Twenty Twenty-FiveはWordPress 6.7以降で動作するブロックテーマ
Twenty Twenty-Fiveとは
Twenty Twenty-Fiveテーマは、WordPress 6.7以降で動作するブロックテーマです。WordPressのデフォルトテーマの一つとして、シンプルさと柔軟性を重視して設計されており、様々なタイプのウェブサイト作成に対応しています。
主な特徴は以下の通りです。
サイトエディタでの柔軟なカスタマイズ
Twenty Twenty-Fiveはブロックテーマであるため、WordPress 5.9から導入されたサイトエディタ(フルサイト編集)を最大限に活用できます。これにより、ヘッダー、フッター、投稿や固定ページのレイアウトなど、サイト全体のデザインをコードを書かずに視覚的に編集できます。
豊富なパターンとテンプレート
- 70種類以上のブロックパターン: 会社概要、問い合わせ、行動喚起(CTA)、イベント、ヒーロー、サービス、お客様の声など、様々なセクションやページ全体を構築するための豊富なパターンが用意されています。これらのパターンを組み合わせることで、効率的にデザイン性の高いページを作成できます。
- 多様なテンプレート: テキスト中心のブログから画像中心のポートフォリオ、ビジネスサイトまで、幅広い用途に対応するテンプレートが提供されています。ブログの種類(個人ブログ、写真ブログ、ニュースブログなど)に合わせたテンプレートも用意されており、目的に合ったデザインを簡単に選べます。
スタイルバリエーションとタイポグラフィ
- 複数のスタイルバリエーションとカラーパレット: デフォルトのスタイルに加え、様々な色とフォントの組み合わせが用意されています。これにより、サイト全体の雰囲気を簡単に変更し、ブランドイメージに合わせたカスタマイズが可能です。
- 国際的なタイポグラフィ対応: 多言語に対応する多様なフォントセットが組み込まれており、世界中のユーザーに合わせたアクセシビリティとカスタマイズが可能です。
シンプルなデザイン
標準ではサイドバーがなく、1カラムのデザインが基本となっています。これにより、コンテンツに集中しやすいクリーンで洗練された印象を与えます。必要に応じてサイドバーを配置することも可能です。
Openverseとの連携
WordPressコミュニティが提供する無料の画像リポジトリ「Openverse」から、多くの魅力的な画像がブロックパターンに組み込まれており、手軽にプロフェッショナルなデザインを作成できます。
Twenty Twenty-Fiveは、ブログ、ポートフォリオ、ビジネスサイトなど、幅広い用途に対応できる汎用性の高いテーマです。特に、コードを書かずにサイト全体を柔軟にデザインしたいWordPressユーザーにおすすめです。
Twenty Twenty-Fiveの使い方
主な使い方としては、以下のポイントを押さえると良いでしょう。
サイトエディター (フルサイト編集) を活用する
Twenty Twenty-Fiveは、サイトエディター(旧称:フルサイト編集)に完全に対応しています。これは、ウェブサイト全体のデザインをWordPressの管理画面から直接、ブロックを使ってカスタマイズできる機能です。
サイトエディターへのアクセス方法
- WordPressの管理画面にログインします。
- 左側のメニューから「外観」>「エディター」をクリックします。
サイトエディターでできること
- テンプレートの編集: トップページ、投稿ページ、固定ページ、アーカイブページなど、ウェブサイトのあらゆるページのレイアウトやコンテンツを編集できます。
- テンプレートパーツの編集: ヘッダー、フッター、サイドバーなど、ウェブサイトの複数のページで使い回される共通部分を編集できます。
- スタイル (グローバルスタイル) の設定: ウェブサイト全体の配色、タイポグラフィ(フォントの種類、サイズ)、レイアウト(パディング、マージン)などを一括で設定できます。これにより、ウェブサイト全体に統一感を持たせることができます。
- ブロックの追加とカスタマイズ: 段落、画像、見出し、ボタン、カラムなど、WordPressが提供するさまざまなブロックを自由に配置し、それぞれのブロックの設定を調整できます。
パターンを活用する
Twenty Twenty-Fiveには、あらかじめデザインされたパターンが豊富に用意されています。これらを活用することで、手軽にプロフェッショナルなレイアウトを作成できます。
パターンの利用方法
- 投稿や固定ページの編集画面で、新しいブロックを追加する際に「パターン」タブを選択します。
- サイトエディターでも、ブロックを追加する際に「パターン」を選択できます。
- 目的のパターンを選択し、ページに挿入します。挿入後も、中のテキストや画像を自由に編集できます。
例えば、お問い合わせセクション、ヒーローセクション、ポートフォリオレイアウトなど、様々な用途のパターンが用意されています。
スタイルバリエーションを試す
