リスティング広告の始め方(適した業種や費用)

一般的に、リスティング広告の配信は、以下の8つのステップで進めることができます。主にGoogle広告やYahoo!広告といった媒体で行う場合の手順です。

リスティング広告を始める8ステップ

  1. 目的・媒体の決定
    • 広告配信の目的(認知拡大、資料請求、商品購入など)を明確にします。
    • 配信媒体(Google広告、Yahoo!広告など)を決めます。
  2. 広告アカウントの開設
    • 選択した媒体(例:Google広告)でアカウントを作成します。
  3. アカウント構成の検討
    • キーワードの選定を行い、それらを基にキャンペーン広告グループといった配信の枠組みを設計します。
    • 最初は完璧を目指さず、キーワードから考え、必要に応じてグループ分けを推奨されることが多いです。
  4. 広告文(クリエイティブ)の作成
    • ユーザーの検索意図に合った、魅力的な広告見出し説明文を作成します。
  5. キーワード・広告の入稿
    • 設定したアカウント構成に基づき、選定したキーワードと作成した広告文を媒体の管理画面に入力・登録します。
  6. 支払い情報の設定
    • 広告費を支払うためのクレジットカードや銀行口座などの情報を設定します。
  7. 成果計測用のタグ設定
    • 広告の効果(コンバージョンなど)を測定するための計測タグ(例:コンバージョンタグ)をウェブサイトに設定します。
  8. キャンペーンの配信設定をオンにする
    • すべての設定が完了したら、キャンペーンの配信設定をオンにして、広告配信を開始します。入稿後、媒体による広告の審査を経て配信が始まります。

成功のための3つのコツ

  • キーワードの選定: 成果(コンバージョン)につながりやすい、自社だけのニッチなキーワードを見つけましょう。
  • 魅力的な広告文: クリックしたくなるような、ユーザーのニーズを捉えた強い広告文を作成します。
  • 分析と改善: 配信開始後も、データ(クリック率、コンバージョン率など)を素早く分析し、キーワードや広告文を改善し続ける(PDCAを回す)ことが重要です。

リスティング広告とは

リスティング広告とは、GoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンでユーザーが検索したキーワードに連動して、検索結果画面に表示される広告のことです。

検索連動型広告」や「検索広告」とも呼ばれます。

主な特徴は以下の通りです。

  • キーワード連動: ユーザーが検索したキーワードに合わせた広告が表示されるため、その商品やサービスに興味・関心が高い層(顕在層)に効果的にアプローチできます。
  • クリック課金制 (PPC: Pay Per Click): 広告が検索結果に表示されるだけでは費用はかからず、ユーザーが広告をクリックして初めて料金が発生します。
  • 掲載場所: 検索結果画面の上部や下部に「広告」や「スポンサー」といった表示と共に出ます。
  • 予算設定: 1日あたりの予算上限などを設定できるため、広告費用をコントロールしやすいです。
  • 即効性: 設定すればすぐに掲載が開始できるため、比較的早く効果を得られる可能性があります(自然検索の順位を上げるSEO対策と比べて)。

リスティング広告が適した業種

リスティング広告が特に適している業種には、いくつかの共通する特徴があります。

リスティング広告が効果的な業種の特徴

  • 顕在的なニーズが明確な業種:ユーザーが具体的な目的やサービス名を検索する傾向が強い業種です。
    • 例:美容クリニック、不動産、ブライダル、旅行代理店
  • 地域密着型でエリアが明確な業種:「地域名+サービス名」で検索されることが多いため、地域ターゲティングが有効です。
    • 例:歯科医院、美容院、整骨院、ヨガ教室、塾
  • 緊急性の高いサービスを扱う業種:すぐに解決策を求めて検索するユーザーが多いです。
    • 例:鍵の修理、水道の修理、害虫駆除、特殊清掃
  • 客単価が高い、または粗利が高い商品・サービスを扱う業種:広告費をかけても費用対効果(ROI)が見合う可能性が高いです。
    • 例:不動産売買、高級車、高額なB2Bサービス

具体的な業種の例

カテゴリ具体的な業種理由(相性が良い点)
医療・美容歯科医院、整骨院、美容院、美容クリニック地域とサービスを組み合わせて検索するユーザーが多く、予約につながりやすい。
住居・生活不動産(賃貸・売買)、リフォーム、引っ越し業者物件やサービスを探す際に、エリアや具体的なニーズが明確。
イベント・レジャーブライダル、旅行代理店、レンタカー目的や場所が明確な検索が多く、情報収集から予約・申込みにつながりやすい。
教育・人材英会話スクール、塾、求人・人材紹介スキルアップや仕事探しなど、具体的な解決策を求めている。

