All-in-One WP Migrationはサイトの移行に使うプラグイン

目次
All-in-One WP Migrationとは
「All-in-One WP Migration」は、WordPressサイトの移行(引っ越し)やバックアップを簡単に行うための非常に人気のあるツールです。
主な特徴とメリットは以下の通りです。
- 簡単操作: 専門知識がなくても、直感的な操作でサイトの移行やバックアップが可能です。プラグインをインストールして有効化し、数クリックでエクスポート・インポートを実行できます。
- 包括的なデータ移行: データベース、プラグイン、テーマ、コンテンツ、メディアファイルなど、WordPressサイトのすべてのコンポーネントを単一の
.wpressファイルとしてエクスポート・インポートできます。これにより、複数のプラグインを使う手間が省けます。 - 無料利用が可能: 基本的なエクスポート・インポート機能は無料で利用できます。ただし、無料版にはインポートファイルサイズの上限(通常32MBですが、設定変更で引き上げ可能)があります。
- 幅広い用途:
- レンタルサーバーの移行
- ドメインの変更
- ローカル環境から本番環境への移行
- 本番環境のデータをローカル環境に複製してテスト
- 定期的なバックアップと復元
- 自動URL置換: 移行先のURLに自動的に置換されるため、手動での修正作業が不要です。
- 有料版(Premium Extensions): さらに高度な機能が必要な場合は、有料の拡張機能も提供されています。
- 無制限のファイルサイズでのインポート
- Dropbox、Google Drive、OneDriveなどのクラウドストレージへの直接エクスポート・インポート
- マルチサイト対応
- スケジュールされた自動バックアップ
- データベースフィルタリング(特定のテーブルやデータを除外)
利用方法の概要:
- 移行元と移行先のWordPress両方に「All-in-One WP Migration」プラグインをインストール・有効化します。
- 移行元のWordPressサイトで、プラグインのメニューからサイトをエクスポートします。これにより、
.wpressという拡張子のファイルが生成されます。 - 生成された
.wpressファイルをダウンロードします。 - 移行先のWordPressサイトで、プラグインのメニューからダウンロードした
.wpressファイルをインポートします。ファイルをドラッグ&ドロップするだけで簡単にインポートできます。 - インポートが完了すると、移行元のサイトが移行先に完全に複製されます。
「All-in-One WP Migration」は、その手軽さと信頼性から、多くのWordPressユーザーに利用されている非常に便利なプラグインです。
利用数
現在の情報によると、このプラグインは非常に広く利用されており、
- 有効インストール数は500万以上です。
- 累計では6,000万以上のサイトで利用されてきたとされています。
WordPressのサイト移行やバックアップに非常に人気があり、信頼されているプラグインです。
利用料金
All-in-One WP Migrationプラグインは、基本的な機能は無料で利用できますが、有料版(Unlimited Extensionなど)も提供されています。
主な料金体系と機能の違いは以下の通りです。
1. 無料版
- 料金: 無料
- 主な機能: WordPressサイトのエクスポート(バックアップ)とインポート(復元・移行)の基本的な機能。
- 制限: アップロードファイルサイズに制限があります(多くのサーバー環境で512MB程度)。小規模なサイトの移行やバックアップに適しています。
2. 有料版(Unlimited Extension)
- 料金:
- Unlimited Extension(無制限拡張機能)が主要な有料版で、価格は一般的に年間 $69です。
- 以前は買い切り型でしたが、現在は年間サブスクリプションに移行しています。
- $69で最大50サイトまで利用可能です。
- 主な機能:
- アップロードファイルサイズの制限が撤廃され、大規模なサイトの移行・バックアップが可能になります。
- 無制限のサイトでの使用(ライセンスで定められた数まで)。
- WP CLIのサポート。
- 技術サポート。
3. その他の有料拡張機能
特定のクラウドストレージ(Dropbox、Google Drive、Amazon S3など)への自動バックアップや、マルチサイトへの対応など、追加の機能を利用するための個別の拡張機能も提供されています。これらはUnlimited Extensionとは別に、またはUnlimited Extensionに含まれる形で提供されることがあります。
⚠️ 重要な注意点:
最近、All-in-One WP Migrationの利用規約が変更され、クライアントワーク(第三者のサイト制作・移行)での有料拡張機能の利用が契約違反となるリスクが指摘されています。
もしあなたがWeb制作者で、クライアントのサイトにこのプラグイン(特に有料版)を利用しようと考えている場合は、利用規約を必ず確認するか、代替のプラグイン(WPvivid, UpdraftPlusなど)の利用を検討することをお勧めします。
All-in-One WP Migrationの使い方
「All-in-One WP Migration」は、WordPressサイトの移行やバックアップを非常に簡単に行うことができるツールです。ここでは、その基本的な使い方をステップごとに説明します。
All-in-One WP Migrationとは?
