WordPressブロックエディタのレスポンシブ対応カラムデザインの使い方
レスポンシブ対応カラムデザイン
CSSをカスタマイズしなくてもカラムデザインが簡単にできます。ページを 2 ~ 3列に分割して、それぞれに画像や文章でデザインしたいことがあります。tableを使ったデザインは比較的容易に作ることができますが、レスポンシブに対応させるには知識も要求されます。テーマによってはカラムデザインのCSSが用意されている場合がありますが、スタイルシートのカスタマイズが必要な場合もあります。 Gutenberg にはデフォルトでカラムデザインが装備されているのでこちらを利用すれば簡単に記事を書きあげることができます。
カラムを利用するには、ブロックの選択から、デザインカラムを選択します。
続いて分割する割合を指定します。指定できる割合は 50% :50% , 30%:70% ,70%:30% , 33%:33%:33% , 25%:50%:25% になっています。
各カラムには、画像や文章を埋め込んでいくことができます。注意点はショートコードなどで、横幅を指定しているものがあるとレイアウトが崩れることもあります。ブラウザの世幅を最小にして確認するかスマートフォン等で表示の確認はしておくべきです。
カラムデザインの使い方
WordPressのカラムデザインは、主にコンテンツを横並びに配置して、視覚的に整理し、情報に優先順位をつけたり、デザインのバリエーションを持たせたい時に使います。
具体的には、以下のような状況でカラムデザインが役立ちます。
1. コンテンツの横並び
テキスト、画像、ボタンなどのブロックを横に並べて表示したい場合に必須です。
- 画像とテキストの対比: 左に画像、右にその説明文を配置して、視覚的に分かりやすくする。
- 特徴・メリットの紹介: 商品やサービスの特徴を2列、3列、またはそれ以上に分けて横並びにし、それぞれの項目を簡潔に紹介する。
- ボタンの横並び: CTA(Call to Action)などのボタンを複数、横に並べて配置する。
- メニュー・料金表の作成: 飲食店などのメニューや料金プランを、項目ごとに整理して並べる。
2. ページレイアウトの構造化
ページ全体のレイアウトを決め、情報に優先順位をつけたい時に利用されます。
- 2カラム:
- ブログ記事: メインコンテンツ(記事本文)と、サイドバー(カテゴリー、人気記事、プロフィール、広告など)を分けて配置する。情報量が多いサイトや、サイト内を回遊させたい場合に有効です。
- 1カラム:
- ランディングページ(LP)やセールスページ: 余計な情報を排除し、ユーザーにメインコンテンツに集中してもらい、特定の行動(購入、問い合わせなど)を促したい場合。
- ポートフォリオサイト: 写真や動画などのビジュアルを最大限に大きく見せたい場合。
3. レスポンシブデザインへの対応
多くのカラムブロックはレスポンシブ対応しており、PCで横並びにしたコンテンツを、スマートフォンでは自動的に縦並びに切り替えてくれます。これにより、デバイスごとに最適な表示を実現できます。
補足:WordPressの「カラムブロック」について
WordPressのブロックエディタ(Gutenberg)では「カラムブロック」として実装されています。このブロックを使うと、コーディングの知識がなくても、直感的な操作で簡単に横並びのレイアウトを作成・調整できます。
主な設定機能:
- カラム数: 1〜6列まで設定可能(テーマやデザインによる)。
- カラム幅: 各列の幅を自由に(例: 50/50、30/70など)設定できる。
- モバイル表示: スマホで縦並びにするか、横並びを維持するかを設定できる(テーマ
メリットとデメリット
WordPressのカラムデザインのメリット
メリット | 説明 |
視覚的な整理と構造化 | コンテンツを複数の列に分けることで、情報が整理され、ユーザーにとって読みやすくなります。コンテンツのブロック化が進み、特定の情報を素早く見つけやすくなります。 |
レスポンシブデザインへの適応 | 多くのカラム機能は、画面サイズに応じてカラムの並び順や数を自動で調整(例: PCでは2列、スマホでは1列)する機能を持っており、モバイルフレンドリーなデザインを容易に実現できます。 |
