Broken Link Checkerはリンク切れをチェックするプラグイン
Broken Link Checkerとは
WordPressプラグイン「Broken Link Checker」は、WordPressサイト内のリンク切れを自動で検出し、管理・修正するための非常に便利なプラグインです。
主な機能と特徴は以下の通りです。
- 自動でのリンク切れ検出: サイト内の投稿、固定ページ、コメント、カスタムフィールドなどに含まれる内部リンク、外部リンク、画像リンク、YouTube動画リンクなどを定期的に巡回し、リンク切れを自動でチェックします。
- 通知機能: リンクエラーが検出された場合、WordPressのダッシュボードやメールで管理者に通知します。これにより、リンク切れに素早く気づくことができます。
- 簡単な修正: リンク切れが見つかった場合、プラグインの管理画面から直接URLを編集したり、リンクを解除したりすることができます。元の投稿やページを編集画面で開く手間が省けます。
- SEOへの貢献: リンク切れが多いサイトは、ユーザー体験を損なうだけでなく、SEOにも悪影響を与えます。Broken Link Checkerを使用することで、リンク切れを迅速に修正し、サイトの健全性を保ち、SEOの評価を維持・向上させることができます。
- 詳細な設定: リンクチェックの間隔、チェック対象(投稿の種類、ステータス)、チェックするリンクの種類、除外リストなど、詳細な設定が可能です。
- サーバー負荷の考慮: 大量のリンクをチェックするため、サーバーに負荷がかかる可能性があります。そのため、設定によってサーバー負荷を制限する機能も備わっています。
なぜBroken Link Checkerが必要なのか?
- ユーザー体験の向上: リンク切れは、サイト訪問者にとって非常に不便であり、サイトを離れる原因となります。リンク切れをなくすことで、ユーザーはスムーズに情報を得られ、満足度が向上します。
- SEO対策: 検索エンジンのクローラーは、リンク切れをサイトの品質が低いと判断する可能性があります。リンク切れを放置すると、検索エンジンの評価が下がり、検索順位にも影響が出る可能性があります。
- 運用の手間削減: 手動で大量のリンクをチェックするのは非常に手間がかかります。Broken Link Checkerを使えば、その手間を大幅に削減できます。
ただし、一部のユーザーからは「サイトが重くなる可能性がある」という声もあります。そのため、適切な設定(チェック間隔や対象の調整など)を行うことが重要です。
最近では「Broken Link Checker by AIOSEO」という、AIOSEO(All In One SEO)チームが開発した新しいバージョンのBroken Link Checkerも登場しており、SaaSサービスとして動作するためWordPressホスティングサービスサーバーに負荷をかけにくいという特徴もあります。
Broken Link Checkerの設定
Broken Link Checkerは、ウェブサイト内の壊れたリンク(404エラーなど)を検出・報告してくれる非常に便利なWordPressプラグインです。適切に設定することで、サイトのSEO評価を保ち、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
以下に、Broken Link Checkerの主要な設定項目とその推奨設定を説明します。
1. プラグインのインストールと有効化
まず、WordPressのダッシュボードから「プラグイン」>「新規追加」を選択し、「Broken Link Checker」を検索してインストールし、有効化します。
2. 設定画面へのアクセス
有効化後、WordPressのダッシュボードの「設定」メニューの中に「リンクチェッカー」または「Broken Link Checker」という項目が追加されます。ここをクリックして設定画面にアクセスします。
3. 一般設定 (General)
- ステータス (Status):
- 壊れたリンクを検索 (Look for broken links): 通常は「はい (Yes)」に設定します。これにより、プラグインが定期的にリンクをチェックします。
- リンクの再チェック間隔 (Check links every): リンクをチェックする頻度を設定します。ウェブサイトの更新頻度や規模によりますが、通常は「72時間ごと (Every 72 hours)」または「1週間ごと (Every week)」が妥当です。頻繁なチェックはサーバー負荷を増やす可能性があります。
- 通知 (Notifications):
- 壊れたリンクの通知メールを送信 (Send e-mail notifications about broken links): 「はい (Yes)」に設定することをお勧めします。これにより、壊れたリンクが見つかった際にメールで通知を受け取ることができます。
- 通知メールアドレス (Notification e-mail address): 通知を受け取りたいメールアドレスを設定します。通常はWordPressの管理者メールアドレスが自動的に入力されます。
- 著者へ壊れたリンクを通知 (Notify authors about broken links in their posts): 複数人で記事を執筆している場合に、自分の記事内の壊れたリンクを著者に通知したい場合に「はい (Yes)」に設定します。
- リンク調整 (Link tweaks):
- 壊れたリンクをHTMLで整形 (Apply custom formatting to broken links in HTML): 「はい (Yes)」に設定すると、壊れたリンクに自動的にCSSクラスが適用され、破線の下線などが引かれるようになります。これにより、訪問者にも壊れたリンクがあることが視覚的にわかります。
- 壊れたリンクをrobots.txtから除外 (Exclude broken links from robots.txt): SEOの観点から、壊れたリンクを検索エンジンがクロールしないように「はい (Yes)」に設定することをお勧めします。
4. リンクをチェックする対象 (Which links to check)
ここで、Broken Link Checkerがどの種類のコンテンツのリンクをチェックするかを設定します。
- 投稿 (Posts): 投稿記事内のリンクをチェックするかどうか。通常は「はい (Yes)」。
- ページ (Pages): 固定ページ内のリンクをチェックするかどうか。通常は「はい (Yes)」。
- コメント (Comments): コメント内のリンクをチェックするかどうか。スパムコメントなどにより壊れたリンクが多くなる可能性があるため、必要に応じて設定します。