All-in-One WP Migrationは、WordPressのデータベース、メディアファイル、テーマ、プラグインなど、サイト全体のデータを一つのファイル(.wpress形式)にまとめてエクスポートし、別のWordPress環境にインポートすることで、簡単にサイトの引っ越しや複製、バックアップができるプラグインです。
主な用途
- サイトの移行: 別のサーバーやドメインにWordPressサイトを引っ越す際に使用します。
- サイトの複製: 開発環境から本番環境へ、またはテストサイトを作成する際に利用します。
- バックアップ: 定期的にサイトのバックアップを作成し、万が一のデータ損失に備えます。
基本的な使い方
1. All-in-One WP Migrationのインストールと有効化
移行元と移行先の両方のWordPressサイトで、以下の手順でプラグインをインストール・有効化します。
- WordPress管理画面にログインします。
- 左メニューの「プラグイン」から「新規追加」をクリックします。
- 検索窓に「All-in-One WP Migration」と入力します。
- 表示されたプラグインの「今すぐインストール」をクリックし、インストールが完了したら「有効化」をクリックします。
- プラグインが有効化されると、左メニューに「All-in-One WP Migration」という項目が追加されます。
2. 移行元サイトからのエクスポート(データの書き出し)
移行元のWordPressサイトで、サイトのデータをエクスポートします。
- 移行元のWordPress管理画面にログインし、左メニューの「All-in-One WP Migration」から「エクスポート」を選択します。
- 「エクスポート先」をクリックし、「ファイル」を選択します。(無料版では「ファイル」のみが利用可能です。FTPやDropboxなどへの直接エクスポートは有料版の機能です。)
- 高度なオプション (Advanced Options): 必要に応じて、エクスポートする内容を細かく設定できます。例えば、メディアファイルが大きい場合に除外したり、スパムコメントやリビジョンを除外してファイルサイズを小さくすることができます。
- ドメイン変更の場合: ドメインを変更する場合は、「検索<文字列>置換<別の文字列>データベース内」の欄に、現在のドメインと新しいドメインを入力して一括置換することができます。
- エクスポート処理が開始されます。サイトのサイズによっては時間がかかりますので、完了するまで待ちます。
- エクスポートが完了すると、
.wpress形式のファイルが生成されます。「ダウンロード」ボタンをクリックして、そのファイルをPCに保存します。
3. 移行先サイトへのインポート(データの読み込み)
新しくサイトを移行するWordPress環境に、エクスポートしたデータをインポートします。
- 移行先のWordPressサイトに、新しくWordPressをインストールし、All-in-One WP Migrationプラグインもインストール・有効化しておきます。
- 注意点: 移行先のWordPressサイトのデータはすべて上書きされます。既存のデータがある場合は事前にバックアップを取るなどして注意してください。
- PHPバージョンとWordPressバージョンの確認: 移行元と移行先のPHPバージョン、WordPressバージョンは揃えておくことを推奨します。
- 移行先のWordPress管理画面にログインし、左メニューの「All-in-One WP Migration」から「インポート」を選択します。
- 「インポート元」をクリックし、「ファイル」を選択します。
- 先ほどエクスポートしてPCに保存した
.wpressファイルを、ドラッグ&ドロップするか、ファイルを選択してアップロードします。- アップロード上限サイズに注意: 無料版では、サーバーのアップロード上限サイズによってインポートできるファイルサイズに制限があります。この制限を超える場合は、php.iniの設定を変更するか、有料版の「Unlimited Extension」を利用する必要があります。
- アップロードが完了すると、インポートを開始する前の確認画面が表示されます。内容を確認し、「開始」をクリックします。
- インポート処理が開始されます。完了するまでブラウザを閉じずに待ちます。
- インポートが完了すると、「サイトが正常にインポートされました」というメッセージが表示されます。「完了」をクリックします。
4. 移行後の設定確認(重要)
インポートが完了したら、必ず以下の設定を確認してください。
- パーマリンク設定の保存:
- WordPress管理画面の左メニューから「設定」→「パーマリンク設定」に移動します。
- 何も変更せずに「変更を保存」ボタンを一度クリックしてください。これにより、パーマリンク(URL構造)が正しく更新されます。これを怠ると、ページが表示されなくなったり、リンク切れが発生する可能性があります。
- 管理画面への再ログイン:
- インポート後、元のサイトのユーザー情報が引き継がれているため、一度管理画面からログアウトし、移行元のサイトで使用していたユーザー名とパスワードで再度ログインし直す必要がある場合があります。