デザインの多様性 | テキスト、画像、ボタンなどの要素を横並びに配置できるため、雑誌や新聞のようなレイアウトが可能になり、単調な縦スクロールのページに比べて魅力的なデザインを作成できます。 |
視線の誘導 | カラムを工夫して使うことで、ユーザーの視線を意図した方向へ誘導し、重要な情報やCTA(行動喚起)ボタンに注目を集めることができます。 |
スペースの有効活用 | 特にデスクトップ画面など、幅の広いスペースを有効に活用して、情報密度を上げつつ見やすく配置できます。 |
WordPressのカラムデザインのデメリット
デメリット | 説明 |
レイアウト崩れのリスク | 特に複雑な設定や、使用しているテーマ・プラグインとの相性が悪い場合、異なるデバイスや画面サイズで意図しないレイアウト崩れ(例: 要素が重なる、カラム幅が不均一になる)が発生することがあります。 |
読みにくさの発生 | カラムを多くしすぎたり、一つのカラム内のテキスト量が多すぎたりすると、視線の移動が頻繁になり、かえって読みにくくなることがあります。また、テキストカラムの幅が狭すぎると可読性が低下します。 |
編集の複雑さ | ブロックエディタ(Gutenberg)の「カラム」ブロックや、ページビルダー系のプラグイン(例: Elementor, Divi)でカラムを扱う際、ネスト(入れ子)が深くなると、初心者にとって編集構造が複雑で管理しにくくなることがあります。 |
ロード時間の増加 | ページビルダープラグインなどで複雑なカラム構造を作成すると、その構造をレンダリングするためのCSSやJavaScriptのコードが増加し、ページのロード時間がわずかに長くなる可能性があります。 |
コンテンツの優先順位のあいまいさ | すべての要素を横並びにしてしまうと、どれが一番重要な情報なのかがユーザーに伝わりにくくなる可能性があります。 |
Gutenberg のメリットとデメリット
「Gutenberg」は従来の「Classic Editor」から切り替えられるとアナウンスされ、公式サイトでは以下のようにコメントされています。「Classic Editor は公式な WordPress プラグインであり、少なくとも2022年まで、または必要なくなるまでの間、完全にサポート・保守されます。」
サポート終了が近くなっていますが、「Gutenberg」への移行率が低くしばらくは「Classic Editor」も利用できそうです。
メリット | デメリット |
---|---|
ブロックの種類が多い、カラムを分割することができる、ギャラリーやボタン、ウイジェットなども挿入できる。高度なデザインのページ編集ができる | 高度なデザインの記事を作るには便利ですが、高機能なことで操作が難しく感じられる |
コンテンツの色やサイズを細かく設定できる | ブロックの生成作業が面倒、記事を書き進めるたびにブロックを選択して生成する手間が発生する |
ブロックごとに簡単にコピーしたり入れ替えたりできる | クラッシックブロックがビジュアルエディタにしか対応していない |
Gutenberg への移行
「Gutenberg」はいづれWordPressのデフォルトエディタになることは間違いないでしょう。当初の予定では2021年12月31日で「Classic Editor」のサポートを終了するはずでした。しかし、その後思ったほど「Gutenberg」の使用率が高くないため、2022年以降、必要ならばサポート保守される方針に変更されました。
WordPress導入時から「Gutenberg」を利用しているサイトは問題ありませんが、「Classic Editor」でサイトを構築している場合はそれなりに準備をされることが推奨されます。エディタを切り替えることで表示されない等はありませんが、編集に戸惑ってしまう、編集に関するプラグインが利用できないといったことは発生します。(「Add Quick Tag」は機能しなくなります。)この際徐々に変更されるのがお勧めかもしれません。
WordPressのブロックエディタ(Gutenberg)は直感的に編集できる優れたエディタですが、記事を装飾したり、レイアウトデザインをしたいときには少し戸惑うこともあるかもしれません。編集機能がサポートされているテーマを利用すと悩みを解決できるかも。凝ったデザインや複雑なレイアウトを提供してくれる業者やフリーターを探すサービスも利用価値があるのでは?
