WP Statisticsはプラグインで提供されるシンプルなアクセス解析ツール
WP Statisticsとは
「WP Statistics」は、WordPressのプラグインとして提供されている、シンプルなアクセス解析ツールです。
Googleアナリティクスのような詳細な分析よりも、もっと手軽に、サイトのだいたいのアクセス状況を把握したい場合に適しています。
主な特徴
- WordPress管理画面で完結: 外部サービスと連携する必要がなく、WordPressのダッシュボードから直接アクセス解析データを確認できます。
 - シンプルでわかりやすい表示: アクセス数や訪問者数などのデータを、グラフや表で視覚的にわかりやすく表示します。
 - 基本的なアクセス情報を提供:
- アクセス数(ヒット数)
 - 訪問者数
 - トップページや投稿ページごとのアクセス数
 - ブラウザやOSの統計情報
 - 参照元サイト(リファラー)
 - 検索キーワード
 - 国別のアクセス解析
 
 - プライバシーに配慮: GDPR/CCPAに準拠した設計になっており、訪問者のプライバシーを保護しながら分析が可能です。
 - 管理者などのアクセスを除外: サイト運営者自身のアクセスがカウントされないように、除外設定ができます。これにより、より正確なデータを得ることができます。
 
どのような人におすすめか
- Googleアナリティクスの機能が複雑すぎて、もっと簡単にアクセス状況を確認したい人。
 - ブログや小規模なホームページを運営しており、基本的なアクセス解析で十分な人。
 - プラグインをインストールするだけで、すぐにアクセス解析を始めたい人。
 
Googleアナリティクスのように、直帰率やコンバージョンといった詳細な分析はできませんが、手軽にサイトのパフォーマンスを把握する上で非常に便利なプラグインです。
WP Statisticsの使い方
WP Statisticsは、WordPressのダッシュボード内でサイトのアクセス解析ができる人気のプラグインです。Googleアナリティクスのような外部サービスと連携する必要がなく、シンプルで使いやすいのが特徴です。
1. インストールと有効化
- WordPressの管理画面にログインします。
 - 左メニューの「プラグイン」から「新規追加」を選択します。
 - 検索窓に「WP Statistics」と入力します。
 - 「WP Statistics」プラグインが表示されたら、「今すぐインストール」をクリックし、インストールが完了したら「有効化」をクリックします。
 - 有効化が完了すると、左メニューに「統計」という項目が追加されます。
 
2. 基本的な設定
WP Statisticsはインストール後、すぐにアクセス解析が始まりますが、より正確なデータを取得するために、いくつかの設定を行うことをお勧めします。
自分のアクセスを除外する サイト運営者自身のアクセスがカウントされると、正確なデータになりません。
- 「統計」→「設定」に進みます。
 - 「除外」タブを開きます。
 - 「除外するユーザーの役割」の項目で、管理者など除外したいユーザーにチェックを入れます。
 
クローラーのアクセスを除外する Googleなどの検索エンジンのクローラーもアクセスとしてカウントされるため、これも除外しておくと良いでしょう。
- 「統計」→「設定」に進みます。
 - 「保守」タブを開きます。
 - 「ヒット数が多すぎる訪問者を除去する」にチェックを入れます。
 
GeoIPの設定(国別のアクセス解析) どの国からのアクセスが多いかを知りたい場合は、GeoIPの設定を行います。
- 「統計」→「設定」に進みます。
 - 「外部」タブを開きます。
 - 「GeoIP collection:」と「GeoIP City」にチェックを入れ、「更新」ボタンをクリックします。
 - これにより、国や都市の情報が取得できるようになります。反映には少し時間がかかる場合があります。
 
3. アクセス情報の確認方法
左メニューの「統計」をクリックすると、さまざまな項目からアクセス情報を確認できます。
- 概要: サイト全体のアクセス状況をグラフや表で確認できます。訪問者数、ページビュー数、上位10件の参照サイトなどが表示されます。
 - オンラインユーザー: 現在サイトを閲覧しているユーザーがどのページを見ているか確認できます。
 - ブラウザ: どのブラウザからのアクセスが多いかを確認できます。
 - 国: GeoIPの設定を行っていれば、国別の訪問者数を確認できます。
 - トップ参照サイト: どのサイトから訪問者が来ているか(リファラー)を確認できます。
 - ヒット数: ページごとの閲覧数を確認できます。
 
