WordPressデフォルトテーマ
デフォルトテーマとは
WordPressのデフォルトテーマとは、WordPressをインストールした直後に自動的に設定されているテーマのことです。初めてWordPressをインストールすると同時にインストールされるテーマといった方がわかりやすいかもしれません。利用しないこともあって削除されることも多いかもしれません。しかしながら、デフォルトテーマを削除してしまうと、サイトヘルス上に注意が促されてしまいます。これは利用中のテーマにトラブルがあったとき自動的にデフォルトテーマに切り替えるためのもです。
主な特徴として以下のような点が挙げられます。
- 標準搭載: WordPress本体に最初から含まれています。
- バージョンごとに異なる: WordPressのバージョンが新しくなるにつれて、新しいデフォルトテーマが登場します。例えば、現在の最新バージョン(2025年5月現在)では、「Twenty Twenty-Four」がデフォルトテーマとなっています。
- シンプルなデザイン: 一般的に、デフォルトテーマはシンプルで基本的なデザインになっています。これは、ユーザーが自分の好みに合わせてカスタマイズしたり、別のテーマを導入したりする際のベースとなるためです。
- フォールバック機能: 現在使用しているテーマに問題が発生した場合、WordPressは自動的にデフォルトテーマに切り替わる仕組みがあります。これにより、ウェブサイトが完全に表示されなくなるのを防ぐ役割があります。
デフォルトテーマの役割
- インストール直後の表示: WordPressをインストールしてすぐにウェブサイトが表示されるようにするため。
- カスタマイズのベース: ユーザーが自分のサイトのデザインを構築していく上での出発点となる。
- 問題発生時のバックアップ: 使用中のテーマに不具合があった際の代替として機能する。
通常、多くのユーザーは自分のウェブサイトに合わせて別のテーマをインストールして利用しますが、デフォルトテーマも重要な役割を担っています。
デフォルトテーマのメリット
WordPressのデフォルトテーマには、以下のような多くのメリットがあります。
1. 信頼性と安定性:
- WordPress本体との互換性: WordPressのデフォルトテーマは、WordPressの開発チームによって作成され、テストされています。そのため、常に最新のWordPressバージョンとの互換性が保証されており、予期せぬ不具合やエラーが発生するリスクが低いです。
- セキュリティ: デフォルトテーマは、WordPressのセキュリティ基準に厳密に従って開発されています。定期的にセキュリティチェックが行われ、脆弱性が見つかれば迅速に修正されるため、安心して利用できます。
2. シンプルで軽量:
- 高速な読み込み速度: デフォルトテーマは、余分な機能やスクリプトを極力排除し、シンプルに設計されています。そのため、ページの読み込み速度が速く、ユーザーエクスペリエンスの向上やSEOに有利です。
- クリーンなコード: 余計なコードが含まれていないため、カスタマイズがしやすく、Webサイトのパフォーマンスを損なう心配がありません。
3. 学習教材としての価値:
- WordPressの仕組みを学ぶのに最適: デフォルトテーマのコードは、WordPressのテーマ開発のベストプラクティスに従って書かれています。そのため、WordPressのテンプレート階層、関数、フックなどの仕組みを学ぶための優れた教材となります。
- カスタマイズの練習に最適: デフォルトテーマをベースにカスタマイズを試すことで、WordPressのテーマ開発のスキルを習得することができます。
4. アクセシビリティ:
- ウェブアクセシビリティの基準を満たしている: デフォルトテーマは、WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)などのウェブアクセシビリティの基準を満たすように設計されています。これにより、視覚障害者や身体的なハンディキャップを持つ人々を含む、より多くのユーザーがWebサイトにアクセスできるようになります。
5. 将来性:
- 定期的なアップデート: WordPressのデフォルトテーマは、WordPress本体のアップデートに合わせて、機能改善やセキュリティパッチが適用されます。これにより、常に最新の環境でWebサイトを運用することができます。