- サイトの動作確認:
- サイト全体が正しく表示されるか、画像やリンクが正常に動作するかなど、隅々まで確認してください。
- 特に、メディアファイル(画像など)が正しく表示されているか確認しましょう。
注意点
- ファイルサイズ制限: 無料版では、インポートできるファイルサイズに制限があります。大きなサイトを移行する場合は、サーバーのPHP設定を変更してアップロード上限サイズを増やすか、有料版の「Unlimited Extension」の購入を検討する必要があります。
- セキュリティプラグインの一時無効化: 移行作業中は、セキュリティプラグインやキャッシュプラグインを一時的に無効化することを推奨します。これらが干渉して、正常に移行できない場合があります。
- バックアップの定期的な取得: All-in-One WP Migrationはバックアップ用途にも優れています。定期的にバックアップを取得し、ファイルをダウンロードして安全な場所に保管しておくことをお勧めします。
- 古いバックアップファイルの削除: エクスポートを行うたびにサーバー上に
.wpressファイルが生成されます。不要なバックアップファイルは、サーバーのディスク容量を圧迫するため、定期的に削除するようにしましょう。
All-in-One WP Migrationは非常に便利なプラグインですが、サイトの規模やサーバー環境によっては、上記以外の問題が発生する可能性もあります。もし問題が発生した場合は、公式ドキュメントや関連する情報を参照するか、専門家への相談を検討してください。
All-in-One WP Migrationの注意点
「All-in-One WP Migration」は、WordPressサイトの移行やバックアップを簡単に行える非常に便利なツールですが、いくつかの注意点があります。これらを理解しておくことで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな作業を行うことができます。
1. 無料版の容量制限
- インポート容量の制限: 無料版では、インポートできるファイルの最大サイズに制限があります。通常、100MBから512MB程度とされています(サーバー環境によって異なります)。大規模なサイトやメディアファイルが多いサイトの場合、この制限を超えることがあります。
- 対策:
- 有料版の購入: 容量制限を解除する「Unlimited Extension」などの有料アドオンを購入するのが最も確実な方法です。
- サーバー設定の変更:
.htaccessやwp-config.phpファイルを編集して、PHPのアップロードファイルサイズの上限(upload_max_filesize、post_max_size、memory_limitなど)を増やすことで、ある程度の容量まで対応できる場合があります。 - 分割ダウンロード/エクスポートデータの除外: メディアライブラリなど、容量の大きいファイルをエクスポート対象から除外したり、FTPソフトを使って別途移行したりする手法も考えられます。
2. 移行元と移行先の環境の整合性
- PHPバージョンの統一: 移行元と移行先のPHPバージョンが大きく異なると、エラーが発生する可能性があります。できる限り同じか互換性のあるバージョンに揃えることを推奨します。
- WordPressバージョンの統一: 同様に、WordPressのバージョンも移行元と移行先で揃えておくことが望ましいです。
- サイトURLの置換: ドメイン変更を伴う移行の場合、All-in-One WP Migrationが自動的にURLを置換してくれますが、移行後にパーマリンク設定の保存(「設定」→「パーマリンク」で何も変更せずに「変更を保存」をクリック)を忘れずに行いましょう。
3. 移行時のデータの上書き
- 移行先のデータはすべて上書きされる: All-in-One WP Migrationは、移行先のWordPressサイトのデータをすべて上書きします。そのため、移行先のサイトにすでに重要なデータがある場合は、必ず事前にバックアップを取っておく必要があります。
4. セキュリティプラグインとの競合
- セキュリティプラグインの一時停止: WP SiteGuardなどのセキュリティプラグインが有効になっていると、ファイルの書き込みなどが制限され、移行処理が妨げられることがあります。移行作業中は一時的にこれらのプラグインを無効化し、移行完了後に再度有効化するようにしましょう。
5. その他の注意点
- エクスポートファイルの保管: エクスポートされた
.wpressファイルはサーバー上に生成されます。不要なファイルはセキュリティとサーバー容量の観点から削除するようにしましょう。 - インポートの安定性: 大容量のファイルをインポートする場合、ブラウザのウィンドウを閉じたり、インターネット接続が不安定になったりすると、インポートが途中で失敗する可能性があります。安定した環境で行いましょう。
- トラブル時の対処法:
- インポートができない場合、上記に挙げたアップロード容量の不足、エクスポートデータが大きすぎる、PHPバージョンの不一致などが原因として考えられます。
