WordPressのテーマは何を利用するとよいのか
WordPressテーマ選び
WordPressテーマ選びは、サイトの目的によって大きく異なります。ブログ、企業サイト、ポートフォリオ、ECサイトなど、どのようなサイトを作りたいかによって最適なテーマが変わってきます。
WordPressテーマを選ぶ際のポイント
- 目的: ブログ、企業サイト、ポートフォリオ、ECサイトなど、何を作りたいのかを明確にする。
- デザイン性: 自分のイメージに合うデザインか、カスタマイズの自由度があるか。
- 機能性: 必要な機能(SEO対策、表示速度、SNS連携、EC機能など)が備わっているか。
- レスポンシブデザイン: スマートフォンやタブレットなど、様々なデバイスで表示が最適化されるか。
- サポート体制: テーマの提供元が日本語でのサポートを提供しているか、フォーラムなどで情報が得やすいか。
- 価格: 無料テーマか有料テーマか。有料テーマの場合、買い切りか年間契約か。
目的別のおすすめWordPressテーマ
ブログにおすすめのテーマ
- SWELL (有料): 表示速度が速く、SEO対策にも優れています。ブロックエディターにも完全対応しており、直感的な操作でデザイン性の高い記事が書けます。
- Cocoon (無料): 無料とは思えないほど高機能で、多くのブロガーに利用されています。SEO対策や高速化機能が充実しており、初心者から上級者まで幅広く使えます。
- AFFINGER6 (有料): 集客や収益化に特化した機能が豊富で、アフィリエイトブログなどにおすすめです。
- SANGO (有料): おしゃれで可愛らしいデザインが特徴で、女性ブロガーなどに人気です。使いやすさも魅力です。
- JIN:R (有料): 直感的な操作と優れたデザイン性を持ち、収益化機能も充実しています。
企業サイトにおすすめのテーマ
- Lightning (無料/有料版あり): シンプルかつカスタマイズ性が高く、ビジネスサイトを素早く作成できます。無料版でも十分な機能があり、公式ディレクトリにも登録されています。
- Snow Monkey (有料): ブロックエディターとの相性が良く、企業のメディアサイトやコーポレートサイトの構築に適しています。
- Emanon Business (有料): 企業サイトの構築に特化しており、顧客獲得に有効な機能が豊富です。素早くプロフェッショナルなサイトを作りたい場合におすすめです。
- NANO (有料): シンプルで無駄のないデザインで、企業サイト内の回遊を促す構造になっています。
- THE THOR (有料): デザイン性が高く、集客と収益にこだわり抜いたテーマで、企業サイトのブランド力向上に役立ちます。
ポートフォリオサイトにおすすめのテーマ
- Fukasawa (無料): 洗練されたミニマルなデザインで、画像メインのポートフォリオサイトに最適です。
- Graphy (無料/有料版あり): シンプルで洗練されたデザインのポートフォリオサイトを簡単に作成できます。
- ARTISAN (有料): 実績数が多い場合に特におすすめで、写真をギャラリー形式で美しく掲載できます。
- LIQUID PORTFOLIO (有料): ポートフォリオサイトの制作に特化しており、無限スクロールやグリッドUIに対応しています。
ECサイトにおすすめのテーマ(WooCommerce連携)
- Storefront (無料): WooCommerce公式の無料テーマで、ECサイト構築の基本として最適です。
- ShopIsle (無料/有料版あり): 美しいフロントエンドと豊富なカスタマイズオプションが特徴で、WooCommerceと連携しやすいです。
- Overlay (無料): 柔軟なオンラインストアのデザインが可能で、プロフェッショナルな印象を与えます。
- Neve (無料/有料版あり): 高速で軽量、WooCommerceとの互換性も高い汎用性の高いテーマです。
これらのテーマはあくまで一部であり、他にも多数の優れたWordPressテーマが存在します。ご自身の目的やスキルレベル、予算などを考慮して、最適なテーマを選んでください。無料テーマから試してみて、必要に応じて有料テーマへの移行を検討するのも良い方法です。
WordPressテーマ選びの注意点
失敗しないテーマ選びのために、以下の点を考慮することをおすすめします。
1. 目的とサイトの種類に合っているか
- ブログ: 記事の見やすさ、SNSシェア機能、関連記事表示などが重要です。
- 企業サイト/ポートフォリオ: デザインのプロフェッショナルさ、情報伝達のしやすさ、ギャラリー機能などが求められます。