まとめると、WordPressのデフォルトテーマは、特に初心者にとって、以下のような理由から非常に優れた選択肢と言えます。
- Webサイトを安全かつ安定して始めたい人
- Webサイトのパフォーマンスを重視する人
- WordPressのテーマ開発を学びたい人
- アクセシビリティに配慮したWebサイトを作りたい人
もちろん、デザインの自由度や機能の豊富さという点では、他の有料・無料テーマに劣る場合がありますが、上記のようなメリットを考慮すると、Webサイト運用の基盤として非常に優秀なテーマであると言えます。
デフォルトテーマの注意点
WordPressのデフォルトテーマを使用する際には、いくつかの注意点があります。
1. セキュリティ
デフォルトテーマも定期的にアップデートされていますが、セキュリティホール(脆弱性)が発見された場合に、古いバージョンのままだとリスクが高まります。常に最新版にアップデートすることが重要です。
2. デザインと機能
デフォルトテーマは、WordPressの基本的な機能をシンプルに提供するために作られています。そのため、高度なデザインや特定の機能(吹き出し、ボックス、FAQなど)を求める場合は、テーマをカスタマイズするか、専用のプラグインを導入する必要があります。
3. テーマの変更
デフォルトテーマから別のテーマに変更する場合、いくつかのリスクがあります。
- デザインの崩れ: 新しいテーマではレイアウトやCSSが異なるため、これまでのデザインが崩れてしまう可能性があります。
- ショートコードの無効化: 一部のテーマでは、吹き出しやボックスなどをショートコードで表示する機能があります。テーマを変更すると、これらのショートコードが無効になり、ただのコードとして表示されてしまいます。
- カスタマイズ内容の消失: テーマファイルに直接CSSなどを記述している場合、テーマを更新したり変更したりすると、そのカスタマイズ内容はすべて消えてしまいます。カスタマイズは必ず「子テーマ」で行うようにしましょう。
4. バックアップの重要性
テーマの変更やカスタマイズを行う前には、必ずサイト全体のバックアップを取っておくことが非常に重要です。万が一の不具合やトラブルが発生した場合でも、バックアップから復元することで元の状態に戻すことができます。
5. デフォルトテーマは削除しない
現在使用しているテーマ以外のテーマをすべて削除する人もいますが、WordPressのデフォルトテーマは削除しない方が良いとされています。使用中のテーマに問題が発生し、サイトが表示されなくなった場合に、デフォルトテーマが予備として機能することがあるためです。
6. その他
- メタ情報の削除: デフォルトテーマによっては、ブログのメタ情報にWordPressのバージョンやログインURLなどが表示されることがあります。セキュリティの観点から、これらは非表示にする設定を行いましょう。
- ニックネームの設定: 記事の投稿者名がアカウント名と同じになってしまう場合があります。これもセキュリティ上のリスクとなるため、ニックネームを設定して表示されるようにしましょう。
Twenty Twenty-Four(デフォルトテーマ)
Twenty Twenty-Four の背後にある考え方は、あらゆる種類のサイト、あらゆるトピックで使用できるデフォルトのテーマを作成することです。そのため、これまでとは異なり、単一のトピックはありません。代わりに、起業家や中小企業向けに特化したユースケース、写真家やアーティスト向けに特化したユースケース、ライターやブロガー向けに特化したユースケースの 3 つのユースケースが検討されました。本質的には、テンプレートとパターンのコレクションであり、すべて組み合わされてテーマが構成されます。これらのパターンには、概要ページ、プロジェクト概要、出欠確認、ランディング ページなど、さまざまなユースケースに対応したさまざまなホーム テンプレートが含まれています。
「Twenty Twenty-Four」は、WordPressの公式デフォルトテーマの一つで、WordPress 6.4と同時にリリースされました。
主な特徴:
- 多目的性: あらゆる種類のウェブサイト(ビジネスサイト、ポートフォリオ、ブログなど)に適した、シンプルで洗練されたデザインを目指しています。