貴社の業種や、どのような顧客層にアプローチしたいかによって、リスティング広告の戦略は変わってきます。

リスティング広告の費用の仕組み

リスティング広告の主な費用は、クリック課金制(CPC: Cost Per Click)に基づいています。

  • 費用が発生するタイミング: 広告が検索結果に表示されただけでは費用はかかりません。ユーザーが実際に広告をクリックした時にのみ費用が発生します。
  • 費用の計算: 広告費用 = クリック単価 × クリックされた数
  • クリック単価(CPC)の決定: キーワードごとのオークション形式で決まります。競合が多い人気キーワードほど単価は高くなる傾向があります。また、広告の品質(関連性やランディングページの質など)も考慮されます。

リスティング広告の費用相場

一概に「いくら」とは言えませんが、一般的に広告を配信する際の目安として、以下のような相場があります。

  • 月額の目安: 20万円〜30万円程度から始めるケースが多いとされています。大手企業では数百万円以上の予算を投じることもあります。
  • 少額からの運用: 理論上は1日あたり数百円、月あたり数万円などの少額からでも運用は可能です。ただし、ある程度の成果を出すには、データ収集のために一定の予算(例えば月額5万円〜10万円程度)を確保することが現実的とされています。
  • 最低出稿額: Google広告などでは、最低支払い金額は設定されていません

代理店に運用を依頼する場合の費用

自社で運用せず、広告代理店に依頼する場合は、上記の広告費に加えて以下の費用がかかることが一般的です。

費用の種類相場の目安
運用手数料広告費の20%前後が相場(10%〜30%程度)。
初期費用5万円前後かかる場合がある(初期設定やアカウント開設など)。

予算の決め方

予算を決める際の一般的な考え方としては、目標から逆算する方法が推奨されます。

  1. 目標コンバージョン数(CV数)を決める: 例:今月は「お問い合わせ」を20件獲得したい。
  2. 目標CPA(顧客獲得単価)を決める: CVを1件獲得するのにかけられる費用の限界を決める。例:1件あたり15,000円までなら利益が出る。
  3. 予算を計算する:{月間予算} = {目標CPA} {目標CV数}:15,000円 20件 = 300,000円

これにより、目標達成に必要な広告費の目安がわかります。

リスティング広告は柔軟に予算の上限を設定でき、費用対効果を高めるための設定も多岐にわたります。

googleとyahooのリスティング広告窓口

Google 広告とYahoo!広告のリスティング広告の主な問い合わせ窓口は以下の通りです。

Google 広告

Google 広告では、電話チャットメールヘルプセンターなど、様々な方法でサポートが提供されています。

  • 📞 電話でのサポート
    • 新規アカウント開設者向け個別相談: 0120-339-044
      • 月-金, 9時-18時 (JST)
      • アカウント登録から30日以内の方が対象で、設定などを無料でサポートしてくれます。
    • 総合窓口: Google 広告ヘルプ内の「お問い合わせ」フォームから、電話を選択できる場合があります(混雑状況による)。
      • 受付時間: 月曜~木曜 09:30‐18:00 など、時期によって異なる場合があります。
  • 💬 チャットでのサポート
    • 総合窓口: Google 広告ヘルプ内の「お問い合わせ」フォームから、チャットを選択できます。
      • 受付時間: 平日(土日祝日除く)9時~18時 など、時期によって異なる場合があります。
  • 📧 メールでのサポート
    • 総合窓口: Google 広告ヘルプ内の「お問い合わせ」フォームから、メールを選択できます。
  • 🔍 ヘルプセンター/総合窓口
    • 基本的には、Google 広告ヘルプ内のお問い合わせフォームから、質問内容に応じた問い合わせ方法を選択することになります。

Yahoo!広告 (検索広告)

Yahoo!広告では、主に電話チャットメールでの問い合わせが可能です。

  • 📞 電話でのサポート
    • Yahoo! 広告全般の問い合わせ: 0120-559-703
    • 広告運用に関する相談: 0120-965-598
      • 対応時間: 平日 10:00〜12:00、13:00〜18:00(土日祝休)
      • ※アカウントIDが必要な場合があります。
    • 新規申し込み・海外からの問い合わせ: +81-93-588-9009 (日本時間 平日9:30~12:00、13:00~18:00 土日祝休)
  • 💬 チャットでのサポート
    • ご利用中のお客様専用: 広告管理ツールにログイン後、「検索広告」タブまたは「ディスプレイ広告」タブ右上の「チャットでお問い合わせ」ボタンから利用できます。
      • 対応時間: 平日 9:30〜12:00、13:00〜18:00(土日祝休)
  • 📧 メールでのサポート
    • 新規申し込みの方: yads-support@mail.yahoo.co.jp など、問い合わせ窓口のページに記載されているメールアドレスから問い合わせが可能です。