- ECサイト: 商品表示、決済機能、カート機能、セキュリティなどが必須です。
- 個人の趣味サイト: 自分の表現したい世界観に合っているか、カスタマイズのしやすさなどもポイントです。
2. デザインと視認性
- シンプルで見やすいか: 情報がごちゃごちゃしていないか、読者にストレスを与えないデザインかを確認しましょう。
- レスポンシブデザインか: パソコン、スマートフォン、タブレットなど、あらゆるデバイスで正しく表示されるかを確認しましょう。Googleもレスポンシブデザインを推奨しています。
- 配色とフォント: 読みやすく、サイトの雰囲気に合った配色とフォントかを確認しましょう。
3. 機能性
- 必要な機能が搭載されているか: スライダー、ギャラリー、お問い合わせフォーム、SNS連携など、サイトに必要な機能が最初から備わっているかを確認しましょう。
- カスタマイズの自由度: コーディング知識がなくても、管理画面から色やレイアウトを簡単に変更できるかを確認しましょう。
- SEO対策: 検索エンジンにインデックスされやすい構造になっているか、SEOプラグインとの互換性があるかなども重要です。
4. パフォーマンス(表示速度)
- 軽量で表示速度が速いか: 表示速度が遅いと、ユーザーが離脱しやすくなります。デモサイトなどで実際に速度を体感してみましょう。
- 不要な機能やスクリプトが多すぎないか: 多機能なテーマは魅力的ですが、それが表示速度の低下に繋がることもあります。
5. サポートと更新頻度
- サポート体制: 問題が発生した際に、開発元からのサポートが受けられるか、日本語対応しているかなどを確認しましょう。
- 更新頻度: WordPress本体やプラグインのアップデートに対応するため、テーマも定期的に更新されている必要があります。最終更新日を確認しましょう。
- ユーザーコミュニティ: 同じテーマを使っているユーザーのコミュニティがあれば、情報交換や問題解決に役立ちます。
6. セキュリティ
- 信頼できる開発元か: 出所の不明なテーマは、セキュリティリスクを抱えている可能性があります。公式ディレクトリや reputable なテーマ販売サイトから選びましょう。
- 定期的な脆弱性対策: テーマもソフトウェアなので、脆弱性が発見されることがあります。開発元が適切に対応しているかを確認しましょう。
7. 価格
- 無料テーマ vs 有料テーマ:
- 無料テーマ: 手軽に始められますが、機能やサポートが限定的であったり、デザインの自由度が低い場合があります。
- 有料テーマ: 機能が豊富でデザイン性も高く、サポートが手厚い傾向にあります。長期的にサイトを運営するなら有料テーマを検討する価値はあります。
8. 実際に試してみる
- デモサイトの確認: 気になるテーマがあれば、必ずデモサイトを操作して、デザインや機能、操作性を確認しましょう。
- レビューや評判: 他のユーザーのレビューや評判を参考にすることも有効です。
これらの注意点を踏まえることで、あなたの目的やニーズに合ったWordPressテーマを見つけることができるでしょう。
WordPressテーマの着せ替え方
WordPressのテーマを着せ替える(変更する)方法は、主に以下の手順で行います。
テーマ変更前の重要な注意点
テーマを変更すると、サイトのデザインだけでなく、機能や設定の一部もリセットされたり、うまく引き継がれない場合があります。そのため、以下の準備を必ず行いましょう。
- サイトのバックアップを取る: 万が一、テーマ変更で問題が発生した場合に備え、サイト全体のバックアップ(ファイルとデータベースの両方)を必ず取得してください。プラグイン(UpdraftPlusなど)を利用すると簡単にバックアップできます。
- テスト環境での確認(推奨): ライブサイトに影響を与える前に、可能であればステージングサイト(テスト環境)で新しいテーマを試すことを強くお勧めします。
- 現在のテーマのカスタマイズ内容をメモする: 現在のテーマで行っているCSSカスタマイズやウィジェットの設定、その他テーマ固有の設定などを記録しておくと、新しいテーマに移行する際に役立ちます。
- ウィジェットの再設定を覚悟する: テーマを変更すると、ウィジェットの設定がリセットされることが多いです。新しいテーマに切り替えたら、再度ウィジェットを設定し直す必要があります。
- アイキャッチ画像のリサイズ: テーマによってアイキャッチ画像の表示サイズが異なる場合があります。必要に応じて、サムネイル画像の再生成プラグイン(Regenerate Thumbnailsなど)を使用することも検討しましょう。
WordPressテーマの着せ替え方(一般的な手順)