Twenty Twenty-Fiveには、複数のスタイルバリエーションが用意されています。これにより、サイト全体の見た目を簡単に切り替えることができます。
スタイルバリエーションの変更方法
- サイトエディターを開きます。
- 右上の「スタイル」アイコン(円の中に半分だけ色がついているようなアイコン)をクリックします。
- 「スタイルを閲覧」をクリックすると、利用可能なスタイルバリエーションが表示されます。
- 気に入ったスタイルを選択すると、サイト全体にそのスタイルが適用されます。
これにより、同じTwenty Twenty-Fiveテーマでも、がらりと異なる印象のサイトにすることが可能です。
その他のヒント
- ブロックの基本を学ぶ: Twenty Twenty-Fiveを最大限に活用するには、WordPressのブロックエディター(Gutenberg)の基本的な使い方を理解することが重要です。ブロックの追加、移動、設定の調整方法などをマスターしましょう。
- 実験を恐れない: サイトエディターでの変更は、保存しなければ適用されません。色々な設定を試して、どのようにウェブサイトが変化するかを確認してみましょう。
- 公式サイトやコミュニティリソースを活用する: WordPressの公式ドキュメントや、WordPressコミュニティのブログ、フォーラムなどでTwenty Twenty-Fiveに関する情報を探すのも有効です。
Twenty Twenty-Fiveのデメリット
WordPressのデフォルトテーマであるTwenty Twenty-Fiveは、最新のWordPressの機能(特にフルサイト編集)を最大限に活用できるように設計されています。しかし、その特性ゆえにデメリットも存在します。以下に主なものを挙げます。
Twenty Twenty-Fiveのデメリット
- 学習曲線: フルサイト編集機能に慣れていないユーザーにとっては、従来のテーマカスタマイザーを使った編集方法とは大きく異なるため、学習が必要になります。ブロックエディタでのサイト全体(ヘッダー、フッターを含む)の編集は、直感的でないと感じる人もいるかもしれません。
- デザインの汎用性の低さ(一部のニーズに対して): Twenty Twenty-Fiveは、クリエイターやブログ向けの用途に焦点を当てて設計されています。そのため、複雑なビジネスサイトや特定のデザイン要件を持つサイトには、そのままでは適さない場合があります。ビジネス向けの機能やレイアウトは、Twenty Twenty-Fourの方が優れているという意見もあります。
- 詳細なカスタマイズの難しさ: ブロックテーマであるTwenty Twenty-Fiveは、コードを直接編集するのではなく、ブロックやパターンを使ってデザインを構築します。これにより、直感的な操作が可能になりますが、特定のCSSやPHPを細かく調整したい場合には、より高度な知識や手間が必要になることがあります。
- 既存のコンテンツとの互換性問題: 以前のテーマからTwenty Twenty-Fiveに切り替える場合、既存のカスタムレイアウト、メニュー、ウィジェットなどが正しく表示されない、または再調整が必要になる可能性があります。
- プレビューと実際の表示の差異: 稀に、サイトエディタでのプレビューと実際の公開サイトの表示が一致しないという報告もあります。これは、ブロックテーマやエディタの成熟度に関連する問題である可能性があります。
- テンプレート管理の煩雑さ: テンプレートの追加や削除、編集が可能ですが、テンプレートの複製ができないなど、一部の操作に制限がある場合があります。また、テンプレートの種類が増えると、管理が複雑になる可能性もあります。
- 他のテーマやプラグインとの競合の可能性: これはTwenty Twenty-Fiveに限ったことではありませんが、WordPressのテーマやプラグインは多岐にわたるため、Twenty Twenty-Fiveと特定のプラグインや他のテーマの機能が競合し、予期せぬ問題が発生する可能性はゼロではありません。
まとめ
Twenty Twenty-Fiveは、WordPressの進化を体現するテーマであり、フルサイト編集による柔軟なデザイン構築を可能にしますが、その新しいアプローチゆえに、従来のWordPressに慣れているユーザーにとっては戸惑う点があるかもしれません。特に、高度なカスタマイズや特定のビジネス要件を持つサイトを構築する場合には、他のテーマや専門的な知識が必要になる可能性も考慮する必要があります。
テーマの選び方
WordPressテーマを選ぶ際は、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
1. 目的とサイトの種類
まず、どんなサイトを作りたいのか、その目的を明確にしましょう。
- ブログ: 読みやすさ、記事の表示方法、SNS連携などが重要になります。
- 企業サイト/ポートフォリオ: ブランドイメージに合ったデザイン、情報伝達のしやすさ、問い合わせフォームの有無などが重要です。
