【Seesaa】をWordPressのブログに乗り換える

Seesaaとは

Seesaa（シーサー）とは、シーサー株式会社が提供しているウェブサービスの総称です。

特に有名なのは、2003年11月にサービスを開始した無料ブログサービス**「Seesaaブログ」**です。これは、カスタマイズ性と多機能性を特徴とし、日本のブログ黎明期から存在する老舗ブログサービスの一つとして知られています。

Seesaaはブログサービス以外にも、以下のような多様なサービスを提供していました（または過去に提供していました）。

• Seesaa Wiki（シーサーウィキ）: 無料で利用できるWikiサービス。
• 電子書籍作成・販売サービス: EPUBやPDF形式で電子書籍を作成・販売できるウェブサイト。
• BoomAppGames（ブームアップゲームズ）: VRゲームなどの情報サイト（後にBoomAppGamesへ統合）。
• Seesaaダウンロード: フリーソフト・シェアウェアなどのソフトウェア配布マーケットプレイス。
• YOOR（ユア）: オンラインサロンプラットフォーム。
• したらば掲示板: 無料レンタル電子掲示板サービス（2018年に運営会社が変更）。

シーサー株式会社は、2003年10月に設立され、かつてはオン・ザ・エッヂ（後のライブドア）の元社員が起業した会社です。現在は、アフィリエイトASP大手である株式会社ファンコミュニケーションズの子会社となっています。

Seesaaブログは、無料で利用できる上に、アフィリエイト広告の設置にも対応しているため、アフィリエイトブログに挑戦したいユーザーにも選ばれることが多いサービスです。

※最新の情報を公式ページで確認ください

SeesaaブログからWordPressへの移行手順

SeesaaブログからWordPressへの移行は、いくつかの手順を踏むことで可能です。主な流れは以下のようになります。

1. WordPressの準備
   • レンタルサーバーの契約とWordPressのインストール: WordPressを動かすには、レンタルサーバーが必要です。契約後、簡単にWordPressをインストールできる機能が提供されている場合が多いです。
   • ドメインの設定: 独自ドメインを使用している場合は、サーバーにドメインを設定し、WordPressと紐付けます。
2. Seesaaブログからのデータエクスポート
   • Seesaaブログの管理画面にログインし、「設定」→「エクスポート」の順に進みます。
   • 「MT形式」で記事データをエクスポートします。この際、文字コードは「UTF-8」、取得範囲や生成対象カテゴリーは必要に応じて選択・指定します。コメントなども一緒に移行したい場合は、選択しておきましょう。
3. WordPressへの記事インポート
   • WordPressの管理画面にログインし、「ツール」→「インポート」に進みます。
   • 「Movable TypeとTypePad」を選択し、インポーターをインストールします。
   • インストール後、先ほどSeesaaからエクスポートしたMT形式のファイルをアップロードし、インポートを実行します。
   • 投稿者名の選択画面が表示されるので、Seesaaブログ時代の投稿者名を引き継ぐか、WordPressの管理者名にするかを選択します。
4. 画像の移行
   • Seesaaブログにアップロードしていた画像は、自動で移行されない場合があります。Seesaaブログの「ファイルマネージャ」や記事から手動でダウンロードし、WordPressの「メディア」にアップロードする必要があります。画像数が多い場合は、ブラウザの拡張機能などを活用して一括ダウンロードを試みるのも良いでしょう。
   • 画像をWordPressにアップロードしたら、記事内の画像URLを新しいWordPressのURLに修正する必要があります。これは、プラグイン（例: Search Regex）などを使うと効率的に行えます。
5. パーマリンク（URL構造）の設定
   • SeesaaブログとWordPressで記事のURL構造が変わると、検索エンジンの評価が引き継がれなかったり、既存のリンクが切れてしまったりする可能性があります。
   • WordPressの管理画面「設定」→「パーマリンク設定」から、SeesaaブログのURL構造にできるだけ近づけるように設定します。例えば、Seesaaブログが「/article/XXXXX.html」のような形式だった場合、WordPressの「カスタム構造」で「/article/%postname%.html」のように設定すると良いでしょう。
6. 内部リンクの修正
   • 記事内の他の記事へのリンク（内部リンク）も、移行前のSeesaaブログのURLのままになっている場合があります。これらのリンクも、WordPressの新しいURLに修正する必要があります。これもプラグインなどを活用すると便利です。
7. リダイレクト設定（重要）
   • Seesaaブログの古いURLにアクセスがあった際に、新しいWordPressのURLに自動的に転送（リダイレクト）されるように設定することが非常に重要です。これにより、検索エンジンからの評価や被リンクを維持し、ユーザーが迷うことを防ぎます。
   • リダイレクト設定は、サーバーの.htaccessファイルを編集するか、リダイレクト系のWordPressプラグインを利用して行います。
8. その他
   • テーマ（デザイン）の設定
   • サイドバーやヘッダーなどのウィジェット、メニューの移行・設定
   • ファビコンの設定
   • Google Search Consoleへのサイトマップの追加
   • コメントの移行（エクスポート時に含まれている場合、自動的にインポートされることが多いです）

