VK All in one Expansion Unitは関連記事・カスタム投稿をカスタマイズできるプラグイン
VK All in one Expansion Unitとは
「VK All in one Expansion Unit」は、株式会社ベクトルが開発・提供しているWordPressの多機能統合型プラグインです。略して「ExUnit(エックスユニット)」と呼ばれることもあります。
このプラグインは、WordPressサイトの構築や運用において、様々な便利機能をまとめて提供することを目的としています。個別の機能をON/OFFできるため、必要な機能だけを有効化してサイトが重くなるのを防ぐことができます。
主な機能としては、以下のようなものがあります。
SEO関連機能:
- タイトルタグの最適化
- メタディスクリプションタグの出力
- noindexタグの出力(クローラーにインデックスさせたくないページに設定)
- 記事の構造化データの出力(Googleが推奨するJSON-LD形式)
- GoogleアナリティクスやGoogleタグマネージャーの設定
SNS連携機能:
- SNSシェアボタンの設置(Facebook、X (旧Twitter)、Blueskyなど)
- SNSシェア時のタイトルを任意に変更
サイト構築・表示関連機能:
- パワフルなウィジェットの追加(最近の投稿、固定ページコンテンツ、プロフィール、PRブロックなど)
- カスタム投稿タイプマネージャー(カスタム投稿タイプやカスタムタクソノミーを簡単に作成・管理)
- 子ページリストの表示
- HTMLサイトマップの自動挿入
- アイキャッチ画像の自動挿入
- お問い合わせ先情報の自動表示
- Call To Action (CTA) の設定
- アイコンフォントの利用(Font Awesome)
- スムーススクロール機能
これらの機能により、WordPressサイトのSEO対策、SNS連携、コンテンツ管理、デザインカスタマイズなどを効率的に行うことができます。特に、企業のWebサイトやブログなどでよく使われる機能が網羅されており、WordPressでのサイト構築をより迅速かつ容易に進めることが可能です。
ただし、多機能ゆえにコードが複雑になる可能性や、サイトの表示速度に影響を与える可能性も指摘されています。そのため、導入する際は、必要な機能を見極めて利用することが重要です。
利用数
WordPressプラグイン「VK All in one Expansion Unit」のアクティブインストール数(有効利用数)は、10万件以上と報告されています。
また、総ダウンロード数は594万回以上という情報もあります。(これらの情報は、WordPressのPlugin Directoryの統計情報に基づいています。)
使い方
VK All in One Expansion Unit」(以下、ExUnit)は、株式会社ベクトルが開発・サポートしている多機能統合型プラグインです。SEO対策、SNS連携、カスタム投稿タイプの作成、ウィジェットの強化など、幅広い機能を提供し、WordPressサイトの構築を強力にサポートします。
ここでは、ExUnitの基本的な使い方と主要な機能について説明します。
1. インストールと有効化
- WordPressの管理画面にログインします。
- 左メニューの「プラグイン」>「新規追加」をクリックします。
- 検索窓に「VK All in One Expansion Unit」と入力し、検索します。
- 「VK All in One Expansion Unit」が表示されたら、「今すぐインストール」をクリックし、その後「有効化」をクリックします。
有効化すると、WordPressの管理画面のメニューに以下の項目が追加されます。
- CTA
- すべての再利用ブロックを管理
- カスタム投稿タイプ設定
- ExUnit
2. ExUnitの主要な設定項目と使い方
「ExUnit」メニューには、主に以下の3つの項目があります。
- メイン設定
- 有効化設定
- CSSカスタマイズ
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
2.1. メイン設定
管理画面の [ツール] → [ExUnit] → [メイン設定] からアクセスします。ここには、サイト全体の基本的な設定に関する多くの項目があります。