WordPressの管理画面からテーマを変更する方法は、大きく分けて2通りあります。
1. WordPress公式ディレクトリからテーマをインストールする場合
WordPressに標準で用意されている無料テーマや、WordPress.orgで公開されているテーマは、管理画面から直接インストールできます。
- WordPress管理画面にログインします。
- 左サイドバーの「外観」にカーソルを合わせ、「テーマ」をクリックします。
- 現在インストールされているテーマの一覧が表示されます。画面上部にある「新規追加」ボタンをクリックします。
- テーマの検索画面が表示されます。
- 「人気」「最新」などのフィルターを使って探す。
- 検索バーにキーワード(テーマ名など)を入力して探す。
- 「特徴フィルター」を使って、特定の機能やレイアウトを持つテーマを探す。
- 使いたいテーマが見つかったら、テーマの画像にカーソルを合わせ、「詳細&プレビュー」をクリックして、サイトのコンテンツがそのテーマでどのように表示されるか確認できます。
- テーマが気に入ったら、「インストール」ボタンをクリックします。
- インストールが完了したら、「有効化」ボタンをクリックします。これで新しいテーマがサイトに適用されます。
2. 外部からダウンロードしたテーマをアップロードする場合
WordPress公式ディレクトリにはない、外部のサイト(有料テーマ配布サイトなど)からダウンロードしたテーマをインストールする場合は、Zipファイルをアップロードします。
- テーマファイルをダウンロードします。(通常は
テーマ名.zip
のようなZipファイル形式です。) - WordPress管理画面にログインします。
- 左サイドバーの「外観」にカーソルを合わせ、「テーマ」をクリックします。
- 「新規追加」ボタンをクリックします。
- 画面上部にある「テーマのアップロード」ボタンをクリックします。
- 「ファイルを選択」をクリックし、ダウンロードしたテーマのZipファイルを選択します。
- 「今すぐインストール」ボタンをクリックします。
- インストールが完了したら、「有効化」ボタンをクリックします。
テーマ変更後の確認事項
テーマを有効化したら、以下の項目を必ず確認しましょう。
- サイト全体のデザイン: 意図した通りに表示されているか、デザインが崩れていないか確認します。
- 各ページの表示: トップページだけでなく、投稿ページ、固定ページ、カテゴリーページなど、サイト内の主要なページが問題なく表示されるか確認します。
- ウィジェット: サイドバーやフッターなど、ウィジェットエリアが正しく設定されているか、必要なウィジェットが配置されているか確認し、必要に応じて再設定します。
- メニュー: グローバルメニューやフッターメニューなど、ナビゲーションが正しく表示され、リンク先も問題ないか確認します。
- お問い合わせフォームなど、各種機能: フォームが正常に動作するか、その他のプラグインがテーマと競合していないか確認します。
- 表示速度: テーマによっては表示速度に影響が出る場合があります。
- モバイル表示: スマートフォンやタブレットでの表示が最適化されているか確認します。
これらの手順と注意点を踏まえることで、スムーズにWordPressのテーマを着せ替えることができます。
公式テーマや無料テーマのデメリット

WordPressの公式テーマや無料テーマには、いくつかのデメリットがあります。主な点をまとめると以下のようになります。
無料テーマ(公式ディレクトリ含む)の主なデメリット
- 機能性やカスタマイズ性の制限
- 有料テーマに比べて、提供される機能やデザインオプションが限られていることが多く、理想とするウェブサイトを構築するために追加の作業やコーディング知識が必要になる場合があります。
- デザインのユニークさに欠ける:多くの人が利用するため、他のサイトとデザインが似通ってしまう可能性があります。
- サポート体制の不足
- 公式なサポートデスクがない:問題が発生した場合、テーマ開発者からの直接的なサポートは期待できません。公式フォーラムやコミュニティなどの情報に頼る必要があります。
- アップデートの頻度と保証
- アップデートが不定期または停止するリスク:開発者のモチベーションやリソースに依存するため、テーマの更新が途絶えがちになることがあります。
- セキュリティリスク:アップデートがされないテーマは、WordPress本体やプラグインの新しいバージョンとの互換性問題や、セキュリティの脆弱性が放置されるリスクがあります。
- 全体の完成度や細かい設定の自由度