注意点:

• 移行作業は、ブログの規模（記事数、画像数など）によって所要時間や手間が大きく異なります。
• 事前にバックアップを取るなど、万が一の場合に備えることが重要です。
• 不明な点があれば、レンタルサーバーのサポートやWordPressのコミュニティなどを活用するのも良いでしょう。
• 記事URLの引き継ぎが特に重要で、検索順位への影響を最小限に抑えるためには、この部分を慎重に行う必要があります。

上記は一般的な手順であり、個々のSeesaaブログの設定やWordPressの環境によって、詳細な手順が異なる場合があります。具体的な作業に入る前に、いくつかの移行ガイドを参考に、ご自身のブログに合わせた計画を立てることをお勧めします。

WordPressにブログを移行するメリット

SeesaaブログからWordPressへの乗り換えを検討されているのですね。主なメリットとしては、以下の点が挙げられます。

1. 自由度とカスタマイズ性の高さ

• デザインの自由度: Seesaaブログはテンプレートに限りがありますが、WordPressは膨大な数のテーマ（無料・有料）が存在し、デザインのカスタマイズも非常に自由に行えます。プログラミングの知識がなくても、視覚的に変更できるテーマも多いです。
• 機能の拡張性: プラグインを利用することで、お問い合わせフォーム、SEO対策、セキュリティ強化、SNS連携、ECサイト機能など、Seesaaブログでは実現できないような様々な機能を追加できます。ブログの枠を超えたウェブサイト構築も可能です。
• HTML/CSS/PHPの編集: 自分でコードを編集できるため、より細かなデザインや機能の調整が可能です。

2. SEO対策の強化

• プラグインによる最適化: Yoast SEOやAll in One SEO Packなどのプラグインを利用することで、キーワード選定、メタディスクリプション、XMLサイトマップの生成など、効果的なSEO対策を簡単に行うことができます。
• クリーンなコード: WordPressは検索エンジンがクロールしやすいように設計されており、SEOに有利とされています。
• 表示速度の改善: キャッシュプラグインなどを利用することで、サイトの表示速度を改善し、SEO評価を高めることができます。

3. 広告の自由な配置と収益化の多様性

• 広告の制限なし: Seesaaブログでは広告の表示場所や種類に制限がある場合がありますが、WordPressでは自由に広告を配置できます。
• 多様な収益化手段: Google AdSenseだけでなく、ASP（アフィリエイト・サービス・プロバイダ）広告、自社商品の販売、メンバーシップサイトなど、様々な収益化手段を柔軟に導入できます。