- 必要に応じて、WordPressのデバッグモードを有効にしてエラーメッセージを確認したり、ホスティングプロバイダーに相談したりすることも有効です。
これらの注意点を押さえることで、All-in-One WP Migrationをより安全かつ効果的に活用できます。移行作業の際は、常にバックアップを最優先に考え、慎重に進めるようにしてください。
プラグインを意識したレンタルサーバーの選び方
多くのプラグインを使う予定であれば、最初からWordPressに特化・最適化されているレンタルサーバーを選ぶのが最も確実で快適です。
WordPress適性ランキング表
| 順位 | サーバー名 | 特徴・強み | 弱み・注意点 | WordPress適性 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | ConoHa WING(コノハ) | 高速表示・国内最速級、WordPress簡単セットアップ、独自ドメイン永久無料、初心者〜上級者まで幅広く対応 | 料金はやや高め | ◎ 非常に適している |
| 2位 | KAGOYA(カゴヤ) | WordPress専用サーバー「KUSANAGI」搭載で超高速、法人利用率高く安定性抜群、セキュリティ強化 | 個人利用にはややオーバースペック、料金は中〜高 | ◎ 高速・安定志向に最適 |
| 3位 | さくらレンタルサーバー | 老舗で信頼性高い、料金安め、安定稼働、サポート充実 | 表示速度はConoHaやKAGOYAに劣る | ○ 安定志向に適している |
| 4位 | LOLIPOP(ロリポップ) | 初心者向け、料金安い、WordPress簡単インストール、利用者が多く情報豊富 | 高負荷サイトには不向き、速度は中程度 | △ 個人ブログや小規模サイト向け |
| 5位 | リトルサーバー | 月額150円〜と圧倒的低価格、WordPress全プラン対応、無料SSL・自動バックアップあり | 容量・転送量が小規模向け、サポートはメール中心で即応性に不安 | △ 趣味ブログや学習用に最適 |
解説
- ConoHa WINGは「速さ・使いやすさ・機能」のバランスが最も良く、WordPress利用者に人気。
- KAGOYAは法人やビジネスサイトに強く、KUSANAGIによる超高速化が魅力。速度重視なら最適。
- さくらレンタルサーバは老舗で安心感があり、安定性重視の人におすすめ。
- LOLIPOPは初心者向けで安価だが、速度や高負荷対応は弱め。
- リトルサーバーは「とにかく安くWordPressを始めたい人」向け。小規模サイトや学習用に良いが、商用や大規模には不向き。
WordPressテーマ目的別比較表
WordPressテーマを選ぶにはデザインだけでなく、汎用性、アップデートの継続性、サポート体制、そして表示速度やSEO対策の強さといった要素を総合的に考慮することが重要です。目的にあった長く安心して使えるテーマを選ぶようにしたいものです。そこで、目的別に整理したWordPressテーマ比較表を以下にまとめました。 各テーマの特徴や利用目的を簡潔に比較できるようにしています。
| テーマ名 | 主な目的・特徴 | 適した用途 |
|---|---|---|
| RE:DIVER(リダイバー) | 高速表示・SEO最適化に強い。アフィリエイトや収益化を意識した設計。 | アフィリエイトブログ、収益化重視の個人ブログ |
| GOLD BLOG(ゴールドブログ) | ブログ運営に特化。シンプルで使いやすく、初心者でも扱いやすい。 | 個人ブログ、情報発信サイト |
| THE THOR(ザ・トール) | SEO・デザイン・収益化機能を網羅したオールインワンテーマ。広告管理やランキング機能も搭載。 | アフィリエイト、企業サイト、収益化ブログ |
| Emanon(エマノン) | ビジネス向けデザイン。企業サイトやサービス紹介に適したテーマ。 | コーポレートサイト、サービス紹介ページ |
| LIQUID PRESS(リキッドプレス) | WordPress公式登録の国産テーマ。企業サイトからブログまで幅広く対応。初心者でも安心。 | 企業サイト、オウンドメディア、ブログ、LP |
| STORK SE(ストークSE) | モバイルファースト設計。1カラムデザインでコンテンツを際立たせる。直感的操作が可能。 | ブログ、アフィリエイト、ブランディングサイト |
| GOLD MEDIA(ゴールドメディア) | メディア運営に特化。SEO内部構造が強力で、収益化や効率的な運営を支援。 | WEBメディア、アフィリエイトサイト、企業サイト |
補足ポイント
- 収益化重視なら「RE:DIVER」「THE THOR」「GOLD MEDIA」が強力。
- 初心者向けブログなら「GOLD BLOG」「STORK SE」が扱いやすい。
- 企業サイト・ビジネス用途なら「Emanon」「LIQUID PRESS」が安心。
- メディア運営に特化したい場合は「GOLD MEDIA」が最適。
こうして見ると、「ブログ中心」か「企業サイト中心」か「収益化・メディア運営中心」かで選ぶテーマが大きく変わります。 あなたが作りたいサイトはどのタイプに近いですか?






