Twenty Twenty-Threeは多様なスタイルバリエーションのデフォルトテーマ
Twenty Twenty-Threeとは
WordPressテーマ Twenty Twenty-Threeは、WordPress 6.1で導入されたデフォルトテーマです。
主な特徴は以下の通りです。
- ブロックテーマであること: Twenty Twenty-Twoと同様にブロックテーマであり、WordPress 5.9から導入された「フルサイト編集 (FSE)」を最大限に活用できるように設計されています。これにより、PHPの知識がなくても、サイト全体のデザインやレイアウトをビジュアルエディターで直感的に編集できます。
- ミニマルなデザイン: クリーンでまっさらなベースデザインが特徴で、シンプルさを重視しています。これにより、ユーザーは自由にカスタマイズできる余地が大きいです。
- 多様なスタイルバリエーション: WordPressコミュニティのメンバーによって作成された10種類以上のスタイルバリエーションが同梱されています。これにより、色やフォントの組み合わせを簡単に変更し、サイトの雰囲気を瞬時に切り替えることができます。
- フルサイト編集との連携強化: サイトエディターから、テンプレートやテンプレートパーツの編集、グローバルスタイルの管理、レイアウト調整など、サイトのあらゆる部分を細かく設定できます。
- フルーイドタイポグラフィとフルーイドスペーシング: WordPress 6.1で導入されたこれらの機能に対応しており、テキストやブロック間の間隔が画面サイズに合わせて自動的に調整されるため、どのデバイスでも見やすい表示を実現します。
- アクセシビリティ対応: アクセシビリティを考慮して設計されており、より多くのユーザーが利用しやすいテーマとなっています。
Twenty Twenty-Threeは、複雑なサイトからシンプルなブログまで、幅広い用途に対応できる柔軟性とカスタマイズ性を備えたテーマと言えます。特に、WordPressの新しい編集機能であるフルサイト編集を学びたいユーザーにとっては、最適なテーマの一つです。
Twenty Twenty-Threeの使い方
WordPressのTwenty Twenty-Threeテーマは、フルサイト編集(FSE)の機能を最大限に活用するために設計されたブロックテーマです。これまでのWordPressテーマとは異なり、カスタマイザーではなくサイトエディター(「外観」→「エディター」)を使ってサイト全体のデザインをカスタマイズするのが特徴です。
ここでは、Twenty Twenty-Threeテーマの基本的な使い方とカスタマイズのポイントを説明します。
Twenty Twenty-Threeテーマの導入と有効化
- Twenty Twenty-Threeテーマをダウンロード: WordPress.orgから無料でダウンロードできます。
- WordPressにインストール:
- WordPressの管理画面にログインします。
- 「外観」→「テーマ」を選択します。
- 画面上部の「新規追加」ボタンをクリックし、ダウンロードしたTwenty Twenty-Threeテーマのzipファイルをアップロードします。
- テーマを有効化: アップロードが完了したら、「有効化」ボタンをクリックしてTwenty Twenty-Threeテーマを有効にします。
Twenty Twenty-Threeテーマの主な特徴と使い方
Twenty Twenty-Threeは、WordPress 6.1で導入された新しいデザインツールを最大限に活用するように設計されています。
- サイトエディター(フルサイト編集):
- Twenty Twenty-Threeを有効にすると、「外観」メニューに「エディター」が表示されます。ここからサイト全体のデザインを編集します。
- ヘッダー、フッター、固定ページ、投稿などのレイアウトをブロックを使って自由に編集できます。
- 従来のカスタマイザー(追加CSSなど)は表示されませんが、URLを直接入力したり、プラグインを使ったりすることで利用できる場合もあります。
theme.jsonファイルによってテーマのカスタマイズ機能が定義されており、色、タイポグラフィ、レイアウトなどを設定できます。
- スタイルバリエーション:
- Twenty Twenty-Threeには、デフォルトで10種類のスタイルバリエーションが用意されています。