これらの情報を活用して、サイトの改善に役立てることができます。
WP Statisticsの注意点
「WP Statistics」は、外部サービスに依存せず、WordPressのデータベースに直接データを保存するため、プライバシー保護に優れているという利点があります。しかし、その一方で、いくつか注意すべき点があります。
主な注意点は以下の通りです。
1. サーバーへの負荷
- WP Statisticsは、アクセスデータをすべてWordPressのデータベースに保存します。
 - アクセス数の多いサイトでは、データベースの容量が増大し、サーバーに大きな負荷がかかる可能性があります。
 - 特に「概要」ページなど、大量のデータを処理するページでは、サーバーリソースを大量に消費することがあります。
 - パフォーマンスを維持するためには、十分なPHPメモリリミット(256MB以上が推奨)が必要です。
 
2. データの精度
- 一部のユーザーからは、Google Analyticsと比較してデータの不正確さや不整合を指摘する声があります。
 - これは、プラグイン独自の追跡方法に起因する可能性があります。
 - 特に大規模なサイトや特定の構成では、データ収集に問題が生じることがあります。
 
3. サポートとドキュメント
- Google Analyticsなどの外部サービスに比べて、ドキュメントやサポート体制が手薄に感じられる場合があります。
 - 問題が発生した場合、解決に時間がかかる、あるいは専門的な知識が必要になる可能性があります。
 
4. セキュリティ
- WordPressのプラグインは、常にセキュリティ上の脆弱性のリスクを抱えています。
 - WPScanなどのセキュリティツールで、WP Statisticsの脆弱性情報が報告されることがあります。
 - プラグインを常に最新の状態に保ち、セキュリティリスクを軽減することが重要です。
 
5. 機能と拡張性
- 基本機能は充実していますが、高度な分析や機能(ヒートマップ、クリック追跡、コンバージョン分析など)は、有料のアドオンや他のプラグインと組み合わせる必要がある場合があります。
 - 特定のニーズがある場合は、あらかじめ必要な機能がプラグインに含まれているか、またはアドオンで対応可能かを確認する必要があります。
 
まとめ
WP Statisticsは、プライバシーを重視し、データを自社で管理したいユーザーにとっては優れた選択肢です。しかし、サーバーの負荷、データの精度、サポート体制、セキュリティ、機能の拡張性といった点を十分に理解した上で利用することが重要です。特にアクセス数の多いサイトでは、サーバーリソースの監視と定期的なデータクリーンアップを検討することをお勧めします。
プラグインのリスクを回避する

WordPressプラグインの利用には、ウェブサイトの機能拡張というメリットがある一方で、いくつかのセキュリティや安定性に関するリスクが伴います。
主なリスク
1. セキュリティの脆弱性
プラグインにセキュリティ上の欠陥(脆弱性)が含まれていると、それを悪用したサイバー攻撃の標的になる可能性があります。
- 不正アクセス・サイトの改ざん:脆弱性を突かれて管理画面に不正アクセスされたり、ウェブサイトの内容が改ざんされたりします。
 - 情報漏洩:ユーザーの個人情報や機密データが盗み出されるリスクがあります。
 - マルウェア感染:悪意のあるコードやマルウェアを仕込まれ、サイト訪問者に被害が及んだり、サイトがDDoS攻撃などの犯罪の踏み台に利用されたりする可能性があります。
 - 未更新のプラグイン:開発が停止されたり、長期間更新されていないプラグインは、既知の脆弱性が修正されないまま放置され、特に危険性が高まります。
 
2. ウェブサイトの安定性・パフォーマンスへの影響
- 動作の競合(コンフリクト):複数のプラグイン同士、またはWordPress本体やテーマとの相性が悪く、機能不全やレイアウトの崩れ、エラーが発生することがあります。
 - 表示速度の低下:特に多くのプラグインを導入しすぎると、ウェブサイトの読み込みに必要なリソースが増加し、表示速度が遅くなることがあります。
 