AIがWordPressに与える影響
AI(人工知能)は、WordPressのウェブサイト管理、コンテンツ制作、ユーザーエクスペリエンスなど、多岐にわたる領域で革新的な影響を与えています。効率性が大幅に向上し、より洗練されたウェブサイト構築が可能になっています。
コンテンツ作成と管理の効率化
AIは、WordPressサイトにおけるコンテンツの生成と管理を劇的に効率化します。
- コンテンツ生成の自動化: AIライティングツールがキーワードやトピックに基づいて、ブログ記事の草稿、見出し、メタディスクリプションなどを数分で生成します。これにより、コンテンツ作成にかかる時間を大幅に削減できます。
- SEOの最適化: AIがリアルタイムの分析に基づき、検索エンジン最適化(SEO)のための改善案(キーワード、タイトル、コンテンツ構造など)を提案・自動適用することで、SEO戦略の精度を高めます。
- メディア管理: 画像認識技術を持つAIが、メディアファイルの分類、タグ付け、代替テキスト(alt属性)の生成を自動化し、アクセシビリティとSEOを向上させます。
ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上
AIの統合により、訪問者に対してよりパーソナライズされた体験を提供できるようになります。
- パーソナライズされたコンテンツ: AIがユーザーの行動や好みを学習し、個々の訪問者に合わせたコンテンツや製品の推奨を表示することで、エンゲージメントの向上やサイト滞在時間の増加に貢献します。
- チャットボットとサポート: AI搭載のチャットボットがサイトに統合され、ユーザーの問い合わせに即座に回答したり、サイト内のナビゲーションをサポートしたりすることで、カスタマーサポートの自動化と応答時間の短縮を実現します。
- 予測検索: 予測検索機能により、ユーザーがクエリを入力している途中で関連性の高い候補を自動で表示し、利便性を高めます。
ウェブサイト構築と管理の自動化
WordPressサイトの設計、構築、メンテナンスといった定型的な作業をAIがサポートします。
- AIビルダー: AIがユーザーの目的や要望に基づいてデザインを提案し、コンテンツブロックを配置するなど、ウェブサイトの自動構築を支援します。コーディング知識がない人でも、魅力的なサイトを迅速に制作できるようになります。
- パフォーマンス最適化: トラフィックの急増時に動的なリソース割り当てを行ったり、データベースクエリを最適化したりすることで、AIがサイトの速度低下やクラッシュを防ぎ、安定したパフォーマンスを維持します。
- セキュリティと監視: AIは不審なトラフィックを検知したり、セキュリティリスクを早期に特定したりすることで、ウェブサイトの安全性を高めます。
AIはWordPressにおける「より速く物事を行う」ためのツールに留まらず、「より優れたウェブサイト」と「より包括的なデジタルエクスペリエンス」を構築するための中心的なパートナーとなりつつあります。
AIの時代に有料wordpressテーマを選ぶ必要があるのか
AIの時代になっても、有料WordPressテーマを選ぶ必要性は依然としてありますが、その理由や選択肢は変化しています。
AI技術、特にAIサイトビルダーの登場により、デザインの提案や基本的なサイト構築は以前よりも容易になりました。しかし、有料テーマが提供する高度な機能、専門的なサポート、そして洗練されたデザインの品質は、多くのユーザーにとって引き続き大きな価値を持ちます。
1. 高度な機能とカスタマイズ性
無料テーマでは実現が難しい、複雑な機能や特定の用途に特化した機能(例:高度なSEO対策、会員サイト機能、多機能なECサイト構築、特定の業界向けレイアウト)が組み込まれていることが多いです。
2. プロフェッショナルなデザイン品質と独自性
AIが生成するデザインは便利ですが、既製の有料テーマはプロのデザイナーによって洗練されたUI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザー体験)に基づいて設計されています。多くのサイトとの差別化を図り、ブランドイメージを確立する上で、質の高いデザインは重要です。
3. 専門的なサポートと継続的なアップデート
有料テーマの最大の利点の一つは、開発元による専門的なサポートを受けられる点です。トラブル発生時の対応や、WordPress本体のアップデート、セキュリティの脆弱性への対応など、継続的なメンテナンスと機能改善が保証されます。これはサイト運営の安定性にとって非常に重要です。