- サイトエディターの「スタイル」パネルで、サイト全体の配色、タイポグラフィ、レイアウトなどを瞬時に変更できます。
- 既存のスタイルを元に、さらに独自のスタイルバリエーションを作成することも可能です。これは、「Create Block Theme」プラグインを使うか、手動で
.jsonファイルを作成することで行えます。
- テンプレートとテンプレートパーツ:
- Twenty Twenty-Threeには、投稿や固定ページで使用できる複数のテンプレート(例:空白、ブログ代替など)が含まれています。
- サイトエディターでこれらのテンプレートやテンプレートパーツ(ヘッダー、フッターなど)を編集・管理できます。
- パターン:
- 事前にデザインされたブロックのコレクションである「パターン」を活用することで、クリエイティブなレイアウトを素早く作成できます。
- Call to action、Default Footer、Post Metaなどのパターンが用意されています。
- 子テーマの利用:
- テーマファイルを直接編集すると、テーマのアップデートで変更が上書きされてしまう可能性があります。
- Twenty Twenty-Threeをカスタマイズする際は、子テーマを作成して変更を加えることが推奨されます。
- 子テーマを作成するには、「Create Block Theme」プラグインを使用するか、手動で
style.cssやfunctions.phpファイルを作成し、親テーマを指定します。
- タイポグラフィと間隔:
- Twenty Twenty-Threeは、流動的なタイポグラフィと間隔のプリセットをサポートしており、画面サイズに合わせてテキストやブロック間の間隔が自動的に調整されます。
カスタマイズのヒント
- サイトエディターを探索する: Twenty Twenty-Threeのカスタマイズのほとんどはサイトエディターで行われます。まずはここで様々な設定を試してみましょう。
- 「スタイル」パネルを活用する: サイト全体の見た目を手軽に変えたい場合は、スタイルバリエーションを試したり、色やフォントを調整したりしてみてください。
- ブロックとパターンの組み合わせ: 既存のブロックやパターンを組み合わせて、独自のレイアウトを作成してみましょう。
- 子テーマの作成: 大幅なカスタマイズを行う場合は、必ず子テーマを作成し、親テーマのファイルではなく子テーマのファイルを編集するようにしましょう。
- 公式ドキュメントやチュートリアルを参照する: WordPress.orgの公式ドキュメントや、YouTubeなどで提供されているTwenty Twenty-Threeのチュートリアル動画も参考にすると良いでしょう。
Twenty Twenty-Threeは、ブロックエディターとフルサイト編集の機能を最大限に引き出すためのテーマであり、これまでのテーマとは異なるアプローチが必要です。慣れるまでに少し時間がかかるかもしれませんが、慣れればより自由にサイトデザインをコントロールできるようになります。
Twenty Twenty-Threeの注意点
2025年6月現在、WordPressのデフォルトテーマであるTwenty Twenty-Three(TT3)は、ブロックエディタ(Gutenberg)とフルサイト編集(FSE)に完全に最適化されたテーマであり、その点が最大の「注意点」であり「特徴」と言えます。
具体的には、以下の点が挙げられます。
1. フルサイト編集(FSE)への完全な移行
- HTML/CSSの直接編集の機会の減少: 従来のテーマでは、
header.phpやfooter.phpなどのテンプレートファイルを直接編集したり、style.cssにカスタムCSSを記述することが一般的でした。しかし、TT3はフルサイト編集を前提としているため、サイトのレイアウトやスタイルに関するほとんどの調整は、サイトエディタ(「外観」>「エディター」)内で行うことになります。 - ブロックとパターンへの理解が必要: サイトの構造は、ブロックとパターン(ブロックの集合体)で構築されます。これらの概念を理解し、サイトエディタを使いこなすことが必須となります。従来のウィジェットやカスタマイザーといった概念は、FSEでは異なる形で統合されています。
- テーマファイルのカスタマイズの難しさ: PHPやCSSを直接編集してテーマをカスタマイズすることに慣れている開発者にとっては、FSEの概念に慣れるまで戸惑うかもしれません。functions.phpへのコード追加などは可能ですが、表示に関する部分はFSEで完結する設計になっています。