- デザインの細かい部分(例:コメント欄、SNSボタンのオン・オフなど)を自由に設定できないなど、痒いところに手が届かないことがあります。
- 著作権表示や広告
- テーマによっては、フッターなどに開発者や提供サービスの著作権表示(クレジット)が消せない、または削除が有料となっている場合があります。
公式テーマ(無料で提供されているもの)に関する追加の留意点
公式テーマはWordPressの基準を満たしており、一定の品質やセキュリティは保たれていますが、無料テーマ全般のデメリットに加え、以下の点も考慮されることがあります。
- デザインがシンプルで汎用性が高い:多くの公式テーマは、ユーザーが自由にカスタマイズできることを前提に、あえてシンプルな設計になっています。そのため、そのままではデザイン面で物足りなさを感じる場合があります。
- 海外製が多く日本語情報が少ない:公式ディレクトリには海外製のテーマも多く、日本語に対応していない、または利用情報が少ない場合があります。
まとめ
特に企業サイトや収益化を目指すサイトなど、高い機能性、デザイン性、セキュリティ、手厚いサポートが必要な場合は、有料テーマの検討も視野に入れることが推奨されます。
一方、個人的なブログや小規模なサイトであれば、公式テーマや信頼できる無料テーマでも十分に運用可能です。ただし、その場合、カスタマイズやトラブル解決に必要な知識は自分で調達する必要があります。
WordPressの公式テーマ(無料)と有料テーマを比較すると、主に費用、機能・カスタマイズ性、サポート、デザインなどの点で違いがあります。
以下に主な比較ポイントをまとめます。
あなたの状況 | 推奨されるテーマ |
予算をかけたくない、個人ブログ、シンプルなサイトで十分、自分でカスタマイズできる知識がある | 公式テーマ(無料) |
ビジネスサイトや本格的なサイトを構築したい、デザインの独自性を出したい、豊富な機能やカスタマイズ性が欲しい、初心者でサポートが必要、時間と労力を節約したい | 有料テーマ |
最終的には、あなたのサイトの目的、予算、求める機能、そしてウェブサイト構築のスキルレベルに応じて、最適なテーマを選択することが重要です。有料テーマを選ぶ場合は、評判やサポート体制、アップデートの頻度をしっかり確認することをお勧めします。
おすすめ有料テーマ
テーマ名 | 主な特徴・強み | 適したサイト |
ザ・トール (THE THOR) | 国内最高クラスのSEO最適化と高速表示 プロ仕様の美しいデザインを簡単に実現(着せ替え機能あり) アフィリエイトに役立つランキング作成機能やCTAが充実<記事装飾機能が豊富で、読みやすいコンテンツ作成を支援 | アフィリエイトブログ、本格的なメディアサイト、集客を重視するビジネスサイト |
エマノン (Emanon) | Web集客・ビジネス利用に特化した機能が豊富 CTA(行動喚起)、LP(ランディングページ)、メルマガ専用ページなどを簡単に作成 企業サイト、オウンドメディアに適したデザイン WooCommerce対応でネットショップにも利用可能(Premium) | コーポレートサイト、企業ブログ、オウンドメディア、リード獲得を目的としたビジネスサイト |
ストークSE (STORK SE) | 「誰が使っても美しいデザイン」を追求したモバイルファースト設計 シングルカラム(1カラム)レイアウトに特化し、コンテンツへの集中度が高い ブロックエディタに最適化され、直感的な操作が可能 シンプルかつ洗練されたデザインで、汎用性が高い | 商品・サービスのブランディングサイト、ミニマルな企業サイト、シンプルで美しいブログ |
リキッドプレス (LIQUID PRESS) | 用途別に豊富なテーマ(マガジン、コーポレートなど)が用意されている 高いSEO対策と構造化データ対応 多言語対応機能(LIQUID CORPORATEなど) カスタマイザーでの直感的な編集が可能 | メディアサイト(ブログ)、多言語対応が必要な企業サイト、目的に合わせたテーマを選びたいサイト |
補足情報
- ザ・トール: SEOと収益化を最重視する設計で、アフィリエイターやブロガーに人気が高いテーマです。
- エマノン: 特にBtoBやサービス業など、Webからの顧客獲得(リードジェネレーション)を重視するビジネスサイト構築に適しています。
- ストークSE: モバイルでの見やすさに徹底的にこだわり、余計な装飾を排したデザインが特徴です。商品の魅力を際立たせたいサイトにも向いています。
- リキッドプレス: 豊富なラインナップの中から目的特化型のテーマを選べるのが大きなメリットです。例えば、ニュースサイトならLIQUID MAGAZINE、企業サイトならLIQUID CORPORATEなどがあります。