- ブロックベースのテーマ: WordPressのブロックエディター(Gutenberg)に完全に対応しており、サイトエディターを使ってサイト全体のデザインやレイアウトをノーコードでカスタマイズできます。
- 豊富なテンプレートとパターン: サイト構築を迅速に行えるように、多くのテンプレートとブロックパターンが用意されています。これにより、ページをゼロから作成する手間が省けます。
- スタイルのバリエーション: デフォルトのスタイルに加えて、複数のカラースキームやフォントの組み合わせが用意されており、簡単にサイトの雰囲気を変えることができます。
- レスポンシブデザイン: さまざまなデバイス(PC、タブレット、スマートフォン)で適切に表示されるように設計されています。
- アクセシビリティ: アクセシビリティにも配慮した設計がされています。
フォント:
- 見出しには「Cardo」、本文には「Inter」という2つの美しいフォントファミリーが採用されています。
「Twenty Twenty-Four」は、柔軟性とカスタマイズ性に優れており、初心者から上級者まで幅広いユーザーにおすすめできるテーマです。
Twenty Twenty-Three(デフォルトテーマ)
Twenty Twenty-Three は、WordPress 6.1 で導入された新しいデザインツールを活用するために設計された2023年版のデフォルトテーマです。クリーンでまっさらなベースを出発点として、WordPress コミュニティのメンバーによって作成された10種類の多様なスタイルバリエーションが含まれています。複雑なサイトでも驚くほどシンプルなサイトでも、同梱のスタイルから素早く直感的に作成したり、自分で作成して完全にカスタマイズしたりできます。
Twenty Twenty-Threeは、WordPressの公式デフォルトテーマの一つで、WordPress 6.1のリリースに合わせて導入されました。
主な特徴
- ブロックテーマ: Twenty Twenty-Threeは完全にブロックエディター(Gutenberg)に基づいて構築された「ブロックテーマ」です。これにより、投稿や固定ページだけでなく、サイト全体のレイアウトやデザインをブロックを使って直感的に編集できる「フルサイト編集 (FSE)」に対応しています。
- ミニマルなデザイン: シンプルで洗練されたデザインが特徴で、さまざまな種類のウェブサイトに適応しやすいように作られています。
- スタイルのバリエーション: 複数のプリセットされた「スタイル」が用意されており、サイト全体の雰囲気や配色、フォントなどを簡単に切り替えることができます。これにより、デザインの知識がなくても、好みに合わせた外観を素早く実現できます。
- 柔軟なレイアウト: ブロックエディターの機能を最大限に活用し、コンテンツに合わせて柔軟なレイアウトを構築できます。
- アクセシビリティ: アクセシビリティに配慮して設計されています。
- レスポンシブデザイン: さまざまなデバイスの画面サイズに対応したレスポンシブデザインです。
Twenty Twenty-Twoとの違い
前テーマのTwenty Twenty-Twoもブロックテーマでしたが、Twenty Twenty-Threeではさらに柔軟性が増し、より多様なスタイルのバリエーションが提供されています。
どんなサイトに向いているか
ミニマルなデザインをベースとしているため、以下のようなサイトに適しています。
- ブログ
- ポートフォリオ
- シンプルな企業サイト
- 個人サイト
もちろん、ブロックエディターを使ってカスタマイズすることで、さらに多様なウェブサイトを構築することも可能です。
公式テーマと有料テーマを比較
WordPressの公式テーマ(無料)と有料テーマを比較すると、主に費用、機能・カスタマイズ性、サポート、デザインなどの点で違いがあります。
以下に主な比較ポイントをまとめます。
比較項目 | WordPress公式テーマ(無料) | 有料テーマ |
費用 | 無料 | 1万円〜3万円程度の買い切り型、または月額/年額のサブスクリプション型が多い |
機能・カスタマイズ性 | シンプルで基本的な機能に限定されることが多い。高度な機能はプラグインで補う必要がある。 | 多機能で、ドラッグ&ドロップビルダーや豊富なレイアウトオプションなど、高度なカスタマイズ機能が組み込まれていることが多い。 |