2. デザインの柔軟性と学習曲線
- 無限のカスタマイズ性(ただし学習が必要): FSEは、デザインの自由度が非常に高く、従来のテーマでは難しかったような複雑なレイアウトも、ブロックとパターンを組み合わせることで実現できます。しかし、その分、ブロックの持つ機能や設定、パターンテンプレートの構造などを理解し、使いこなすための学習時間が必要です。
- 「空白」からのスタート: TT3は非常にミニマルなデザインで、余計な装飾がありません。これは、ユーザーがゼロから自由にデザインを構築できるというメリットがある一方で、デザインの方向性が定まっていないと、どこから手をつけて良いか戸惑う可能性もあります。
3. プラグインとの相性
- FSE対応プラグインの選択: まだ全てのプラグインがFSEに完全に対応しているわけではありません。特に、従来型のカスタマイザーやウィジェットに依存するプラグインを使用する際は、FSE環境での動作を確認する必要があります。
- 「Classic Editor」プラグインの使用について: もしFSEに慣れない場合でも、「Classic Editor」プラグインを導入すれば、投稿や固定ページに関しては従来の編集画面に戻すことは可能です。ただし、サイト全体のデザインはFSEで管理されるため、このプラグインは部分的な解決策にしかなりません。
4. 既存サイトからの移行
- 大規模な改修が必要な場合も: 既存のWordPressサイトからTT3にテーマを変更する場合、特にテーマに依存したショートコードやカスタムCSS、特定のプラグインを使用している場合は、サイトエディタでの再構築や調整が必要になることが多く、大規模な改修となる可能性があります。テスト環境での十分な検証をお勧めします。
まとめ
WordPress Twenty Twenty-Threeは、WordPressの未来を象徴するテーマであり、フルサイト編集の可能性を最大限に引き出すように設計されています。
- メリット: 自由なデザイン、高いカスタマイズ性、将来性
- 注意点: ブロックエディタとフルサイト編集の理解が必要、学習曲線、既存サイトからの移行時の考慮事項
これからWordPressを始める方や、フルサイト編集を積極的に学びたい方には非常に良いテーマですが、従来のWordPressテーマに慣れている方や、既存サイトを安易に移行しようとする場合は、上記の注意点を十分に理解し、計画的に取り組むことが重要です。
口コミ・評判
WordPressの公式テーマ「Twenty Twenty-Three」は、WordPressの最新機能であるフルサイト編集に特化した、シンプルで柔軟性の高いテーマとして評価されています。
以下に主な口コミや特徴をまとめました。
良い点
- フルサイト編集に特化: ブロックエディタのみでサイト全体のデザインやレイアウトを自由にカスタマイズできるため、HTMLやCSSの知識がなくても直感的にサイトを構築できます。
- シンプルで軽量: 余分な機能がないため、読み込み速度が速く、快適な閲覧環境を提供します。ベースとなるデザインがシンプルなので、自分の好みに合わせてデザインしやすいです。
- 「クエリーループブロック」が便利: プラグインなしで記事の絞り込み(カテゴリ、タグ、検索キーワードなど)ができるため、ブログやメディアサイトの作成が簡単になります。
- カスタマイズ性が高い: 複数のスタイルバリエーションが用意されており、手軽にデザインの雰囲気を変えられます。また、独自の
functions.phpファイルを追加してカスタマイズすることも可能です。
気になる点
- カスタマイズに慣れが必要: 従来のテーマとは異なり、
functions.phpやテンプレートファイルなどのPHPコードを編集する機会が減るため、従来のWordPressに慣れている人にとっては戸惑うかもしれません。 - デザインの自由度: ゼロから独自のデザインを作り込むには、ブロックエディタの機能を深く理解する必要があります。
まとめ
Twenty Twenty-Threeは、WordPressの新しい編集体験であるフルサイト編集を試したい人や、シンプルなブログ、ポートフォリオサイトなどをコードを書かずに作りたい人に特に向いています。
一方、従来のテーマのようにPHPファイルを直接編集して細かくカスタマイズしたい人や、複雑な機能を追加したい人には、少し物足りなく感じるかもしれません。