4. 速度(パフォーマンス)とSEO最適化
質の高い有料テーマの多くは、高速表示やSEO(検索エンジン最適化)に最適化されており、サイトのパフォーマンス向上に直結します。AIビルダーによるコード生成は、現時点ではテーマ開発者が最適化したコードに劣る場合があります。
AI時代における無料テーマ・AIビルダーの立ち位置
AIの進化は、特に以下の点で有料テーマの「必要性」を相対的に下げています。
1. 基本的なサイト構築の簡略化
AIサイトビルダー(例:SeedProd AI、10Webなど)を利用すれば、デザインの知識がなくても、質問に答えるだけで基本的なWebサイトのプロトタイプを迅速に生成できます。個人ブログやシンプルなコーポレートサイトであれば、無料テーマやAIビルダーで十分なケースが増えています。
2. コンテンツ生成とパーツデザインの効率化
AIは、テーマ全体ではなく、コンテンツ(文章、画像)の生成や、既存のテーマ内での特定のブロックやセクションのデザイン提案(例:Elementor AI、Divi AIなどのページビルダープラグインのAI機能)を支援し、サイト制作の効率を高めています。
結論:選択のポイント
AIの時代において有料テーマを選ぶかどうかは、サイトの目的と要求される品質・機能によって決まります。
選択肢 | 適しているケース |
有料WordPressテーマ | 収益性の高いビジネスサイト、ECサイト、高いブランドイメージを求める場合。専門的な機能や高度なカスタマイズが必要な場合。安定したサポートと継続的なアップデートを重視する場合。 |
無料テーマ / AIビルダー | 予算を抑えたい個人ブログや小規模サイト。デザインや機能に複雑さを求めず、最低限のWebプレゼンスがあればよい場合。サイト構築のスピードを最優先する場合。 |
AIは強力なツールですが、高度な設計、専門的な機能、信頼性のあるサポートは、現在のところ、高品質な有料テーマが提供する主要な価値であり続けています。
テーマ名 | 主な特徴・強み | 適したサイト |
ザ・トール (THE THOR) | 国内最高クラスのSEO最適化と高速表示 プロ仕様の美しいデザインを簡単に実現(着せ替え機能あり) アフィリエイトに役立つランキング作成機能やCTAが充実<記事装飾機能が豊富で、読みやすいコンテンツ作成を支援 | アフィリエイトブログ、本格的なメディアサイト、集客を重視するビジネスサイト |
エマノン (Emanon) | Web集客・ビジネス利用に特化した機能が豊富 CTA(行動喚起)、LP(ランディングページ)、メルマガ専用ページなどを簡単に作成 企業サイト、オウンドメディアに適したデザイン WooCommerce対応でネットショップにも利用可能(Premium) | コーポレートサイト、企業ブログ、オウンドメディア、リード獲得を目的としたビジネスサイト |
ストークSE (STORK SE) | 「誰が使っても美しいデザイン」を追求したモバイルファースト設計 シングルカラム(1カラム)レイアウトに特化し、コンテンツへの集中度が高い ブロックエディタに最適化され、直感的な操作が可能 シンプルかつ洗練されたデザインで、汎用性が高い | 商品・サービスのブランディングサイト、ミニマルな企業サイト、シンプルで美しいブログ |
リキッドプレス (LIQUID PRESS) | 用途別に豊富なテーマ(マガジン、コーポレートなど)が用意されている 高いSEO対策と構造化データ対応 多言語対応機能(LIQUID CORPORATEなど) カスタマイザーでの直感的な編集が可能 | メディアサイト(ブログ)、多言語対応が必要な企業サイト、目的に合わせたテーマを選びたいサイト |
補足情報
- ザ・トール: SEOと収益化を最重視する設計で、アフィリエイターやブロガーに人気が高いテーマです。
- エマノン: 特にBtoBやサービス業など、Webからの顧客獲得(リードジェネレーション)を重視するビジネスサイト構築に適しています。
- ストークSE: モバイルでの見やすさに徹底的にこだわり、余計な装飾を排したデザインが特徴です。商品の魅力を際立たせたいサイトにも向いています。
- リキッドプレス: 豊富なラインナップの中から目的特化型のテーマを選べるのが大きなメリットです。例えば、ニュースサイトならLIQUID MAGAZINE、企業サイトならLIQUID CORPORATEなどがあります。