4. 将来性と安定性

• 世界標準のCMS: WordPressは世界中で最も利用されているCMS（コンテンツ管理システム）であり、開発が活発に行われています。常に最新の機能やセキュリティ対策が提供されます。
• コミュニティの充実: 困ったことがあっても、オンライン上に豊富な情報やサポートコミュニティが存在するため、解決策を見つけやすいです。
• データの所有権: Seesaaブログはプラットフォームの規約に縛られますが、WordPressは自分でサーバーとドメインを契約するため、ブログのデータを完全に所有し、コントロールできます。万が一プラットフォームがサービスを終了しても、データが消える心配がありません。

5. 専門的なブログ運営への移行

• ブランディングの強化: 独自のドメインを持つことで、プロフェッショナルな印象を与え、ブランディングを強化できます。
• アクセス解析の充実: Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを連携させることで、より詳細なユーザー行動を把握し、コンテンツ改善に役立てることができます。

もちろん、WordPressへの移行には初期費用（サーバー代、ドメイン代）や、ある程度の学習コストがかかるというデメリットもあります。しかし、長期的に見てブログを本格的に運営していきたい、収益化を目指したい、デザインや機能を自由にカスタマイズしたいという場合は、WordPressへの乗り換えは非常に大きなメリットをもたらすでしょう。

WordPressにブログを移行するデメリット

SeesaaブログからWordPressへの移行を検討されているとのことですが、いくつかのデメリットが考えられます。特に、SeesaaブログはSSブログ（旧So-netブログ）の統合先として、SSブログのサービス終了に伴う移行ツールが提供されていましたが、Seesaaブログ自体はサービスを継続している点に注意が必要です。

以下に主なデメリットをまとめました。

1. 移行作業と初期設定の手間

• 複雑な初期設定: Seesaaブログは手軽に始められるのに対し、WordPressはドメイン取得、レンタルサーバー契約、WordPressのインストール、テーマやプラグインの選定・設定など、初期設定に多くの手間がかかります。
• 記事のインポートと調整: Seesaaブログから記事をWordPressにインポートする際、画像パスの修正や文字化け、レイアウト崩れなど、手作業での調整が必要になる場合があります。特に、カテゴリーのURL形式が日本語になっている場合は、修正が必要になる可能性もあります。
• 各種ツールの再設定: GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどの各種アクセス解析ツール、アフィリエイト広告コードなどをWordPressで再設定する必要があります。

2. 維持管理の負担と責任

• 自己管理の必要性: Seesaaブログのような無料ブログサービスは運営側がサーバーやセキュリティを管理してくれますが、WordPressは基本的に全て自己管理となります。WordPress本体、テーマ、プラグインの定期的なアップデート、バックアップ、セキュリティ対策などを自分で行う必要があります。これらの作業を怠ると、サイトが不安定になったり、セキュリティ上のリスクが発生したりする可能性があります。
• トラブルシューティング: WordPressで何らかの問題が発生した場合、自分で原因を特定し、解決策を探す必要があります。専門知識が求められる場面もあります。

3. コストの発生

• レンタルサーバー費用: Seesaaブログは無料で利用できますが、WordPressを運用するにはレンタルサーバーの契約が必須となり、月額数百円～数千円の費用が発生します。
• 独自ドメイン費用: 独自ドメインを使用する場合、年間1,500円程度の費用がかかります。
• 有料テーマ・プラグイン費用: デザイン性を高めたり、機能を追加したりするために有料のテーマやプラグインを導入する場合、追加費用が発生します。

4. 広告表示の自由度（Seesaaブログの広告に関する懸念）

• 過去の情報ではありますが、Seesaaブログはスマートフォンからの閲覧時に表示される広告を完全に消せないというデメリットがありました。WordPressであれば、広告の表示は自由にコントロールできますが、Seesaaブログ側の広告に不満があったからWordPressに移行したい、という場合は、この点はデメリットというよりは解消されるメリットになります。

まとめ

SeesaaブログからWordPressへの移行は、自由度の高さや拡張性といった大きなメリットがある一方で、初期費用や維持管理の手間、自己責任での運用といったデメリットが伴います。これらのデメリットを理解した上で、ご自身のスキルや予算、ブログ運営に対する考え方と照らし合わせ、移行の判断をされることをお勧めします。