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タグ設定: ページのタイトルタグの出力方法を最適化できます。SEOに影響するため、適切に設定することが重要です。- SNS Settings: SNS連携に関する設定を行います。OGP(Open Graph Protocol)タグの出力や、X(旧Twitter)カードの設定などが可能です。SNSで記事がシェアされた際に、正しく画像や説明が表示されるように設定しましょう。
- Google Analytics: Google AnalyticsのトラッキングIDを入力するだけで、サイトにトラッキングコードを埋め込むことができます。
- 連絡先情報: ウィジェットなどで表示される連絡先情報を入力できます。フッターなどに表示される連絡先セクションに利用されることが多いです。
- 関連投稿: 記事の下に関連記事を表示する機能の設定です。タグなどに基づいて関連記事を自動的に表示させることができます。
- 広告表示設定: 記事内や記事下などに広告を挿入する設定ができます。
- CSS最適化: CSSの最適化に関する設定です。サイトの表示速度向上に寄与する場合があります。
2.2. 有効化設定
管理画面の [ツール] → [ExUnit] → [有効化設定] からアクセスします。ExUnitは非常に多くの機能を持つため、不要な機能を無効化することで、サイトのパフォーマンスを向上させることができます。ここには30項目以上の設定があります。
- ソーシャルメディア連携: Facebook、X(旧Twitter)、LINEなどのSNSシェアボタンの表示を有効/無効にしたり、設定を調整したりできます。
- ウィジェット機能: ExUnitが提供する様々なオリジナルウィジェット(例:最近の投稿、プロフィール、Facebookページプラグインなど)の有効/無効を切り替えます。
- カスタム投稿タイプマネージャー: カスタム投稿タイプを管理画面から作成・設定する機能を有効/無効にできます。
- HTMLサイトマップ: 自動でHTMLサイトマップを作成する機能を有効/無効にできます。
- 子ページリスト: 親ページに紐づく子ページのリストを表示する機能の有効/無効を切り替えます。
ポイント: 必要な機能だけを有効にし、使わない機能は無効にしておくことで、WordPressの動作を軽く保つことができます。
2.3. CSSカスタマイズ
管理画面の [ツール] → [ExUnit] → [CSSカスタマイズ] からアクセスします。ここでは、WordPressテーマのCSSをカスタマイズできます。簡単なCSSの追記であれば、ここに直接記述することで、子テーマを作成せずにデザインを変更できます。
3. その他の主要な機能
ExUnitには上記以外にも便利な機能が多数あります。
- CTA (Call To Action):
- 管理画面の「CTA」メニューから設定できます。
- 問い合わせや資料請求など、訪問者に行動を促すためのボタンやセクションをページ下部などに表示できます。特定のページに表示する設定も可能です。
- カスタム投稿タイプ設定:
- 管理画面の「カスタム投稿タイプ設定」メニューからアクセスします。
- 「ニュース」や「事例」など、ブログの「投稿」とは異なる独自のコンテンツタイプを簡単に追加・管理できます。これは、特定の情報を体系的に管理したい場合に非常に便利です。
- すべての再利用ブロックを管理:
- 管理画面の「すべての再利用ブロックを管理」メニューからアクセスします。
- WordPress 5.0以降で導入された再利用ブロックを一覧で管理できます。共通して使うブロックを登録しておくと、記事作成の効率が上がります。
4. 注意点
- 多機能性: ExUnitは非常に多機能であるため、サイトの要件に合わせて必要な機能のみを有効化するように心がけましょう。
- テーマとの連携: Lightningテーマなど、ベクトルのテーマと組み合わせて使用することで、よりスムーズに機能を利用できることが多いです。ただし、他のテーマでも利用可能です。
- アップデート: プラグインは常に最新バージョンに保つようにしましょう。セキュリティの脆弱性対応や新機能の追加が行われます。
ExUnitは、WordPressサイト運営において非常に役立つプラグインです。それぞれの機能を理解し、適切に設定することで、サイトの利便性向上や運営効率化に繋がるでしょう。
注意点
WordPressプラグイン「VK All in One Expansion Unit」は非常に多機能で便利なプラグインですが、使用する上でいくつかの注意点があります。
1. 頻繁に発見される脆弱性とその対策