⚠️注意点:

  • サポート窓口の電話番号や受付時間は、変更される可能性があります。
  • チャット電話での問い合わせは、広告管理ツールにログインした状態でアクセスすることが推奨されている場合が多いです。

リスティング広告に重要な自社サイト

サイト(ランディングページ=LPを含む)は必要です。

リスティング広告は、ユーザーをサイトに誘導するための「集客手段」だからです。

サイトが重要な理由

リスティング広告をクリックしたユーザーが、最終的に商品購入やサービス登録などのアクション(コンバージョン)を行うための「受け皿」が必要になります。

  1. コンバージョン地点として
    • 広告で興味を持ったユーザーに、商品やサービスの詳細情報を提供し、購入や問い合わせなどの最終的な行動を促す場所が必要です。
  2. 広告の品質維持のため
    • 広告の品質スコア(表示されやすさや費用に関わる評価)は、広告の内容と誘導先のサイトの関連性や利便性も見て判断されます。関連性の低いサイトでは、広告効果が低下する可能性があります。

LP(ランディングページ)の活用

自社の本格的なWebサイトがない場合や、特定の商材・キャンペーンに特化したい場合は、LP(ランディングページ)を作成することをおすすめします。

  • LPは、広告をクリックしたユーザーが最初に着地するページで、一つの商品やサービスに特化し、コンバージョンを最大化するために設計されます。
  • Webサイト全体を作るよりも、比較的短期間・低コストで作成できる場合があります。

結論として

リスティング広告を効果的に運用し、成果を出すためには、広告の誘導先となるWebサイトやLPが不可欠です。

WordPressはWEBマーケティングに有利

WordPressはWEBマーケティングにおいて非常に有利です。

特にSEO(検索エンジン最適化)に強い構造を持っていることと、拡張性の高さが大きな理由です。

WordPressがWEBマーケティングに有利な理由

WordPressがWEBマーケティング、特にコンテンツマーケティングやSEOで優れている主な点は以下の通りです。

1. SEO対策のしやすさ(検索エンジンに好まれる構造)

  • クローラーに優しい構造: WordPressは、検索エンジンのロボット(クローラー)がサイトを巡回しやすく、コンテンツを正しく認識しやすい構造で設計されています。これにより、検索結果での上位表示(SEO)に有利になります。
  • 豊富なSEOプラグイン: 「All in One SEO」や「Yoast SEO」といったプラグインを導入することで、HTMLや専門知識がなくても、タイトルタグメタディスクリプションの設定、サイトマップの自動生成など、SEOに不可欠な設定を簡単に行うことができます。
  • 表示速度: SEOに強いテーマを選び、画像を最適化するなどの対策を講じることで、ページの読み込み速度を速く保ちやすく、ユーザー体験(UX)の向上検索エンジンからの評価アップに繋がります。

2. 高い拡張性と多様な機能

  • プラグインによる機能追加: WordPressの最大の強みの一つがプラグインです。
    • アクセス解析: Google Analyticsとの連携を簡単に行えます。
    • フォーム作成: お問い合わせフォームを簡単に設置できます。
    • EC機能: WooCommerceなどのプラグインでオンラインストア(ECサイト)を構築できます。
    • SNS連携: 記事のソーシャルシェアボタンを簡単に設置できます。
    • セキュリティ: セキュリティを強化するプラグインも豊富です。
  • 豊富なデザインテーマ: 用途に応じた多種多様なデザインテーマがあり、専門的なコーディング知識がなくてもプロフェッショナルなサイトデザインを実現できます。企業のコーポレートサイトからブログ、メディアサイト、ECサイトまで、様々なタイプのサイトを構築可能です。

3. コンテンツ更新の容易さ

  • 簡単な記事投稿・編集: 直感的な操作で記事の投稿や編集が簡単に行えるため、コンテンツを継続的かつ迅速に増やしやすいです。検索エンジンは新しい情報や頻繁に更新されるコンテンツを評価する傾向があるため、これはSEO上も重要です。

注意点

WordPressを導入しただけで自動的にWEBマーケティングに成功するわけではありません。

  • 正しいSEO施策の実行: キーワード選定やユーザーのニーズを満たす質の高いコンテンツ作成、内部リンクの最適化など、基本的なSEO施策を正しく行う必要があります。
  • 表示速度の最適化: プラグインを多用しすぎたり、大きな画像を使ったりするとサイトの表示速度が低下し、SEOに悪影響を及ぼす可能性があります。適切なテーマ選びや最適化が必要です。
  • セキュリティ対策: 世界的なシェアが高いため、サイバー攻撃の標的になりやすい側面もあります。定期的なアップデートやセキュリティプラグインの導入が不可欠です。