- カスタムフィールド (Custom Fields): カスタムフィールド内のリンクをチェックするかどうか。カスタムフィールドを使用している場合は「はい (Yes)」。
- カスタム投稿タイプ (Custom Post Types): 使用しているカスタム投稿タイプがあれば、その投稿タイプ内のリンクをチェックするかどうか。
- リンクタイプ (Link types): HTMLリンク、画像URL、埋め込み動画など、チェックしたいリンクの種類を選択します。通常はすべて選択しておくと良いでしょう。
5. 除外するリンク (Excludes)
特定のURLやドメインのリンクをチェック対象から除外したい場合に設定します。
- URLを除外 (Exclude URLs): ここに特定のURL(例:自分のSNSリンクなど、常に利用可能なことが分かっているもの)を入力することで、チェック対象から外すことができます。複数ある場合は改行して入力します。
- ドメインを除外 (Exclude domains): 特定のドメイン(例:外部の広告リンクなど)をチェック対象から外したい場合に設定します。
6. 高度な設定 (Advanced)
- タイムアウト (Timeout): リンクチェック時のタイムアウト時間を設定します。リンクが多い場合やサーバーの応答が遅い場合に調整が必要になることがあります。デフォルト値で問題ないことが多いです。
- HTTPリクエストの調整 (HTTP Request Tweaks):
- ユーザーエージェント (User-Agent): リンクチェック時に使用するユーザーエージェントを設定します。通常はデフォルトのままで構いません。
- リダイレクトの最大回数 (Max redirections): リダイレクトを辿る最大回数を設定します。ループに陥るのを防ぐために重要です。
- 警告を隠す (Hide warnings): WordPressダッシュボードの警告を非表示にするかどうか。通常は「いいえ (No)」で表示させておいた方が良いでしょう。
7. 設定の保存
各設定を変更したら、必ず下部にある「変更を保存 (Save Changes)」ボタンをクリックして設定を適用してください。
8. 壊れたリンクの管理
設定が完了し、プラグインがリンクチェックを開始すると、ダッシュボードの「ツール」>「壊れたリンク」から壊れたリンクの一覧を確認できるようになります。
- リンクの編集: 壊れたリンクのURLを直接修正できます。
- リンクを解除: そのリンクを投稿から完全に削除します。
- リンクを無視: そのリンクを壊れたリンクとして扱わないようにします。一時的な問題などで後で再確認したい場合などに便利です。
- 再確認: 特定のリンクをすぐに再チェックします。
まとめ
Broken Link Checkerは、ウェブサイトの健全性を保つ上で非常に有用なツールです。上記の設定を参考に、ご自身のウェブサイトに最適な設定を行うことで、壊れたリンクの問題を効果的に管理し、ユーザーエクスペリエンスとSEOパフォーマンスの向上に貢献できます。
Broken Link Checkerのデメリット
Broken Link Checkerは非常に便利なプラグインですが、いくつかのデメリットも存在します。主なデメリットは以下の通りです。
- サーバーリソースの消費(負荷):
- Broken Link Checkerは、あなたのウェブサイト上のすべてのリンク(投稿、ページ、コメントなど)を定期的にスキャンします。このスキャン処理は、特に大規模なサイトや共有ホスティング環境の場合、サーバーのCPUやメモリを大量に消費する可能性があります。
- これにより、ウェブサイトの表示速度が低下したり、ホスティングプロバイダからリソース使用過多の警告を受けたりする場合があります。
- パフォーマンスの低下:
- バックグラウンドで常にリンクをチェックしているため、サイト全体のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。特に、データベースへのクエリが増えることで、ページの読み込み時間が長くなることがあります。
- 誤検知の可能性:
- ごく稀に、実際には壊れていないリンクを「壊れている」と誤って報告することがあります。これは、一時的なネットワークの問題や、対象サイトのサーバー応答の遅延などが原因で発生することがあります。
- メンテナンスの手間:
- 検出された壊れたリンクを手動で修正または解除する必要があります。リンクが多い場合、この作業は時間がかかることがあります。
- 修正してもすぐに「修正済み」と認識されない場合があり、再度スキャンを待つ必要があることもあります。
- プライバシーに関する懸念(外部サービスとの連携):
- (これは現在のバージョンではあまり当てはまらないかもしれませんが、過去には)一部のリンクチェック機能が外部サービスと連携していた時期がありました。その場合、どのデータが外部に送信されるのか、プライバシーポリシーを理解しておく必要がありました。しかし、現在のバージョンでは基本的にローカルで処理されます。
これらのデメリットを踏まえた上での対策
- 定期的な手動チェック: プラグインに頼りきりではなく、月に一度など定期的に手動でチェックを行う。
- スキャン頻度の調整: プラグインの設定でスキャン頻度を低く設定する。
- 必要な時だけ有効化: リンクチェックが必要な時だけプラグインを有効化し、それ以外の時は無効化しておく。
- サーバーリソースの確認: ホスティングプロバイダの管理画面などでサーバーリソースの使用状況を定期的に確認する。
- 代替手段の検討: Google Search Console(「クロールの統計情報」や「インデックスカバレッジ」など)や、より軽量なオンラインツール(Ahrefs、Semrushなどのサイト監査ツールの一部)を利用してリンク切れをチェックすることも有効です。
結論として、Broken Link Checkerは非常に便利なツールですが、サイトの規模やサーバー環境によっては、その利用がパフォーマンスに悪影響を与える可能性があることを理解しておくことが重要です。
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は、非常に多機能なテーマであるため、他のテーマと比較してプラグインをあまり必要としないのが大きな特徴です。多くの機能(SEO対策、高速表示、目次生成、お問い合わせフォームなど)がテーマに標準搭載されているため、これらの機能のために別途プラグインを導入する必要がありません。これにより、サイトの表示速度低下を防ぎ、安定した運用が期待できます。