近年、VK All in One Expansion Unitではクロスサイトスクリプティング(XSS)をはじめとする複数の脆弱性が頻繁に発見されています。
- 常に最新版にアップデートする: これが最も重要な対策です。脆弱性が修正されたバージョンがリリースされたら、速やかにアップデートするようにしましょう。特に、過去にはバージョン9.100.1.0より前のバージョンや9.99.2.0未満のバージョンに脆弱性が存在することが報告されています。
- 公式情報を確認する: プラグインの開発元である株式会社ベクトルや、JPCERT/CCなどの情報セキュリティ機関が公開している脆弱性情報を定期的に確認し、影響を受けるバージョンかどうかを確認してください。
- 不要な機能は無効にする: VK All in One Expansion Unitは多機能ゆえに、使用しない機能も多く含まれています。脆弱性のリスクを軽減するためにも、使用しない機能は設定画面で無効にしておくことを検討しましょう。
2. 他のプラグインとの競合
「VK All in One Expansion Unit」は多くの機能を提供するため、他のプラグインと機能が重複することがあります。
- 機能の重複に注意: 特にSEO系のプラグイン(All in One SEO Packなど)や、ソーシャルメディア連携、Google Analytics設定など、同様の機能を持つプラグインを複数導入すると、設定の重複や予期せぬ不具合が発生する可能性があります。
- デフォルトで全機能OFFにするのがおすすめ: プラグインをインストール・有効化した後、一旦すべての機能をOFFにし、必要な機能だけを個別に有効化していくのが良い運用方法とされています。
- テーマとの相性: WordPressテーマ「Lightning」と組み合わせて使われることが多いですが、他のテーマでも利用可能です。ただし、一部のテーマではCSSの干渉などによりレイアウトが崩れる場合もあります。
3. その他
- カスタム投稿タイプについて: カスタム投稿タイプを新しく追加した場合、その一覧ページのURLや表示方法に注意が必要です。
- 設定の保存忘れ: 機能の有効化・無効化など、設定を変更した場合は必ず「変更を保存」をクリックしてください。
- 多機能ゆえの複雑さ: 多機能であるため、設定項目が多く、初めて利用する際には戸惑うかもしれません。公式ドキュメントや解説サイトなどを参考に、それぞれの機能の役割を理解してから設定することをおすすめします。
VK All in One Expansion Unitは、適切に管理・運用すれば非常に強力なツールとなります。上記注意点を踏まえ、安全かつ効果的に活用してください。
口コミ・評価
WordPressプラグイン「VK All in one Expansion Unit」(ExUnit)は、特にWordPressテーマ「Lightning」と組み合わせて使われることが多く、その開発元であるVektor, Inc.が提供しています。
口コミや評価の傾向としては、以下のような点が見られます。
- 多機能で便利: サイト制作にかかる時間を削減する、便利な機能が豊富にあると評価されています。
- 「Lightning」との相性が良い: Lightningテーマの開発元が作っているため、非常に相性が良く、機能を拡張する上で推奨されています。もちろん、他のテーマでも利用可能です。
- 細かな設定が可能: カスタム投稿タイプマネージャーなどの機能が優秀で、簡単にカスタム投稿タイプを作成できる点などが評価されています。
- 初心者にもおすすめ: アクセス解析の設定なども簡単にできるなど、使い始めると面倒な設定を管理画面から手軽に行える点が、とりあえず導入しておくべきプラグインとして推奨される理由の一つです。
- 無料利用の範囲でも高機能: 無料で利用できるにも関わらず、多機能で高機能だと感じているユーザーもいます。
プラグインのリスクを回避する

WordPressプラグインの利用には、ウェブサイトの機能拡張というメリットがある一方で、いくつかのセキュリティや安定性に関するリスクが伴います。
主なリスク
1. セキュリティの脆弱性
プラグインにセキュリティ上の欠陥(脆弱性)が含まれていると、それを悪用したサイバー攻撃の標的になる可能性があります。
- 不正アクセス・サイトの改ざん:脆弱性を突かれて管理画面に不正アクセスされたり、ウェブサイトの内容が改ざんされたりします。
- 情報漏洩:ユーザーの個人情報や機密データが盗み出されるリスクがあります。
