされているテーマの一覧が表示されます。
- 「新規追加」で新しいテーマを探してインストール・有効化できます。
- 公式ディレクトリには無料のテーマが多数あります。
- テーマによってデザインや機能が大きく異なります。
- テーマを有効化すると、サイトのデザインが変更されます。
2. カスタマイズ
有効化しているテーマの細かな設定を行います。
- 左メニューの「外観」>「カスタマイズ」をクリックします。
- リアルタイムで変更を確認しながら、サイトのタイトル、キャッチフレーズ、ヘッダー画像、背景色、ウィジェット、メニューなどを設定できます。
- 設定できる項目はテーマによって異なります。
3. ウィジェット
サイドバーやフッターなど、決められたエリアに表示するコンテンツ(新着記事、カレンダー、検索フォームなど)を設定します。
- 左メニューの「外観」>「ウィジェット」をクリックします。
- 利用できるウィジェットを、表示したいエリアにドラッグ&ドロップで配置します。
4. メニュー
サイトのナビゲーションメニュー(グローバルナビゲーションなど)を作成・編集します。
- 左メニューの「外観」>「メニュー」をクリックします。
- 「新規メニューを作成」をクリックし、メニュー名を入力して作成します。
- 左側にある「投稿」「固定ページ」「カスタムリンク」「カテゴリー」などから、メニューに追加したい項目を選択し、「メニューに追加」をクリックします。
- ドラッグ&ドロップで表示順や階層を変更できます。
- 最後に「メニューを保存」をクリックし、表示場所(テーマによって異なります)を指定して保存します。
プラグインの操作(機能の追加)
WordPressにはない機能を追加したい場合に「プラグイン」を利用します。
- 左メニューの「プラグイン」>「新規追加」または「インストール済みプラグイン」をクリックします。
- 新規追加:
- 検索窓から目的の機能を持つプラグインを探します。
- 「今すぐインストール」をクリックし、インストールが完了したら「有効化」をクリックします。
- インストール済みプラグイン:
- インストール済みのプラグイン一覧が表示されます。
- 「有効化」「停止」「削除」「更新」などの操作ができます。
- プラグインによっては別途設定が必要な場合があります。
注意: プラグインをたくさん入れすぎるとサイトが重くなったり、プラグイン同士の競合で不具合が起きたりする可能性があるので、本当に必要なものだけを選びましょう。
ユーザーの操作
サイトの管理者や寄稿者など、アクセス権限を持つユーザーを管理します。
- 左メニューの「ユーザー」>「新規追加」または「すべてのユーザー」をクリックします。
- 新規追加: ユーザー名、メールアドレス、パスワードなどを設定し、権限グループ(購読者、寄稿者、投稿者、編集者、管理者)を選択して追加します。
- 管理者: サイトのすべての操作が可能です。
- 編集者: 投稿や固定ページの編集・公開、コメントの管理などが可能です。
- 投稿者: 自分の投稿を作成・公開できます。
- 寄稿者: 自分の投稿を作成できますが、公開には編集者以上の承認が必要です。
- 購読者: プロフィールを編集したり、コメントを投稿したりできます。
- プロフィール: 自分のユーザー名にカーソルを合わせ、「プロフィールを編集」をクリックすると、自分の表示名、メールアドレス、パスワードなどを変更できます。
設定の操作
WordPressサイト全体の基本的な設定を行います。
- 左メニューの「設定」をクリックし、各項目を選択します。
1. 一般設定
- サイトのタイトル: ブラウザのタブなどに表示されるサイト名です。
- キャッチフレーズ: サイトの簡単な説明です。
- WordPressアドレス (URL) / サイトアドレス (URL): 通常は同じURLを設定します。変更する場合は注意が必要です。
- メールアドレス: 管理者メールアドレスです。
- メンバーシップ: 誰でもユーザー登録できるかを設定します。
- 新規ユーザーのデフォルト権限グループ: 新規登録ユーザーの初期権限です。
- サイトの言語: 管理画面の表示言語です。
- タイムゾーン: サイトの時間設定です。
- 日付のフォーマット/時刻のフォーマット: 日付と時刻の表示形式です。
2. 投稿設定
- 投稿用カテゴリの初期設定: 新規投稿のデフォルトカテゴリです。
- 投稿フォーマットの初期設定: デフォルトの投稿フォーマットです。
- メールでの投稿: 特定のメールアドレスから投稿を受け付ける設定です。
3. 表示設定
- フロントページの表示:
- 最新の投稿: ブログ形式で、最新の投稿がトップページに表示されます(一般的なブログサイト)。
- 固定ページ: 特定の固定ページをトップページに設定します(コーポレートサイトなど)。
- 1ページに表示する最大投稿数: 記事一覧に表示される記事数です。
- RSS/Atom フィードで表示する最新の項目: フィードに表示される記事数です。
- 検索エンジンでの表示: 検索エンジンにサイトをインデックスさせたくない場合にチェックを入れます(通常はチェックを外します)。
4. ディスカッション設定
- コメントに関する詳細な設定を行います。
