ECサイトの集客方法とかかる費用
ECサイトの集客
「ECサイトの集客」は、ECサイト運営の成功に欠かせない非常に重要なテーマです。
ECサイトへの集客には、短期的・即効性のある施策(主に広告系)と、中長期的・資産になる施策(主にコンテンツ系)の大きく2種類があります。
具体的な集客方法を、それぞれのカテゴリでご紹介します。
1. 短期的な集客施策(主にWeb広告)
費用はかかりますが、すぐにアクセスを増やし、売上に直結しやすい手法です。
施策名 | 特徴とメリット |
リスティング広告 | (検索連動型広告) ユーザーが検索したキーワードに連動して検索結果画面の上部などに表示される広告。購買意欲の高い顕在層にアプローチできるため、コンバージョン(購入)につながりやすい。 |
ショッピング広告 | Googleや各種ECモールで、商品画像、価格、店舗名などが表示される広告。視覚的に商品を訴求でき、リスティング広告よりも具体的な検討段階のユーザーに届く。 |
SNS広告 | Instagram、X(旧$\text{Twitter})、\text{Facebook}$などに配信する広告。詳細なターゲティングが可能で、潜在層への認知拡大や、視覚的な訴求(特にファッションやコスメなど)に強い。 |
ディスプレイ広告 | ウェブサイトやアプリの広告枠に、画像や動画のバナーで表示される広告。潜在層への認知拡大や、一度サイトに来たユーザーを追跡するリターゲティングに有効。 |
アフィリエイト広告 | 外部のブログやメディアに商品を紹介してもらい、そこから購入があった場合に報酬を支払う成果報酬型の広告。費用対効果が高く、認知拡大にもつながる。 |
2. 中長期的な集客施策(主に無料または低予算)
効果が出るまでに時間がかかることもありますが、一度確立すれば費用をかけずに継続的にアクセスを獲得できる資産となる手法です。
施策名 | 特徴とメリット |
SEO対策 | (検索エンジン最適化) 顧客が検索するキーワードでECサイトや関連コンテンツを検索結果の上位に表示させる施策。広告費ゼロで、継続的な安定したアクセス流入が見込める。 |
SNS運用 | Instagram、TikTok、$\text{LINE}$などのアカウントを運用し、商品の魅力や活用法、お得な情報を発信する。ファン化やブランド認知に繋がり、ユーザーとのコミュニケーションも可能。 |
コンテンツマーケティング | 商品にまつわる「お役立ち情報」や「知識」などの記事、動画、コラムなどを制作し、検索やSNS経由でユーザーをサイトに呼び込む(ECサイトのメディア化)。 |
メール・LINEマーケティング | 既存顧客や会員登録者に対し、新商品情報、セール、クーポンなどを配信し、リピート購入を促す。新規顧客獲得よりもコストが低く、効果が高い。 |
口コミ・UGC対策 | (User Generated Content=ユーザー生成コンテンツ)良質なレビューを増やしたり、購入者がSNSに投稿したくなるような工夫(パッケージ、同梱物など)を行う。信頼性の向上と、ユーザーによる自然な拡散につながる。 |
【集客を成功させるための重要なポイント】
集客を始める前に、まず以下の点を明確にすることが成功への近道です。
- ターゲットの明確化: 「誰に」「どんな価値を」提供したいのか(年齢、性別、ライフスタイル、悩みなど)。ターゲットによって、有効な集客チャネルが変わってきます。
- 競合との差別化: 自社サイトや商品の「強み」は何か。他社にはない魅力や特徴を明確にし、集客メッセージに一貫性を持たせる。
- 効果測定と改善(PDCA): どの施策からどれくらいのアクセスがあり、最終的に購入につながっているかを分析(Google Analyticsなど)。結果に基づいて施策を改善し続ける。
まずはご自身のサイトの予算とリソース(人員や時間)、そしてターゲット顧客層に合わせて、最適な集客方法を選択・組み合わせることをおすすめします。
ウェブ広告にかかる費用
ウェブ広告にかかる費用は、広告の種類、課金方式、競合状況、目標とする成果などによって大きく異なります。
主なウェブ広告の種類と費用の目安、課金方式についてまとめます。
1. ウェブ広告の主な種類と費用の目安
広告の種類 | 特徴 | 月額費用の目安(最低) | 課金方式の例 |
リスティング広告 | 検索エンジンの検索結果に表示されるテキスト広告(Google広告、Yahoo!広告など) | 15万円~20万円程度から始めるケースが多い | クリック課金(CPC) |
ディスプレイ広告 | Webサイトやアプリの広告枠に表示される画像、動画、テキスト広告 | 20万円~ | クリック課金(CPC)、インプレッション課金(CPM) |