有料テーマは、WEBマーケティングにおいて有利

WordPressの有料テーマは、WEBマーケティングにおいて有利になる要素を多く持っていると言えます。

主な有利な点としては、以下のようなものがあります。

  1. SEO対策機能の充実
    • ページの表示速度(読み込み速度)が速いように設計されているものが多いです。表示速度はGoogleの評価基準(Core Web Vitalsなど)にも影響し、ユーザー体験の向上にもつながります。
    • レスポンシブデザインに標準対応しており、スマートフォンでの閲覧に最適化されています(これはSEOの必須条件です)。
    • 正しいHTML構造や見出し構造など、検索エンジンが理解しやすい内部構造になっていることが多いです。
    • メタディスクリプションやパンくずリストなどのSEO設定がテーマ側で用意されていることが多く、初心者でも対策しやすいです。
  2. デザイン性・ブランディング力
    • プロのデザイナーによって洗練されたデザインが施されており、信頼感やプロフェッショナルな印象を与えやすいため、企業のブランディングや信頼性向上に貢献します。
    • UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザー体験)が考慮されており、訪問者が快適にサイトを利用できるため、離脱率の低下コンバージョン率の向上が期待できます。
  3. ビジネス機能の搭載
    • CTA(行動喚起)ボタンやランディングページ(LP)用のレイアウト、レビュー機能、導入事例フォーマットなど、ビジネスや集客に直結する機能があらかじめ実装されていることが多く、プラグインを探したり導入する手間が省けます
  4. サポート体制とアップデート
    • 多くの場合、開発元によるサポートやマニュアルが充実しており、トラブル発生時や使い方に困った時に安心です。
    • Googleのアルゴリズム変更やWordPress本体のアップデートに対応して、テーマ自体も頻繁に更新されるため、サイトを最新かつ安全に保ちやすいです。

もちろん、有料テーマを導入しただけでWebマーケティングが成功するわけではなく、最も重要なのは質の高いコンテンツですが、有料テーマは「Webマーケティングを本格的に行うための土台」として、効率的かつ効果的にサイト運営を進める上で非常に優れています。

テーマ名主な特徴・強み適したサイト
ザ・トール (THE THOR)国内最高クラスのSEO最適化高速表示
プロ仕様の美しいデザインを簡単に実現(着せ替え機能あり)
アフィリエイトに役立つランキング作成機能CTAが充実<記事装飾機能が豊富で、読みやすいコンテンツ作成を支援
アフィリエイトブログ本格的なメディアサイト集客を重視するビジネスサイト
エマノン (Emanon)Web集客・ビジネス利用に特化した機能が豊富
CTA(行動喚起)、LP(ランディングページ)、メルマガ専用ページなどを簡単に作成
企業サイト、オウンドメディアに適したデザイン
WooCommerce対応でネットショップにも利用可能(Premium)
コーポレートサイト企業ブログオウンドメディアリード獲得を目的としたビジネスサイト
ストークSE (STORK SE)「誰が使っても美しいデザイン」を追求したモバイルファースト設計
シングルカラム(1カラム)レイアウトに特化し、コンテンツへの集中度が高い
ブロックエディタに最適化され、直感的な操作が可能
シンプルかつ洗練されたデザインで、汎用性が高い
商品・サービスのブランディングサイト、ミニマルな企業サイトシンプルで美しいブログ
リキッドプレス (LIQUID PRESS)用途別に豊富なテーマ(マガジン、コーポレートなど)が用意されている
高いSEO対策と構造化データ対応
多言語対応機能(LIQUID CORPORATEなど)
カスタマイザーでの直感的な編集が可能
メディアサイト(ブログ)、多言語対応が必要な企業サイト目的に合わせたテーマを選びたいサイト
有料WordPressテーマ

補足情報

  • ザ・トール: SEOと収益化を最重視する設計で、アフィリエイターやブロガーに人気が高いテーマです。
  • エマノン: 特にBtoBサービス業など、Webからの顧客獲得(リードジェネレーション)を重視するビジネスサイト構築に適しています。
  • ストークSE: モバイルでの見やすさに徹底的にこだわり、余計な装飾を排したデザインが特徴です。商品の魅力を際立たせたいサイトにも向いています。
  • リキッドプレス: 豊富なラインナップの中から目的特化型のテーマを選べるのが大きなメリットです。例えば、ニュースサイトならLIQUID MAGAZINE、企業サイトならLIQUID CORPORATEなどがあります。