- コメントの許可・不許可、モデレート(承認制)、トラックバック・ピンバックの受け入れなど。
5. メディア設定
- アップロードする画像のサムネイルサイズ、中サイズ、大サイズの最大サイズを設定します。
6. パーマリンク設定
- 記事のURL構造を設定します。SEOの観点から「投稿名」または「カスタム構造」でわかりやすいURLにすることをおすすめします。
- 例:
/%postname%/(投稿名)
- 例:
7. プライバシー
- プライバシーポリシーページの作成・指定を行います。
ログアウト
操作が終わったら、セキュリティのためにもログアウトすることをおすすめします。
- 管理画面の右上に表示されている自分のユーザー名にカーソルを合わせると、「ログアウト」のリンクが表示されますのでクリックします。
まとめ
WordPressの基本的な操作は、以下の流れを覚えておくと良いでしょう。
- 管理画面にログインする
- 投稿や固定ページでコンテンツを作成・編集する
- メディアで画像などを管理する
- 外観でサイトのデザインを調整する
- プラグインで機能を追加する
- 設定でサイト全体を管理する
これらの基本操作をマスターすれば、WordPressを使ったウェブサイト運営がスムーズに進められるはずです。実際に触ってみるのが一番の学習方法ですので、ぜひ色々試してみてください。
WordPressをカスタマイズする方法
WordPressをカスタマイズする主な方法と、それぞれの概要、難易度をまとめた表を作成しました。WordPressのカスタマイズは、目的や技術的なスキルレベルに応じて様々なアプローチがあります。
| 方法 | 概要 | 主な目的 | 難易度 |
| テーマの変更 | デザインの基本構造、レイアウトを一新します。無料・有料のものが多数あります。 | デザイン、全体的な機能の変更 | 低〜中 |
| テーマカスタマイザー | WordPress標準機能で、テーマの色、フォント、ヘッダー画像などをコードを書かずに変更します。 | 見た目の微調整、ロゴやウィジェットの設定 | 低 |
| プラグインの導入 | 既存のWordPressにない機能(お問い合わせフォーム、SEO対策、セキュリティ強化など)を追加します。 | 機能の追加・拡張 | 低〜中 |
| CSSの追加 | テーマの見た目(色、サイズ、配置など)を細かく調整するために、カスタムCSSを追記します。 | デザインの微調整 | 中 |
| 子テーマの使用と編集 | 親テーマを直接編集せず、子テーマを作成し、その中のファイル(functions.php やテンプレートファイルなど)を編集して機能を変更・追加します。 | 機能やレイアウトの変更(テーマのアップデートに備える) | 中〜高 |
| テーマファイルの直接編集 | 親テーマのファイル(header.php, index.php など)を直接編集します。 | 機能やレイアウトの根本的な変更 | 高 |
| カスタムテーマ・プラグイン開発 | 既存のものを使わず、ゼロから独自のテーマやプラグインをPHPなどを使い開発します。 | 独自のデザインと機能の実装 | 最も高 |
カスタマイズのヒント
- 簡単な変更から始める場合は、「テーマカスタマイザー」や「プラグインの導入」が最も手軽です。
- デザインを少し変えたい場合は、「CSSの追加」が強力です。
- 本格的な機能追加やレイアウト変更を行う際は、テーマのアップデートで変更が消えないように「子テーマの使用と編集」を強くお勧めします。
WordPressテーマ カスタマイズのしやすさ 傾向比較
一般的にWeb上で言われている評判や特徴に基づいて、「コード知識が少ない人が、手軽にデザインを変更できる(=カスタマイズしやすい)」という視点での傾向をまとめています。
| 順位 (※傾向) | テーマ名 | 主な特徴とカスタマイズの傾向 |
| 1 | THE THOR(ザ・トール) | 専用カスタマイザー機能が非常に豊富で、コードを書かずに細部までデザインを変更できる。多機能ゆえに操作が複雑に感じる場合もあるが、カスタマイズの幅は広い。 |
| 2 | STORK SE(ストークSE) | シンプルな構造で、初心者でも迷いにくい設計。ブログ運営に特化した機能が充実しており、特別な知識がなくても見栄えの良いデザインになりやすい。 |
| 3 | Emanon(エマノン) | マーケティング・ビジネスサイト向け。専用ブロックやウィジェットが用意されており、必要な要素を簡単に配置できる。多機能なPro版などがある。 |
| 4 | LIQUID PRESS(リキッドプレス) | 標準機能は抑えつつも、カスタマイズの拡張性が高い。知識があれば自由に変更しやすいが、THE THORほど専用設定項目は多くない傾向。 |
| 5 | RE:DIVER(リダイバー) | 比較的新しいテーマで、Webサイト制作向けのモダンなデザインが特徴。専用機能でのカスタマイズと、コードカスタマイズのバランスが取れている。 |
| 6 | GOLD MEDIA(ゴールドメディア) / GOLD BLOG(ゴールドブログ) | 開発元が同じで、多機能性を売りにしていることが多い。多機能ゆえに初心者には難しいと感じる部分もあるが、専用のオプションは用意されている。 |