- ECサイト: 商品の表示方法、決済システムとの連携、顧客管理機能などが重要です。
- ニュースサイト: 多くの記事を効率的に表示できるレイアウト、カテゴリ分けのしやすさなどが重要です。
2. デザインとレイアウト
サイトの第一印象を決める重要な要素です。
- 視覚的な魅力: あなたのブランドや目的に合ったデザインであるか。
- カスタマイズ性: 色、フォント、レイアウトなどを自由に調整できるか。
- デモサイトの確認: 実際にテーマを適用した際のイメージをデモサイトで確認しましょう。
3. 機能性
必要な機能が備わっているか確認しましょう。
- ページビルダー連携: ElementorやGutenbergなどのページビルダーに対応しているか(これにより、ドラッグ&ドロップで簡単にレイアウトを作成できます)。
- SEO対策: 検索エンジンにインデックスされやすい構造になっているか。
- レスポンシブデザイン: PC、タブレット、スマートフォンなど、あらゆるデバイスで適切に表示されるか。
- 高速性(パフォーマンス): サイトの表示速度はユーザー体験とSEOに影響します。軽量で最適化されたテーマを選びましょう。
- WooCommerce対応(ECサイトの場合): ECサイトを構築するなら、WooCommerceと連携できるテーマを選びましょう。
- 多言語対応(必要な場合): 複数の言語でサイトを運営する予定があるなら、多言語対応のテーマを選びましょう。
4. サポートとドキュメンテーション
テーマの利用中に困ったことがあった際に、サポートが充実しているかは非常に重要です。
- 公式サポート: 開発元からのサポートは受けられるか。フォーラムやチケットシステムがあるか。
- ドキュメンテーション: テーマの使い方やカスタマイズ方法が詳しく解説されているか。
5. レビューと評価
他のユーザーの意見も参考にしましょう。
- 評価: 星の数やレビューの質を確認しましょう。
- 更新頻度: テーマが定期的に更新されているか(セキュリティや機能の改善のため重要です)。
- アクティブなインストール数: 多くのユーザーに利用されているテーマは、信頼性が高い傾向があります。
6. 無料テーマと有料テーマ
- 無料テーマ:
- メリット: コストがかからない。WordPress公式ディレクトリから安全にダウンロードできる。
- デメリット: 機能が限定的。サポートが手薄な場合がある。カスタマイズ性が低い場合がある。
- 有料テーマ:
- メリット: 機能が豊富。高品質なデザイン。手厚いサポート。定期的なアップデート。
- デメリット: コストがかかる。
おすすめのテーマを見つけるには:
- WordPress公式テーマディレクトリ: 多くの無料テーマがあります。
- テーマ販売サイト:
- ThemeForest: 世界的に有名な有料テーマ販売サイト。
- 国内のWordPressテーマ販売サイト: 日本語のサポートが充実している場合が多いです。例: SWELL, SANGO, Cocoon(無料だが高機能)など。
これらのポイントを総合的に考慮し、あなたのサイトに最適なWordPressテーマを見つけてください。
口コミ・評判
全体的な傾向として、以下のような点が挙げられます。
良い評価
- カスタマイズ性の高さ: ブロックテーマとして設計されており、ブロックエディターとパターンを使って、コーディング知識がなくても直感的にサイトを構築できます。特に、多様なブロックパターンが用意されているため、短時間でプロフェッショナルな見た目のページを作成しやすいと評価されています。
- クリーンでモダンなデザイン: 洗練されたデザインで、シンプルで読みやすいレイアウトを求めるユーザーに好まれています。
- 軽量で動作が速い: 余計な機能が少なく、読み込み速度が速い点が評価されています。
改善を求める声や課題
- ブロックテーマへの慣れが必要: これまでのテーマとは異なり、サイト全体をブロックで管理するフルサイト編集の概念に慣れていないと、最初は戸惑うことがあります。
- デザインの自由度: 高いカスタマイズ性がある反面、テンプレートやスタイルを思った通りに編集できない、エディターでの表示と実際のプレビューが一致しないといった問題に直面するユーザーもいるようです。
- 情報の少なさ: まだ比較的新しいテーマであるため、日本語での詳細な解説や解決策が少ないと感じる人もいます。
まとめ
Twenty Twenty-Fiveは、WordPressが目指す「デザインの民主化」を体現したテーマと言えます。ブロックエディターを最大限に活用して、自分でサイトを自由に作りたい人には非常に適していますが、従来のテーマに慣れている人にとっては、新しい操作方法に慣れるための学習期間が必要になるかもしれません。
新しいWebサイトを始める方や、ブロックエディターに挑戦してみたい方には、良い選択肢となるでしょう。
公式テーマと有料テーマを比較