デザイン | シンプルで、他のサイトとデザインが似る可能性がある。 | プロフェッショナルで高品質なデザインが多く、独自性を出しやすい。特定の業種に特化したテーマもある。 |
サポート | 公式フォーラムなど、コミュニティベースのサポートが中心で、個別対応は期待できないことが多い。 | テーマ開発者による専門的なサポート(メール、チャットなど)が提供されることが多く、初心者には安心。 |
アップデート | 公式ディレクトリに登録されているため、セキュリティや互換性のチェックはされているが、機能追加の頻度はテーマによる。 | 定期的なアップデートがあり、最新のWordPressやプラグインとの互換性、セキュリティ対策がより迅速に行われる傾向がある。 |
コードの品質・安全性 | 公式テーマは厳格な審査基準をクリアしているため、一定の品質・安全性は担保されている。 | 評判の良いテーマは高品質だが、中にはコードが複雑すぎたり、セキュリティに問題があるものも存在する可能性があるため、選定に注意が必要。 |
SEO対応 | 基本的なSEO対策はされているが、高度な最適化はプラグインに依存することが多い。 | 内部SEOが最適化されているテーマが多い。 |
まとめと推奨
あなたの状況 | 推奨されるテーマ |
予算をかけたくない、個人ブログ、シンプルなサイトで十分、自分でカスタマイズできる知識がある | 公式テーマ(無料) |
ビジネスサイトや本格的なサイトを構築したい、デザインの独自性を出したい、豊富な機能やカスタマイズ性が欲しい、初心者でサポートが必要、時間と労力を節約したい | 有料テーマ |
最終的には、あなたのサイトの目的、予算、求める機能、そしてウェブサイト構築のスキルレベルに応じて、最適なテーマを選択することが重要です。有料テーマを選ぶ場合は、評判やサポート体制、アップデートの頻度をしっかり確認することをお勧めします。
テーマ名 | 主な特徴・強み | 適したサイト |
ザ・トール (THE THOR) | 国内最高クラスのSEO最適化と高速表示 プロ仕様の美しいデザインを簡単に実現(着せ替え機能あり) アフィリエイトに役立つランキング作成機能やCTAが充実<記事装飾機能が豊富で、読みやすいコンテンツ作成を支援 | アフィリエイトブログ、本格的なメディアサイト、集客を重視するビジネスサイト |
エマノン (Emanon) | Web集客・ビジネス利用に特化した機能が豊富 CTA(行動喚起)、LP(ランディングページ)、メルマガ専用ページなどを簡単に作成 企業サイト、オウンドメディアに適したデザイン WooCommerce対応でネットショップにも利用可能(Premium) | コーポレートサイト、企業ブログ、オウンドメディア、リード獲得を目的としたビジネスサイト |
ストークSE (STORK SE) | 「誰が使っても美しいデザイン」を追求したモバイルファースト設計 シングルカラム(1カラム)レイアウトに特化し、コンテンツへの集中度が高い ブロックエディタに最適化され、直感的な操作が可能 シンプルかつ洗練されたデザインで、汎用性が高い | 商品・サービスのブランディングサイト、ミニマルな企業サイト、シンプルで美しいブログ |
リキッドプレス (LIQUID PRESS) | 用途別に豊富なテーマ(マガジン、コーポレートなど)が用意されている 高いSEO対策と構造化データ対応 多言語対応機能(LIQUID CORPORATEなど) カスタマイザーでの直感的な編集が可能 | メディアサイト(ブログ)、多言語対応が必要な企業サイト、目的に合わせたテーマを選びたいサイト |
補足情報
- ザ・トール: SEOと収益化を最重視する設計で、アフィリエイターやブロガーに人気が高いテーマです。
- エマノン: 特にBtoBやサービス業など、Webからの顧客獲得(リードジェネレーション)を重視するビジネスサイト構築に適しています。
- ストークSE: モバイルでの見やすさに徹底的にこだわり、余計な装飾を排したデザインが特徴です。商品の魅力を際立たせたいサイトにも向いています。
- リキッドプレス: 豊富なラインナップの中から目的特化型のテーマを選べるのが大きなメリットです。例えば、ニュースサイトならLIQUID MAGAZINE、企業サイトならLIQUID CORPORATEなどがあります。