SNS広告 | Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、LINE、TikTokなどのSNSに表示される広告 | 3万円~ | クリック課金、インプレッション課金、エンゲージメント課金、動画視聴課金など |
動画広告 | YouTubeなどの動画プラットフォームやWebサイト、SNSなどに表示される動画形式の広告 | 10万円~ | 動画視聴課金(CPV)、クリック課金、インプレッション課金 |
アフィリエイト広告 | 成果(商品の購入や会員登録など)が発生した際に、成果報酬を支払う広告 | 初期費用や月額費用に加えて成果報酬が発生 | 成果報酬型 |
※上記はあくまで目安であり、少額(月数万円)から始められる広告もありますし、大規模な企業では月数百万円以上を投じるケースもあります。
2. 主な課金方式と単価の相場
ウェブ広告では、主に以下の課金方式が用いられます。
課金方式 | 費用の発生タイミング | 単価の目安 |
クリック課金(CPC) | 広告が1回クリックされるごと | 1クリックあたり数十円~数千円(競合状況やキーワードによる) |
インプレッション課金(CPM) | 広告が1,000回表示されるごと | 1,000回表示あたり数百円~数千円程度 |
動画視聴課金(CPV) | 動画が一定時間(例:30秒)以上視聴されるごと、または最後まで視聴されるごと | 1視聴あたり数円~数十円程度 |
エンゲージメント課金(CPE) | 広告に対して「いいね」や「リツイート」などのエンゲージメントが発生するごと | 1エンゲージメントあたり数十円~100円程度 |
成果報酬型 | 広告経由で商品の購入や資料請求などの成果が発生するごと | 広告主が設定した成果単価 |
3. その他にかかる費用(運用代行を依頼する場合など)
ウェブ広告の運用を広告代理店に依頼する場合、上記「広告費」のほかに以下の費用が発生するのが一般的です。
- 初期設定費用: 広告アカウントの開設や初期設定にかかる費用。相場は3万円~10万円程度。
- 運用代行手数料: 広告の運用・管理・改善を依頼するための費用。多くの場合、広告費の10%~20%が相場ですが、最低手数料が設定されていることもあります。
- クリエイティブ制作費: 広告で使用するバナー画像や動画などの制作費用。
費用の決定方法
ウェブ広告の予算は、単に相場を参考にするだけでなく、目標とする成果(コンバージョン数)と1件あたりの許容獲得単価(CPA)から逆算して決定するのが一般的です。
広告予算=目標コンバージョン数×目標CPA
ご自身のビジネスや目的に合わせて、どの種類の広告が最適か、どれくらいの予算が必要かを検討することが重要です。
SEOやウエブマーケティングにかかる費用
SEOとウェブマーケティングにかかる費用は、実施する施策の内容や外注先の規模、契約形態によって大きく幅があります。
SEO対策の費用相場(外注の場合の目安)
サービス内容 | 費用相場(月額または単発) | 料金体系の例 |
SEOコンサルティング | 月額10万円〜50万円程度(大手はさらに高額) | 月額固定型 |
コンテンツSEO (記事作成代行) | 記事単価1万円〜15万円程度(本数による) または月額15万円〜50万円程度 | 単発/月額固定型 |
内部SEO対策 (サイト内部調整) | 月額5万円〜50万円程度 または単発10万円〜100万円以上 | 月額固定型/一括支払い型 |
外部SEO対策 (被リンク獲得代行など) | 月額数万円〜20万円程度 | 月額固定型/成果報酬型 |
サイト設計・リニューアル時のSEO設計 | 単発80万円〜300万円程度 | 一括支払い型 |
ウェブマーケティング全般の施策費用相場(外注の場合の目安)
ウェブマーケティングはSEO以外にも多岐にわたるため、ここでは代表的な施策の費用相場をいくつかご紹介します。
施策内容 | 費用相場(月額または単発) | 料金体系の例 |
Web広告運用代行 | 広告費の20%程度の手数料(最低手数料ありの場合も) +広告費自体 | 月額固定型/成果報酬型 |
SNS運用代行 | 月額10万円〜50万円程度(投稿頻度や内容による) | 月額固定型 |
ランディングページ(LP)制作 | 単発10万円〜100万円程度 | 一括支払い型 |
Webコンサルティング (総合的な戦略・分析) | 月額15万円〜100万円程度 | 月額固定型 |
費用の幅が出る主な理由
- サービスの範囲と深さ: 簡易的なアドバイスのみか、具体的な作業代行(記事作成、サイト修正など)まで含むかで大きく変わります。
- 外注先の規模や実績: 大手企業、中小企業、フリーランスなど、外注先の規模や実績によって料金体系や相場が異なります。
- 契約形態:
- 月額固定型: 毎月一定額を支払い、継続的な対策やコンサルティングを受けます。
- 成果報酬型: 検索順位が目標に達した場合などに報酬が発生します(初期費用や月額費用が別途かかる場合もあります)。
- スポット/一括支払い型: サイト診断やリニューアル時の設計など、単発のプロジェクトで依頼する場合です。
- 競合の状況とサイト規模: 競合が激しいキーワードや、大規模なサイトの対策は費用が高くなる傾向があります。
具体的な費用を知るためには、自社のWebサイトの状況、達成したい目標、予算を明確にした上で、複数の業者から相見積もりを取ることをお勧めします。
SEOやウエブマーケティングを代行
ココナラには、SEO対策やウェブマーケティングに関する非常に幅広いサービスが出品されています。
主なサービスの内容としては、以下のようなものがあります。
- SEOコンサルティング:サイトのアクセス数や検索順位を上げるための戦略立案やアドバイス。
- SEO内部対策・テクニカルSEO:HTMLなどのサイト構造の最適化、サイト診断と改善提案。
- コンテンツSEO・コンテンツマーケティング:SEOを意識した記事の作成代行、キーワードリサーチ、コンテンツ構成案の作成。
- SEO外部対策:被リンク対策など。
- ウェブマーケティング全般の相談・コンサルティング:集客、広告・プロモーションの企画・設計、ツールの相談・設置代行(Google Analytics、Google Tag Managerなど)、SNSマーケティングなど。
- ウェブサイト制作(SEO対策込み):WordPressなどでの検索エンジンに強いサイト制作。
依頼する際のポイント
- 目的に合った出品者を探す:「SEOコンサルティング」「記事作成」「サイト診断」など、具体的な目的に合わせてサービスや出品者を選びましょう。
- 価格帯:比較的リーズナブルな5,000円以下のサービスから、コンサルティングや専門的な対策で10,000円〜50,000円、さらに高額なものまで幅広いです。
- 注意点:上位表示や売上アップが保証されるものではないので、サービス内容や実績をよく確認することが重要です。
ココナラのサイト内で、「マーケティング・Web集客」のカテゴリから「SEO対策」や「コンテンツSEO・コンテンツマーケティング」といったサブカテゴリを絞り込んで探すことができます。
ECサイトWordPressで運用する利点
ECサイトをWordPressで運用する主な利点は、以下の通りです。
1. コストパフォーマンスの高さ
WordPress自体はオープンソースで無料で利用できます。EC機能を追加するためのプラグイン(例:WooCommerceなど)にも無料のものが多いです。そのため、ASPや独自のECシステム構築と比較して、初期費用やランニングコストを低く抑えやすいです。
2. 豊富なデザインと高いカスタマイズ性
- デザインの選択肢が豊富: 多数のテーマ(テンプレート)が提供されており、手軽にプロフェッショナルな見た目のサイトを構築できます。
- 高いカスタマイズ性: HTMLやCSSなどの知識があれば、既存のテーマをベースに、あるいは一から自由度の高いカスタマイズが可能です。独自のブランディングに合わせたECサイトを作りやすいのが特長です。
3. SEO(検索エンジン最適化)に強い
- 集客に有利: WordPressは元々コンテンツ管理システム(CMS)としてブログなどに強く、SEOに有利な構造を持っています。
- コンテンツマーケティングとの連携: ECサイトにブログ機能などを容易に組み込むことができ、商品販売とコンテンツSEOによる集客を同一ドメインで連携して行いやすいです。SEO対策用のプラグインも豊富に用意されています。
4. 拡張機能(プラグイン)の豊富さ
- 機能の追加が容易: EC機能だけでなく、セキュリティ強化、お問い合わせフォーム、SEO対策、表示速度改善など、多様な機能を追加できるプラグインが豊富にあります。必要な機能を適宜追加・削除することで、サイトを柔軟に拡張できます。
5. 情報の多さと運用しやすさ
- 利用者・情報が多い: WordPressは世界的にシェアの高いCMSであるため、利用者が多く、ネット上や書籍などに情報が豊富にあります。
- トラブルシューティングが容易: トラブルが発生した際や、運用で不明点が出た際に、解決策となる情報を見つけやすいため、スムーズな対処が可能です。
- 管理画面の操作性: 汎用性の高いツールであり、直感的で操作しやすい管理画面を持つ点もメリットです。
補足: WordPressでのECサイト構築は、一般的に「WooCommerce」などのEC機能を持つプラグインを導入する方法が主流です。また、EC機能に特化した外部のサービスとWordPressのコンテンツ部分を連携させる方法もあります。