WordPressの公式テーマ(無料)と有料テーマを比較すると、主に費用、機能・カスタマイズ性、サポート、デザインなどの点で違いがあります。
以下に主な比較ポイントをまとめます。
比較項目 | WordPress公式テーマ(無料) | 有料テーマ |
費用 | 無料 | 1万円〜3万円程度の買い切り型、または月額/年額のサブスクリプション型が多い |
機能・カスタマイズ性 | シンプルで基本的な機能に限定されることが多い。高度な機能はプラグインで補う必要がある。 | 多機能で、ドラッグ&ドロップビルダーや豊富なレイアウトオプションなど、高度なカスタマイズ機能が組み込まれていることが多い。 |
デザイン | シンプルで、他のサイトとデザインが似る可能性がある。 | プロフェッショナルで高品質なデザインが多く、独自性を出しやすい。特定の業種に特化したテーマもある。 |
サポート | 公式フォーラムなど、コミュニティベースのサポートが中心で、個別対応は期待できないことが多い。 | テーマ開発者による専門的なサポート(メール、チャットなど)が提供されることが多く、初心者には安心。 |
アップデート | 公式ディレクトリに登録されているため、セキュリティや互換性のチェックはされているが、機能追加の頻度はテーマによる。 | 定期的なアップデートがあり、最新のWordPressやプラグインとの互換性、セキュリティ対策がより迅速に行われる傾向がある。 |
コードの品質・安全性 | 公式テーマは厳格な審査基準をクリアしているため、一定の品質・安全性は担保されている。 | 評判の良いテーマは高品質だが、中にはコードが複雑すぎたり、セキュリティに問題があるものも存在する可能性があるため、選定に注意が必要。 |
SEO対応 | 基本的なSEO対策はされているが、高度な最適化はプラグインに依存することが多い。 | 内部SEOが最適化されているテーマが多い。 |
まとめと推奨
あなたの状況 | 推奨されるテーマ |
予算をかけたくない、個人ブログ、シンプルなサイトで十分、自分でカスタマイズできる知識がある | 公式テーマ(無料) |
ビジネスサイトや本格的なサイトを構築したい、デザインの独自性を出したい、豊富な機能やカスタマイズ性が欲しい、初心者でサポートが必要、時間と労力を節約したい | 有料テーマ |
最終的には、あなたのサイトの目的、予算、求める機能、そしてウェブサイト構築のスキルレベルに応じて、最適なテーマを選択することが重要です。有料テーマを選ぶ場合は、評判やサポート体制、アップデートの頻度をしっかり確認することをお勧めします。
テーマ名 | 主な特徴・強み | 適したサイト |
ザ・トール (THE THOR) | 国内最高クラスのSEO最適化と高速表示 プロ仕様の美しいデザインを簡単に実現(着せ替え機能あり) アフィリエイトに役立つランキング作成機能やCTAが充実<記事装飾機能が豊富で、読みやすいコンテンツ作成を支援 | アフィリエイトブログ、本格的なメディアサイト、集客を重視するビジネスサイト |
エマノン (Emanon) | Web集客・ビジネス利用に特化した機能が豊富 CTA(行動喚起)、LP(ランディングページ)、メルマガ専用ページなどを簡単に作成 企業サイト、オウンドメディアに適したデザイン WooCommerce対応でネットショップにも利用可能(Premium) | コーポレートサイト、企業ブログ、オウンドメディア、リード獲得を目的としたビジネスサイト |
ストークSE (STORK SE) | 「誰が使っても美しいデザイン」を追求したモバイルファースト設計 シングルカラム(1カラム)レイアウトに特化し、コンテンツへの集中度が高い ブロックエディタに最適化され、直感的な操作が可能 シンプルかつ洗練されたデザインで、汎用性が高い | 商品・サービスのブランディングサイト、ミニマルな企業サイト、シンプルで美しいブログ |
リキッドプレス (LIQUID PRESS) | 用途別に豊富なテーマ(マガジン、コーポレートなど)が用意されている 高いSEO対策と構造化データ対応 多言語対応機能(LIQUID CORPORATEなど) カスタマイザーでの直感的な編集が可能 | メディアサイト(ブログ)、多言語対応が必要な企業サイト、目的に合わせたテーマを選びたいサイト |
補足情報
- ザ・トール: SEOと収益化を最重視する設計で、アフィリエイターやブロガーに人気が高いテーマです。
- エマノン: 特にBtoBやサービス業など、Webからの顧客獲得(リードジェネレーション)を重視するビジネスサイト構築に適しています。
- ストークSE: モバイルでの見やすさに徹底的にこだわり、余計な装飾を排したデザインが特徴です。商品の魅力を際立たせたいサイトにも向いています。
- リキッドプレス: 豊富なラインナップの中から目的特化型のテーマを選べるのが大きなメリットです。例えば、ニュースサイトならLIQUID MAGAZINE、企業サイトならLIQUID CORPORATEなどがあります。