3. メンテナンスの手間とコスト
- 更新の必要性:セキュリティを維持し、WordPress本体のアップデートに対応するため、プラグインも定期的に最新版へ更新する必要があります。この更新作業や、更新後に問題が発生しないかの確認(動作確認)に手間がかかります。
 - 互換性の問題:WordPress本体のメジャーアップデートや、他のプラグインの更新により、特定のプラグインが動作しなくなる互換性の問題が生じることがあります。
 
リスクを最小限に抑える対策
これらのリスクを避けるためには、以下の点に注意することが重要です。
- 信頼できるソースからのみ導入する:WordPress公式プラグインディレクトリなど、信頼できる提供元からのみプラグインをダウンロードし、導入前に評価やレビュー、最終更新日、インストール数などを確認しましょう。
 - 定期的な更新:WordPress本体、テーマ、そしてすべてのプラグインを常に最新の状態に保ちましょう。
 - 不要なプラグインの削除:使用していないプラグインは無効化するだけでなく、サーバーから削除しましょう。
 - 導入数を絞る:本当に必要な機能に絞り込み、プラグインの導入数は最小限に抑えましょう。
 
有料テーマはプラグインのリスク回避につながることがある
WordPressの有料テーマを使うことで、ある程度はプラグインのリスク回避につながることがありますが、完全にリスクを避けられるわけではありません。以下のポイントで詳しく解説します。
有料テーマで回避できるリスク
1. 基本機能がテーマに含まれている
有料テーマには、以下のような機能が最初から組み込まれていることが多いです:
- SEO対策
 - デザインのカスタマイズ(色・フォント・レイアウト)
 - SNS連携
 - パンくずリスト
 - 目次表示
 - 広告管理
 - カスタムウィジェット
 
このため、追加のプラグインを入れずに済む=プラグインによるバグやセキュリティリスクを減らせます。
それでもプラグインが必要なケース
高度な機能はプラグインが必要
- ECサイト機能(WooCommerce)
 - 多言語化(Polylang、WPML)
 - 会員制サイト(MemberPressなど)
 - バックアップやセキュリティ(UpdraftPlus、Wordfence)
 - 高速化(キャッシュ系プラグイン)
 
有料テーマでも、これらの機能まではカバーしきれません。つまり、信頼できるプラグイン選びは必須です。
⚠️ 注意点
| リスク | 有料テーマでの軽減可否 | コメント | 
|---|---|---|
| プラグイン間の競合 | △ | 内蔵機能で代用できれば回避可 | 
| セキュリティの脆弱性 | △ | プラグイン削減で多少減るが、ゼロではない | 
| アップデートによる不具合 | △ | 有料テーマは保守されていることが多いが、プラグインとの相性次第 | 
| サポートの欠如 | ◯ | 有料テーマはサポート付きが多く、安心感あり | 
結論:リスクは減らせるがゼロにはできない
- 有料テーマで必要最低限の機能が揃えば、プラグインを減らせるのでリスク軽減につながります。
 - ただし、どうしても必要なプラグインは信頼性・更新頻度・レビューをしっかり確認して使うことが重要です。
 
補足アドバイス
- テーマとプラグインの相性問題もあるため、有名なテーマ(例:SWELL、JIN:R、THE THORなど)+評判の良いプラグインの組み合わせが安心です。
 - 子テーマを使うことで、カスタマイズ時のトラブルも回避しやすくなります。
 
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補足情報
- ザ・トール: SEOと収益化を最重視する設計で、アフィリエイターやブロガーに人気が高いテーマです。
 - エマノン: 特にBtoBやサービス業など、Webからの顧客獲得(リードジェネレーション)を重視するビジネスサイト構築に適しています。
 - ストークSE: モバイルでの見やすさに徹底的にこだわり、余計な装飾を排したデザインが特徴です。商品の魅力を際立たせたいサイトにも向いています。
 - リキッドプレス: 豊富なラインナップの中から目的特化型のテーマを選べるのが大きなメリットです。例えば、ニュースサイトならLIQUID MAGAZINE、企業サイトならLIQUID CORPORATEなどがあります。
 