- マルウェア感染:悪意のあるコードやマルウェアを仕込まれ、サイト訪問者に被害が及んだり、サイトがDDoS攻撃などの犯罪の踏み台に利用されたりする可能性があります。
- 未更新のプラグイン:開発が停止されたり、長期間更新されていないプラグインは、既知の脆弱性が修正されないまま放置され、特に危険性が高まります。
2. ウェブサイトの安定性・パフォーマンスへの影響
- 動作の競合(コンフリクト):複数のプラグイン同士、またはWordPress本体やテーマとの相性が悪く、機能不全やレイアウトの崩れ、エラーが発生することがあります。
- 表示速度の低下:特に多くのプラグインを導入しすぎると、ウェブサイトの読み込みに必要なリソースが増加し、表示速度が遅くなることがあります。
3. メンテナンスの手間とコスト
- 更新の必要性:セキュリティを維持し、WordPress本体のアップデートに対応するため、プラグインも定期的に最新版へ更新する必要があります。この更新作業や、更新後に問題が発生しないかの確認(動作確認)に手間がかかります。
- 互換性の問題:WordPress本体のメジャーアップデートや、他のプラグインの更新により、特定のプラグインが動作しなくなる互換性の問題が生じることがあります。
リスクを最小限に抑える対策
これらのリスクを避けるためには、以下の点に注意することが重要です。
- 信頼できるソースからのみ導入する:WordPress公式プラグインディレクトリなど、信頼できる提供元からのみプラグインをダウンロードし、導入前に評価やレビュー、最終更新日、インストール数などを確認しましょう。
- 定期的な更新:WordPress本体、テーマ、そしてすべてのプラグインを常に最新の状態に保ちましょう。
- 不要なプラグインの削除:使用していないプラグインは無効化するだけでなく、サーバーから削除しましょう。
- 導入数を絞る:本当に必要な機能に絞り込み、プラグインの導入数は最小限に抑えましょう。
有料テーマはプラグインのリスク回避につながることがある
WordPressの有料テーマを使うことで、ある程度はプラグインのリスク回避につながることがありますが、完全にリスクを避けられるわけではありません。以下のポイントで詳しく解説します。
有料テーマで回避できるリスク
1. 基本機能がテーマに含まれている
有料テーマには、以下のような機能が最初から組み込まれていることが多いです:
- SEO対策
- デザインのカスタマイズ(色・フォント・レイアウト)
- SNS連携
- パンくずリスト
- 目次表示
- 広告管理
- カスタムウィジェット
このため、追加のプラグインを入れずに済む=プラグインによるバグやセキュリティリスクを減らせます。
それでもプラグインが必要なケース
高度な機能はプラグインが必要
- ECサイト機能(WooCommerce)
- 多言語化(Polylang、WPML)
- 会員制サイト(MemberPressなど)
- バックアップやセキュリティ(UpdraftPlus、Wordfence)
- 高速化(キャッシュ系プラグイン)
有料テーマでも、これらの機能まではカバーしきれません。つまり、信頼できるプラグイン選びは必須です。
⚠️ 注意点
リスク | 有料テーマでの軽減可否 | コメント |
---|---|---|
プラグイン間の競合 | △ | 内蔵機能で代用できれば回避可 |
セキュリティの脆弱性 | △ | プラグイン削減で多少減るが、ゼロではない |
アップデートによる不具合 | △ | 有料テーマは保守されていることが多いが、プラグインとの相性次第 |
サポートの欠如 | ◯ | 有料テーマはサポート付きが多く、安心感あり |
結論:リスクは減らせるがゼロにはできない
- 有料テーマで必要最低限の機能が揃えば、プラグインを減らせるのでリスク軽減につながります。
- ただし、どうしても必要なプラグインは信頼性・更新頻度・レビューをしっかり確認して使うことが重要です。
補足アドバイス
- テーマとプラグインの相性問題もあるため、有名なテーマ(例:SWELL、JIN:R、THE THORなど)+評判の良いプラグインの組み合わせが安心です。
- 子テーマを使うことで、カスタマイズ時のトラブルも回避しやすくなります。
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補足情報
- ザ・トール: SEOと収益化を最重視する設計で、アフィリエイターやブロガーに人気が高いテーマです。
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