WordPressの最新機能を体験する上で、非常に良いテーマなので、一度試してみる価値はあります。
公式テーマや無料テーマのデメリット

WordPressの公式テーマや無料テーマには、いくつかのデメリットがあります。主な点をまとめると以下のようになります。
無料テーマ(公式ディレクトリ含む)の主なデメリット
- 機能性やカスタマイズ性の制限
- 有料テーマに比べて、提供される機能やデザインオプションが限られていることが多く、理想とするウェブサイトを構築するために追加の作業やコーディング知識が必要になる場合があります。
- デザインのユニークさに欠ける:多くの人が利用するため、他のサイトとデザインが似通ってしまう可能性があります。
- サポート体制の不足
- 公式なサポートデスクがない:問題が発生した場合、テーマ開発者からの直接的なサポートは期待できません。公式フォーラムやコミュニティなどの情報に頼る必要があります。
- アップデートの頻度と保証
- アップデートが不定期または停止するリスク:開発者のモチベーションやリソースに依存するため、テーマの更新が途絶えがちになることがあります。
- セキュリティリスク:アップデートがされないテーマは、WordPress本体やプラグインの新しいバージョンとの互換性問題や、セキュリティの脆弱性が放置されるリスクがあります。
- 全体の完成度や細かい設定の自由度
- デザインの細かい部分(例:コメント欄、SNSボタンのオン・オフなど)を自由に設定できないなど、痒いところに手が届かないことがあります。
- 著作権表示や広告
- テーマによっては、フッターなどに開発者や提供サービスの著作権表示(クレジット)が消せない、または削除が有料となっている場合があります。
公式テーマ(無料で提供されているもの)に関する追加の留意点
公式テーマはWordPressの基準を満たしており、一定の品質やセキュリティは保たれていますが、無料テーマ全般のデメリットに加え、以下の点も考慮されることがあります。
- デザインがシンプルで汎用性が高い:多くの公式テーマは、ユーザーが自由にカスタマイズできることを前提に、あえてシンプルな設計になっています。そのため、そのままではデザイン面で物足りなさを感じる場合があります。
- 海外製が多く日本語情報が少ない:公式ディレクトリには海外製のテーマも多く、日本語に対応していない、または利用情報が少ない場合があります。
まとめ
特に企業サイトや収益化を目指すサイトなど、高い機能性、デザイン性、セキュリティ、手厚いサポートが必要な場合は、有料テーマの検討も視野に入れることが推奨されます。
一方、個人的なブログや小規模なサイトであれば、公式テーマや信頼できる無料テーマでも十分に運用可能です。ただし、その場合、カスタマイズやトラブル解決に必要な知識は自分で調達する必要があります。
WordPressの公式テーマ(無料)と有料テーマを比較すると、主に費用、機能・カスタマイズ性、サポート、デザインなどの点で違いがあります。
以下に主な比較ポイントをまとめます。
| あなたの状況 | 推奨されるテーマ |
| 予算をかけたくない、個人ブログ、シンプルなサイトで十分、自分でカスタマイズできる知識がある | 公式テーマ(無料) |
| ビジネスサイトや本格的なサイトを構築したい、デザインの独自性を出したい、豊富な機能やカスタマイズ性が欲しい、初心者でサポートが必要、時間と労力を節約したい | 有料テーマ |
最終的には、あなたのサイトの目的、予算、求める機能、そしてウェブサイト構築のスキルレベルに応じて、最適なテーマを選択することが重要です。有料テーマを選ぶ場合は、評判やサポート体制、アップデートの頻度をしっかり確認することをお勧めします。
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補足情報
- ザ・トール: SEOと収益化を最重視する設計で、アフィリエイターやブロガーに人気が高いテーマです。
- エマノン: 特にBtoBやサービス業など、Webからの顧客獲得(リードジェネレーション)を重視するビジネスサイト構築に適しています。
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- リキッドプレス: 豊富なラインナップの中から目的特化型のテーマを選べるのが大きなメリットです。例えば、ニュースサイトならLIQUID MAGAZINE、企業サイトならLIQUID CORPORATEなどがあります。




